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発達障害でも同人誌を作りたい

同人誌を出したい!
だが同人誌制作には、印刷所への入稿という原稿を完成させるのと同じくらいの難関が待ち構えている。

そもそも出版社関係の方でもない限り『入稿』という言葉とは無縁だし、入稿には『トンボ』『断ち切り』『ノド』などなどの聞きなれない言葉がはじめの一歩を大混乱させてくる。

そもそもワーキングメモリの低い発達障害者には一度にそれらのルールを理解することが難しい。さらには入稿までのスケージュール管理も先延ばし癖やらでこれまた難しい。
まさに発達障害者にとっての大敵が踏み出した一歩目の足を複雑骨折させてくるのだ。

しかし同人誌を出したい!
という方向けに、当事者の私が個人的にこれは発達障害持ちの同人作家の役に立つかもしれないハックをまとめてみた。


付箋を貼るな、やることリストをつくるな

手始めに課題を付箋に書きPCまわりに貼ったり、やることリストを作って作業を可視化したい気持ちはわかる。
だがそれだと視界に「やらなければいけないこと」が一気に飛び込んできて、まずなにから手をつけていいかメダパニ状態になる。
そこで付箋を10枚くらいまとめて剥がし、そこに思いついたやるべきことを一枚にひとつ書く、日めくりカレンダー方式を提案したい。
優先順位を把握するのが苦手な人が多いはずだから、もういっそ優先順位なんぞ考えないほうがいい。
そして達成したら付箋を剥がす。すると必然的に次にやることが見える。という仕組みだ。


原稿は、かいていればいつか終わる

前途したとおり、我々はスケジュール管理が苦手だ。
だからスケジュールなんて組むな。
「今日は〇ページやるぞ」
なんて設定して達成できる気がするか?先延ばし癖が発動しない自信はあるか?
ならいっそ、とにかく書け(描け)ばいい。
とうぜんだが、かいていればいつか原稿は終わる。とにかくかけるときにかけ。何も考えるな。かけ。

正気のうちに入稿ルールを箇条書き

マルチタスクが苦手な発達障害者は、原稿のことを考えつつ印刷所のルールを頭に入れるなんて器用なことはかなり難しいのではないか。私は無理だ。だから不備連絡の常習犯になるのだ。
なので原稿に手をつける前にまず印刷所の原稿制作の手順なりを読んで、大事なところだけ箇条書きし、これだけは付箋にでも書いてすぐ見える場所に貼っておこう。
原稿中「あれ、ここどう設定すればいいんだっけ?」ってのをいちいち印刷所のHPを見に行って、原稿で素寒貧な脳みそで確認しないようにするためだ。

ラムネ、水分は常に手元に

心療内科の先生に言われたのだが、我々発達障害者は燃費が悪いらしい。
なのでおそらく人よりもカロリーの消費が激しい。そして三月のライオンに書いていたように「脳は大食い」だ。
加えて発達障害者には過集中になる人も多い。
私もつい飲まず食わず、トイレにも行かずに集中してしまい、気づけばフラッフラになってしまうことも多々あった。
なので集中モードでもすぐに糖分と水分が摂れるよう、原稿作業に入る前に準備しておこう。

〆切まであと何日、ではない。あと休日は何日あるかで考えろ

これは発達障害かどうか関係なく言いたい。
いやむしろ社会人同人作家には当たり前のことかもしれんが、ぱっとカレンダーを見て「〆切まであと何日ある」と、目の前の可視化された情報を鵜呑みにしがちなのではないだろうか、我々発達障害者は。
カレンダー通りの休日の人にはさほど難しくはないだろうが、シフト制の仕事に就いている人は、休みの日はカレンダーに目立つ印でも書いて、それを換算するようにするとわかりやすいかもしれない。
私は赤ペンで休日を囲って、〆切までの日数を数える時には赤い枠を数えるようにしている。


という、何を今さら……ということや、発達障害者バカにしてんのか?という内容もあったかもしれないが、これはあくまで当事者の私が実際に「こうしたら便利だな」と思ったものを書き連ねてみたので、使えそうなものを使って同人誌制作のハードルが少しでも下がればいいなと思う。


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