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今という未来

子ども手当の所得制限撤廃。
少子化に向けての政策であることはわかる。
けれど、ひとり親家庭に対して給付される、児童扶養手当には所得制限撤廃どころか、私が手当を支給していた十数年で支給額は数千円程度しか上がっていない。
そして驚くことに、子ども一人を扶養している場合の全額支給に対する所得制限が87万円なのである。(私の住んでいる地域の場合)
最低賃金でフルタイムで働いてた私は、もちろん全額支給の対象外であった。
45,490円から所得額に応じて引かれていく、なんだかえらい面倒な計算式で算出される対象だった。
ちなみに全額支給額は、子供が一人の場合で月額45,500円である。

いやいやいや、どうやって生活しろと。

地方住みだと子供がいれば、車はほぼ必須だし、家賃補助があるのは東京都と千葉県のみ。
いくら医療費がタダ、あるいは親は一割負担とはいえ、給与と合わせて月の収入はだいたい16万円ちょい。あと児童手当の1万円。

学校入学時に就学支援金はあれど、入学後に入金されるため、学用品、制服を買うには間に合わない。

どうしろと?
高校の制服代なんて10万円だぜ?
せめて両親揃ってる世帯の平均年収に近い額になるよう、手当の額を設定すべきでは?と思ってるうちに子供は成人した。
せめて「普通」に近い生活をしたかった私は今、借金の返済に追われている。そうでもしなければ、娯楽も食事も日用品も、まともに与えられなかった。

結局、私が子育てをしてる間も、終わった今も、制度は変わらない。
子ども手当の所得制限は撤廃されたのに、児童扶養手当については何もない。

陰謀論を鼻で笑う私ですら、なんらかの陰謀が働いていると勘ぐってしまう。
たとえば、ひとり親は子供を産むことがないので金を出さない、とか。

つまり国はこれかれ子供を産む人を増やそうとはするが、今現在の貧困に陥っている子どもからは目を逸らしている。そんな気さえ起きてしまう。


少子化対策は深刻な問題であることはわかる。
しかし、今を生きている子供たちに目を向けないことは、少子化どころではないのではないか。未来の問題よりもまず、先進国で貧困家庭が六割という現実も、もっと問題視すべきではないか。

これからの子供を増やす前に、まず目の前の子供たち、それを育てる親に、まず手を伸ばしてほしい。

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