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かつてはかけがえのない存在に憧れていた節があった。今はそうではない。

私なんぞの代わりなど幾らでも蔓延っている。私なんかよりいい男は星の数ほどいる。だから彼女を幸せにするのは私なんかではなく、もっと素敵な彼である。

そう思えるようになったからこそ、私は私にしかできないことなどという、戯言に現を抜かすことなく、私なんかにもできる事を大事にしようと思うことができたのだ。

風呂掃除、帰ってきて疲れている親がやるのではなく、休みのために昼に起きた私がはいるために終わらせ、優雅に浸かる。帰ってきた家族は各々追い焚きして浸かる。

飯炊き、小腹が空いたので卵かけご飯を食べようと思い3合炊いて、残りは冷凍しておく。そうすることで晩に父親が食べれる。翌日、私の朝食になる。

バイト、誰でもできるスーパーのレジ打ちを小銭稼ぎのためにやる。ご夫人、どうぞごゆっくりお会計をなさってください。ポイントカードはありますか?ありがとうございます、またお越しくださいませ。

私がいなくても周る世界が美しく見える。それをぼんやり眺めながら暮らせればそれでいい。

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