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拝啓、日本心理学会様。

2022/09/16(金) #129:hiko


昼夜逆転を極めつつある俺は、最近は8時寝15時起きという生活を演じている。

しかし、今日は昼から学校に行く用事がある。 

家族が仕事へ出かけてから眠り、お昼前に気合いで起床した。

急いでシャワーを浴び、身支度を整えて家を出る。

バイトと散歩以外で外に出るのは久しぶり。

外向きのおしゃれな服を着たのも、1ヶ月もの間隔を空けてのことだった。

電車に乗るのもいつぶりだろう。
2週間は乗っていないな。


なにより、学校が懐かしい。

学校の最寄り駅は、新しいお店がオープンしていたり、二階建てバスをカフェに改造した、なにやらメルヘンな内装の乗り物に人集りができていたり、いろいろな変化がみられた。

慣れない東京にますます除け者にされつつ、学校に到着した。



さてここで、今日の用事とは何か。

それは、ゼミで募集があった心理学研究への参加だった。
こうした本格的な研究に参加するのは初めてで、軽い気持ちで行ったのを少し後悔することになる。

研究協力の報酬も、ちょっといいアルバイトの時給くらいあるそうで、後悔というよりも面食らってしまった。



研究内容は「日本の学生における男性リーダーと女性リーダーへの意識」というもの。

ある名前がPCの画面に表示され、それを男性か女性かにキーボードを用いて分類する。ある名前とは、男性または女性に多い名前が設定されていた。

次に、ある形容詞が表示され、それをポジティブ・ネガティブの2つに分類する。形容詞には、「優れた」、「有能な」や、「劣った」、「低俗な」などを含む各5種、計10種類の語が設定されていた。たしか。


この分類を、たとえば「女性、ポジティブ」のように組み合わせ、表示される単語を分類していく。

「女性、ポジティブ」と「男性、ネガティブ」でグルーピングされていた場合、「劣った」は「男性、ネガティブ」グループへ。
「みゆき」は「女性、ポジティブ」グループへ分類するという処理を行った。

グループの組み合わせを入れ替え、「男性、ポジティブ」と「女性、ネガティブ」の場合についても同じ要領で処理を行った。


このときの反応速度・精度の違いを記録し、被験者の男女に対する潜在的な格差意識を炙り出すという実験だった。


拝啓、日本心理学会様。

俺という1人のモルモットが、我が国における潜在的なジェンダー格差の発見に寄与することを願っております。


実験に参加した感想は、研究方法の妥当性が気になりました。
俺は本を読むのとか、書くのとか、手際とかが色々遅くて、テストとかはいつも時間との勝負だった。
そんな俺だから、できる限りの速度で処理したけど、人が見たら大分遅かったと思う。
あと、処理能力も悪いので、やってる途中にゲシュタルト崩壊してきて、しょーもないミスを連発していた。
これじゃあ、俺が潜在的にどちらが優れていて劣っていると考えているのかを測定できたと思えない。


でもまあ、それも含めて上手くできているんだろうな。人間が紡いできた科学を舐めてはいけない。

なにはともあれ、滅多にない素敵な経験ができた。
おもしろかった。


学校を出て、次の目的地を目指す。

夏休みに入る前に行った、はちみつ屋さんだ。


何故かというと昨日のこと。
冷蔵庫を開けると、ロールケーキやタルトといったいくつかのお菓子が入っていた。
なんでだろうと考えると、前日に両親が仕事を早く切り上げてご飯を食べに行っていたことを思い出した。

(そうじゃん、結婚記念日だったじゃん。)


まあ、ケーキとかご飯は記念日と関係ないらしかったけど。

このことを思い出して、結婚記念日を口実に、俺がはちみつを買いたい欲望を満たそうと考えたわけである。


お店に行くと、店員さんが覚えていてくれた。

「なにかお目当てのものありますか?」
「いえ、とりあえず見てます。」
「ご来店は初めてですか?」
「いえ、前に何度か。」
「ですよね!個性的なシャツ着てた-----」

はじめはよそよそしかったけど、途中から明らかに明るくなった。かわいかった。


それにしても、やっぱり俺が愛想悪すぎる。。
もう1人の店員さんも、なんか話しかけてくれたんだけど、イヤホンで音楽聴いてたからほとんど無視しちゃったし。
いや、2mくらい離れたところからだったから。許してくれ。話しかけられたことには気づいて会釈はしたし。

ただ、その店員さんも俺のこと見覚えあるらしい。
俺がこのお店に行くのは3回目。
前回いなかったから、会ったとしたらもう1年半も前になる。
覚えているわけないだろ。

と思ったけど、特に突っ込まず謝罪だけした。


今回はプレゼント用とは伝えず、俺好みの味を選んだ。だって俺も食べるもん。

てことで、今回のはちみつの紹介。

1つはスペインのアーモンド。アーモンドが混ざっているのか、アーモンドから採れた蜜かはわからない。とにかくおいしかった。
食べたときの薫りが特徴的で、質感は硬め。どちらも俺好みだった。ただ、汎用性はあまり見込まれない。パンに塗るかそのまま食べるかしかできなさそう。おいしいからいいけど。

もう1つはフランスのシャンパーニュで作られたやつ。何のお花かは覚えてない。てか、書いてなかった気がする。
こちらはいい意味でクセがない。シンプルな味わいで後味がスッキリしていた。少しザラっとしているけど嫌いじゃない。
色んな用途で使えそう。コーヒーや紅茶は勿論、パンに塗るのもアーモンドとは違うアクセントになるだろう。これからの朝食が楽しみだ。
って言っても食べるのは昼だろうけど。


この2つは、お店の人気トップ3の内の2位と3位のはちみつだった。
だからってわけじゃなくて、ちゃんと味見して選んだ。
でも、天邪鬼だから、違うやつにしようとしてた。

じゃあなんでこれにしたかっていうと、俺はまだまだビギナーだから。
純粋に美味しいと感じて、しかも太鼓判も押されているものを買わず奇を衒っていても、それははちみつ好きぶってるようにしかなれない気がしたから。


なんか、大人になった気がする。

あーーー、食べるの楽しみだなあ。


お店を出て、駅に向かう。

今日はこの後に、ラウディとカラオケに行く予定があった。
しかしそれも夕方からで、それまで3時間ほど時間がある。
集合時間の確認のため、メッセージを送った。

最寄り駅について、今日1日何も食べていないことに気がついた。(はちみつはノーカンで)

割引券を持っていたので、ガストに入る。

電車のなかで煙草を落としたことに気がつき、むかついてハイボールを頼んでしまった。

夕方前に、ファミレスで、1人で酒を飲む。
初めての経験だった。


温玉ミートドリアとちょい盛りポテトを注文したのは正解だったな。


いい時間を過ごしていると、ラウディからの返事。

「ごめぇぇぇぇぇん!!!!」

日付を勘違いしていたらしい。


それならしゃーないな。
怒ったところで来れるわけでも、そうして来たところで楽しいわけもない。
許すとか許さないとかじゃなくてしゃーない。

このマインドのおかげで上手くやれている。


ガストを出て、家に帰ることにした。

夕日がやけに心地いい。


しばらくぶりに満足度が高い1日でした。


敬具。


By hiko.

ガスト

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