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ハグロトンボ 第六部 第14章

第14章 ホネに願いを! (5)SUJIも骨折をしていろいろ考える。

今日は2019年10月24日です。

カリフォルニアはとてもいいお天気で、ユリイカでも

27度という最近では見たことのない気温になっています。

ポカポカしていて、ドクター(アメリカ人、夫)も庭の害虫退治に余念がありません。

今日は髪もきれいに洗って、

非常に快適です。

昨日、外科医にはじめてあったので、そこからまた新しい展開がありました。

ONLINE JOURNALです。

病院のサイトに自分のアカウントをつくり、

骨折後の様子を記録できるようになっていました。

一種の日記のように。

そうすることで、医者も看護師も

患者が病院に来なくとも、何か問題を抱えていないか、

怪我はどういう感じになっているのかわかります。

それに6週間も絶対安静といわれてしまったら、

患者も何も出来ないので、

普通は困ってしまうので、いい気晴らしにもなります。

それにいうまでもなく、記録として、機能します。

骨折を初めてしてみてわかったことは

骨折は病気ではなく、怪我なので、自然に骨が生えてきて、

骨の周りの筋肉や組織が元通りにならなければ、

いけないということです。

骨折には水が大敵で、シャワーを浴びてもいいが、

水分を近くの皮膚に与えてはいけない。

ですからうちの場合は、バスタブにイスを入れて、そこに座って、

シャワーを浴びることに。

それでも、片足を完全に自ら遮断することは

かなりむずかしい。

ビニール袋などをつかってうまくむすんでいって、

なんとか、水は防げても、だいたい痒いし、

洗っていない部分の皮膚は乾いて、とれてきたり、

汚れてくさかったりします。たまたま冬だったので、

少しは楽だったのかもしれないですが、

それでも、お風呂に入ったあとのゴミの処理など、一切出来ず、

当時はSUJIも髪が腰まで伸びていたので、

落ちている髪の毛の処理一つとっても、

ドクターは大変だったと思います。

その上、松葉杖で歩く練習もしないといけなくなってきて、

そこで、ころんだら、一巻の終わりなだけに、

その毎日はただただ、疲れて眠るだけ。

一応、夕飯はちゃんとつくっていましたし、それでも掃除機も定期的にかけていましたが、ヘルパーが必要かなと思われる場面もいくつかありました。

SUJIは掃除機をかけるのと、洗濯をするのが大好きなので、

洗濯を思うように出来なくなったのには、本当に閉口しました。

ドクターはもう、リタイアしていたので、

さほどの影響は出ませんでしたが、

自分が骨折などして、足が動かなくなったら、こうなるというのを目の当たりにしました。

ドクターはもともと背骨から右足に鈍痛があって(ゴルフのやり過ぎとチェロの弾きすぎで)、苦しんできたので、自分で、いろいろセラピーに通い始めていました。

SUJI自身も骨について、そんなに考えたことありませんでしたが、

あらためて、考えてしまいましたね。

アメリカに住んでいる限り、家の中で車いすでの移動や

それに変る先進の器具があることはわかったものの、

肝心の骨が弱くなってしまったら、身体は全部、骨が支えていると言っても過言ではないので、ちょっと年上の女友達が、カルシウムのサプリをたくさん飲み出したり、

骨粗鬆症の検査に出かけていくのを見ていたので、

この骨折からは時間が経てば、解放されるかもしれないが、

その先はどうなってしまうのだろう。

という途方もない不安に駆られました。

ドクターはそれなりに収入はあるので、私も働いていけば、

保険を払ったりは出来ると思う一方で、

このまま、この辺鄙な地域で、とりあえず、恋愛で結婚はしたものの、

英語で、一緒に年をとっていくことについて、

一抹の不安は感じました。

感じない方が嘘でしょう。

ドクターの方が10歳も年上なのですから、

ドクターに何かあったら、私が全部、ちゃんと面倒をみないといけない。

それは夫婦なのですから当たり前なのですが、

若いときの結婚と違い、予想外の障害が起きてくるのを

目の当たりにしたようで、

相当、考え込んでしまいました。

What an amazing choice you made! Thank you very much. Let's fly over the rainbow together!