6/12

人生を17歳で諦めた、一旦。

大袈裟に言っておるが、単に乙女に振られただけである。それからというもの余生を過ごしていることになるが、中々に長いものである。

今年、あと数ヶ月もすれば24歳になる。性懲りも無く生きているうちに、還暦を迎え、古希、喜寿、傘寿、米寿、etc、不死と長々と寿命を重ね、生きているうちに化石になるのも悪くないと、ぼんやり生きている。

夢が叶わぬ人生であった。余生に入ってからは、節々に目標はあり、予定もあるが、今日は天気がいいから外に出よう、今月は4万円以内で過ごそう、しばらく会ってないあいつと飲みに行くか、そんなようなものである。しなくてもいいような瑣末なことで溢れている。

生きている限り付きまとう煩わしさも、音量を下げて聴き流せば、ラジオのような味わい方があると気づき、適当にあしらい、余生唯一の楽しみの散歩に耽る。

くたくたになって家に帰り、冷蔵庫を開ければビールがある。夢がなくてもビールはあるのだ。苦味と諸々を流し込み、床に就く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?