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自分の理想は、他人である。仲睦まじく休日の商店街を歩く、微笑ましく眺められるカップルが羨ましい。
男の友人と二人で、昼食を食べに高円寺に行った。美味しかったし、楽しかったことは間違いないのだが、理想の休日ではない。
さて、好きな人に振られるということは、死ぬということである。私はもう何度か死んでいる。死んだ人間が歩いているのだから、ウォーキングデッド、つまりゾンビなのである。
生きながらに死んでいるというのは形容矛盾ではなく、まさしくそうである。私は随分前から生きながらに死んでいるのである。
私がいるところは地獄である。業火に焼かれながら釈迦が垂らした蜘蛛の糸を探してはみつけ、掴んでは切れ、ということを理想を体現するまで続けるのである。
地獄だが、楽しむことはできる。業火ですらサウナになれば、整うことができるのである。