コミックマーケット104参加してます!
瞬間冷却パックを配布してくれたブルーアーカイブさんありがとう!
今日はアニメ映画『プロメア』の二次創作でサークル参加してます。
メインはボーイズラブですが、夏コミの新刊はカップリングが出てこない、オリキャラ視点の小説です。
なので試験的にnoteにサンプルをのせてみることにしました。
誰も来ないのよ…………
東4ホール リ-27a 区地図Some(くちずさむ)です!
この小説は
プロメポリスで暮らす市民が日常を過ごす中で
ガロとリオと出会った時のお話です。
ここではプロメポリスの消防士訓練学校の仕組みやバーニングレスキューの組織、プロメポリス内の地理や施設などを全て捏造しております。
どこかできちんとした設定が出ていましたら申し訳ないです。
この小説はあくまでスガレヨウトの考えたプロメポリスが舞台だと思ってください。
またガロ×リオ前提ですが、作中二人はまだ付き合っておりません。
なので二人の積極的な絡みなどは登場しません。
オレンジ
ガロの訓練生時代の同期の話
「ガロ・ティモスさんはゲイセクシャルなんですか?」
「は?」
バーニングレスキュー二番隊所属のクラレンスに
ネットニュースの記者がそう質問したのは、プロメポリスを騒がした騒動から一ヶ月経った時である。
表向きは『復興に尽力する救急隊員へのインタビュー』だから受けたものの、すぐに質問はプロメポリスの有名人になった同期のプライベートな事柄になった。
あわてて端末のチャットアプリを開く。
消防士学校の同期グループだ。
ノリがいいムードメーカーのミハエル。
みんなのまとめ役だったイーライ。
なにかと世話焼きのユジン。
ここにクラレンスとガロを加えたグループでハードな課題をこなし、カフェテリアで笑い合っては苦楽を共にした。
『お前のとこにも来たか? あのゴシップ誌の記者』
すぐにイーライが反応した。
『大丈夫かよアイツ』ミハエルは顔がシオシオになった
可愛くない猫のスタンプを貼る。
『単に救援活動で一緒にいるのを大仰に言ってるだけでしょ。元バーニッシュが復興活動に参加するのを受け入れてるんだから』
ユジンも変わらない。確かに自分たちは別々の所属になり、最近では集まる機会も減っていたが。
『アイツほだされちゃったんじゃねえの?』
メドウグリーン
プロメポリスのOLの話
——オフィスなんて小学校の教室と同じよ。
あの子が嫌いとか、あの子と遊んじゃダメとか——
「レノール。これ、新人には伝えなくていいから」
「え、いいんですか?
優雅に足を組みながらサブチーフのシャロンは言った。
相変わらず完璧にカールさせた髪に、モデルのようなメイクだ。
デザイン会社の社員なのに、いつも同じようなモノ
トーンの服の私——レノールとは大違いだ。
「元フォーサイト財団なんだって。あの人」
「ええっ!ホントですかあ?」
隣の席のメイが身を乗り出してくる。
「どんな顔で一般企業に入れたのかしら。神経疑うわ」
「もんの凄い大金がいるんでしょ?あの宇宙船に乗るのって」
――くだらない。
フォーサイト財団職員全員が地球を見捨てようとしたワケではない。
半年前までフォーサイト財団は『職員になれれば一生安泰』『就職したい企業ナンバー1』だったのに。
『ご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いします』
そう笑顔で挨拶してくれた女性。
先週入社したばかりの彼女のデスクには、必要だかわからない数年前の資料が積まれていた。
「じゃあ、イリスさん。こっちのデータもまとめておいてくれる?」
「悪いわね、新人の仕事だから」
意地の悪い笑いを先輩面でカバーして、シャロンとメイが退勤していく。
「いいえ、残業があるのはありがたいですから」
イリスさんはラップトップの前で入社した時と同じ笑顔を見せた。
「お疲れ様でした・・・」
「お疲れさまです」
自宅近くまでくると、アパートの前に何人かの集団がいる。
全員、住人ではない。見覚えの無い人たちだ。
チラシを配りながら、声を張り上げている。
「彼らの発火能力が無くなったというのも、自己申告に過ぎません」
「子供たちの安全のためにも! 署名にご協力ください!」
「ちょっと! 困るよぉ。こんなトコで署名活動なんて!」
サックスブルー
プロメポリスの警察署長の話
「待たせたなあ! 皆の衆!」
とびきりデカい消防車から、とびきりデカい声が響く。
プロメポリス中央署署長、アンドレス・メディナは仏頂面でその声を聴いていた。
『46ブロック、通行止め完了しました』
『緊急医療車両通ります!』
通信機からは頼れる部下の声が響く。
バーニッシュが火災を起こせば混乱に便乗した犯罪を起こす者もいる。
薄いブルーのシャツに腕章はポリスハットは、この街の治安を守る誇りだ。
市民の注目はバーニングレスキューやフリーズフォースにばかり向けられるが。
黒煙とピンクとグリーンの炎は広がり続ける。
物見高く端末を掲げて撮影する人々。
まるで人気歌手のライブ会場のように七色のライトが輝くと、歓声がここまで響いてきた。
「今からこの俺がぁ・・・!」
「また派手にやってますね。バーニングレスキューは」
「イグニスも何をやらせてるんだか」
アンドレスが重いオーク材の扉を押すとピアノアレンジされた大炎上以前のジャズナンバーが耳に入る。
白い髭のマスターはカウンターでグラスを磨き続けている。
目を向けると、手を止めないまま微笑を返した。
カウンターでジンのグラスを上げる男。
迷わずに隣のスツールに腰を下ろす。
「いつもの」
マスターは素早くテキーラの栓を抜いた。
冷えたグラス。カットされたライムと岩塩が載った小皿がアンドレスの前に並ぶ。
皮 ごと潰す勢いでグラスにライムを搾り、テキーラを注ぐとグラスのふちに岩塩を擦り付ける。
一気に煽ると、隣の男を睨んだ。
「お前の所の新人、あれは何だ?」
イグニス・エクスは無言でジンのグラスを揺らした。
「何度ヒヤヒヤしたか。俺だったらあんな真似はさせんぞ」
「止めて無茶を止める連中じゃない」
サングラスの奥の眼が光る。
「最大のパフォーマンスを出せるなら止める理由も無い・・・始末書は書かせたがな」
「食えない男だ」
「ひとまず乾杯だな」
アンドレスはグラスを持ち上げる。
「マッドバーニッシュ幹部の逮捕にか」
「ああ」
グラスを触れ合わせた。
カツンという音はボックス席やカウンターの喧騒に消えていく。
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