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水煮さんによる創作鑑定の記録(2023年5月)

そうだ、占ってもらおう。

 水煮さんの創作鑑定を受ける機会があったので、その備忘録としてしたためる。水煮さんの占いに興味をお持ちの創作者の皆様の一助になれば幸いである。
 水煮さんは西洋占星術を創作活動に落とし込み、かつ事前に提出した作品を見た感想も交えながらアドバイスを提供する、独特な占いを得意としているとのこと。昔少しだけ西洋占星術をかじったことがあり、かつ過去に水煮さんの鑑定を受けた諸先輩方のレポを目にして興味を持った。

鑑定前まで

 水煮さんの鑑定予約は抽選式で、Twitterで告知される月2回抽選のタイミングに応募して結果を待つ(2023年現在)。
 私の場合、当選までに8回の落選を経ている。他の方のレポを見ると当選までに2年以上かかった方もいるようだ。私は「ダメで元々」くらいの気持ちで気長に応募していたのでよいのだが、追い詰められていていますぐにアドバイスがほしいので近日中に見てもらいたい!という人はややお高めの時価枠で応募することを勧めたい。

 鑑定方式はSkypeチャットとSkype通話のいずれかで、私はSkype通話を選んだ。テキストチャットよりも情報量が多そうという理由だ。Skype通話は録音ができるので、あとから文字起こしができるのもありがたい。

鑑定時のステータスと状況

 鑑定対象となる私(HN:桐原スイ)個人のステータスは以下の通り。

  • 字書き

    • (限定しているわけではないが)二次創作BL寄り

    • ときどきイベント併せで同人誌を作って適宜頒布する

  • 出生時の天体配置

    • 太陽:みずがめ座

    • 月:ふたご座

    • 水星:うお座

  • 提出した創作物

    • 二次創作BL長編(2022年8月に出版した同人誌の原稿 / 3万6千字程度)

    • 二次創作BL短編(2017年9月にPixivで発表 / 6千字程度)

    • noteの記事1件(萌え語り)

 私生活に大きな変化があったのに加え、コロナ禍で同人誌即売会の場がほぼなくなったことから、2年ほど創作をしない空白期間が生じた(改めて振り返ると2年間って長いな……)。が、2022年に推しソシャゲのイベントストーリーで萌えが高じて創作意欲が復活、狂ったように短編を書くうちに勘が戻り、8月には久しぶりの同人誌を発行する運びとなった。
 水煮さんの占いを知ったのはちょうどこの同人誌を出してしばらくした頃(2022年9月)だ。久しぶりの本づくりに一区切りついて気が抜けたせいか、普段の自分やジャンルを知らない第三者からのリアクションがほしかったのだと思う。実際に鑑定してもらうまでに半年以上かかったが、次の同人誌を出した直後(2023年5月)で、かつ仕事の山場を越えて虚脱状態になった時期に当選したのはちょうどいいタイミングだったのかもしれない。
 事前に目を通していただく創作物としては、ちょうど鑑定を受けようと思った時期に書いた同人誌の原稿のほか、特に満足感があって気に入っているものを選んでいる。

 ホロスコープを無料で作成してくれるオンラインツールで自分のホロスコープを眺めたり、他の方の鑑定レポを読んで気分を高めたりして、いよいよ鑑定当日を迎えた。

人生のテーマ:知ることによって世界の解像度を上げていく

 以下、録音の書き起こしを適宜まとめつつ、引用も含めて鑑定内容をご紹介する。他の方の鑑定レポと同様、「とっちらかってしまわないように、先に人生のテーマ(創作活動の方向性)について占わせていただきます」と前置きしてからお話しいただいた。

 桐原さんの場合、コミュニケーションのテーマになってくるんですけれども。もっと掘り下げてみると、コミュニケーションって他者から情報を得るための行為なので、知ることがとにかく重要になってくる天体配置となっています。何を知るためにコミュニケーションを取っていきたいのかというと、根本にあるもの(欲求)が動機に繋がっていて、桐原さんの場合は、ここが純然たる好奇心になっています。かなり純度の高い好奇心ですね。これを使って何かをしてやろうとか、世界の真理とか考えずに、目の前にある「これ何だろう?」に対して、忠実に貪欲に動いていくという星回りになっています。そうやって世界の解像度を上げていきたいというのが根本にあって。
 知るために解像度を上げるために何をしていくかどうかというと、その情報のネットワークを構築していく。……(略)……情報ネットワークを作り上げて世界の解像度を上げていく、基本シンプルでかなりまとまりがある感じのテーマです。

水煮さんのお話より抜粋
  • シンプルでまとまりがある=極端さが出やすいので、知ることに対して妥協ができない

  • 一方で、頭は柔らかいので、いい意味で手段を選ばない

  • クールそうに見えるけれどパワフルで、勢いのある星回り

  • 自分の足を使って調査するのも大好きなので、実体・実感を伴った知性が特徴的

【太陽みずがめ座×月ふたご座】の掛け合わせから十分に想定しうる内容だったので、お話をうかがっていて「せやろな……」感があった。どちらも風象星座なので、そりゃ風のサインの特徴(知性とコミュニケーション)が顕著に出てきてもおかしくない。知識を獲得したり、その知識をこねくりまわしたりすることは昔から好きだったし、違和感はない。
 「自分の足を使って調査するのも大好き」というあたり、まさしく聖地巡礼レポ本(ヴェネツィア編イスタンブール編)を出したことがあるのがモロに該当した。事前提出の創作物に加えようかと思ったのだが、原稿データが見つからず諦めたものである(アホ)。ともあれ、事前に綿密に調べた上で旅行に行くのが大好きなのは完全に合致している。オラこの時点ですでにワクワクしてきたぞ!

作風鑑定

 水煮さんの占いの中で最も独特で人気の高い作風鑑定。占星術に加えて、実際の創作物に触れた印象を、語彙を尽くして表現していただける。執筆の最中は各場面に適切な表現を与えることに必死で、「きらきら輝く宝石みたいにしたい✨」「この場面でブラックコーヒーみたいな人生の苦みをキャラに味わわせたい❤」みたいなことを考える余裕のない私のような創作者にとって、“自分が出力した結果が他者に与える印象”を豊かな表現力で端的にまとめていただけるのは、大変貴重でありがたいことなのである(一部界隈では「パワーワード」などと呼ばれている)。
 私の場合、事前の質問受付ですでに「ポジティブな感想をうかがいたい」「要するに褒めてほしい」などと恥ずかしげもなくお願いしたので、たくさんお話しいただいた。星回りからくる“手段を選ばなさ”、すでに発揮してるじゃん。
(とはいえ有償の感想サービスみたいなものだし、褒め言葉がほしい人はこういうところで前もってお願いしておくのは悪いことではないと思う)

“そこにある物語”――原作の隙間に吹いている風

 お誕生日的には2月でまだ寒いんですけれども、3月末の暖かい日とか4月の爽やかな日みたいなイメージですね。暖かいとまでは言えない、ちょっとまだ冷たさを残しているけど、真冬に比べると湿度がちょっとだけ増えて、花の匂いもする感じの風が……。いろんな情報、色が乗っかってるんですよね、風に。
 物語自体、作品・小説自体にイメージかきたてる力があるから、そういったニュアンス的なところまでつかめてしまう。しっかり残る。この要素がすごく魅力的!と1個だけ切り出したところで、それが切り出された状態よりは物語の中にある状態の方が美しい。文脈の下にしっかり根付いてるというか、文脈があるからとても美しいというイメージです。

水煮さんのお話より抜粋

 序盤、「イメージはあるけどそのものズバリ当てはまる言葉が意外とない……」とおっしゃり、表現を探しながら話していただいた印象がある。物語から切り出すよりも物語の中に埋め込んだままの状態の方が美しいというおっしゃりようには、「物語を総体として完成させることができているということかな」とポジティブに受け止めることができた。
 どうもこの「ズバリ当てはまる言葉がない」というのは、「いろんな性質を死角なく持っている」ことから来ているようだ。太陽と月に表象される人生のテーマは風エレメントモリモリだったが、その他の天体は地水風火・活動不動柔軟・男女のバランスが取れた配置にあるらしく、文章表現も尖った個性が出にくいということらしい。が、話していただくうちにしだいにパワーワードらしき言葉が出てくるようになってきた。

海底ごと水槽の中に入れた海

 もう海を海底ごと水槽の中に入れるみたいな。やっていることはすごく繊細なんですけれども、大胆みたいな感じですね。それが進んだから分離が難しいのかもしれないです。そこからイソギンチャクだけ連れてきて、はいイソギンチャク綺麗ですねーってやってる感じじゃなくて。サンゴ礁だったら石ごと水槽に入れて、イソギンチャク入ったまま入れてクマノミも連れてきて……というイメージですね。海水もそのまま汲んできて使っている。この水槽、もう家に置けるレベルじゃないです。水族館……。
 ガラス……すごく透明度が高いガラス越しに見ているけど、音響とかも工夫してあって、水中にいるような気持ちになる。触れられそうな……水と空気隔ててるものが間にない、みたいな感触を与えていくのかなと。でも水中に入れられたような息苦しさはないんですよね。息のできる水中。水圧がない。
 その世界に、自分が肉体を伴わない幽霊となって入り込んでそばで見ている感じですね。定点カメラっぽさがないからかもしれないです。キャラクターと一緒にふわふわっと動いてるんで、その辺もあって風のたとえが出てきたのかなと。春一番じゃないですね……気持ちのいい風、その辺りです。

水煮さんのお話より抜粋

 いいことしか言ってくれないじゃん!(事前にそうお願いしたくせに……)

水族館の巨大水槽のイメージどーーーん!!

 お客さん(読者)に海の中に入った気分を楽しんでもらう……みたいな感じだろうか。ほかにも、「物語の合間に存在する“そこにある物語”を描いている雰囲気」「実体感があるのに主張が強すぎない」といったようなお言葉をいただいた。原作のエピソードを時系列順に並べ、その間のできごとを妄想して話を書くことが多いので、ご指摘は的を射ていたように思う。

 鑑定中は思い出せず後で気づいたが、私が小説を書くときは、登場人物の背後霊のような存在になったつもりで、その息遣いや表情を間近で確かめながら文章に書き起こすスタイルだ(”つもりで”としたが、書こうとすると無意識のうちにそうなっている)。としたらこの「肉体を伴わない幽霊となって物語に入り込む」という表現は大正解ど真ん中である。え、怖!?!? 水煮さんの読解力と想像力ヤバないです!?!?

文章の質:富士サファリパーク

  • 基本的にはとても繊細な文章が得意な星回り

  • 実際の作品を読んでも柔らかい印象があり、かつそのときの登場人物が主人公の感情に沿うように言葉選びが刻一刻と変化してゆく。心に寄り添うしなやかさが特徴的

  • 星回りとして境界線を取っ払っていく作用の強さが出ており、読み手とキャラクターの間の境界をなじませる文章。同一人物になることはないけれども、自然な感じで主人公の感情を追体験できる

  • 文体を自在に変えられるタイプだが主軸に幻想性があるせいか、新聞記事のような硬い文章は不得意かも

  • 視点となる人物によって文章の雰囲気がガラッと変わるが、切り替わりが自然すぎて、明確に別の視点となるキャラクターの視点となりましたというのが明示されていても意識できずに読み進めてしまう

  • スクリーンに投影された映画ではなく、ガラス越しに本物の動物を見る富士サファリパーク

  • この「境界の曖昧さ」は似た者同士を書くときや叙述トリックを書くときに有効

 自分が柔らかい文章を書いていると感じたことがなかったので、純粋に「そうなんだ!?」と驚いた。古典、特に漢文を交えた軍記や読本を好んで読んでいたことがあり、しかも一時期中島敦の文体をまねたガチガチのものを書いていたことがあったので、どちらかというと硬めだと思っていた。
 富士サファリパークの例えの理解にちょっと時間がかかり、理解してから笑ってしまった。海をぶち込んだ水槽にせよ、サファリパークにせよ、描出対象を環境ごとお出しするタイプの字書きということは伝わってきた。

客(読者)はサファリバスの中からパーク内の様子をうかがい見る的な?

「境界線の曖昧さ」も自分では意識したことがなかったが、言われて自分の文章を読み返してみると、地の文で主語を削り、次文で特に断りなく主体が入れ替わっていることがしばしばあることに気付かされる。
 これは「相手に勘違いさせるように巧みに誘導する」というような使い方もできるそうなのだが、幸いにして私は“悪いことをすると後でこじれて面倒くさい”が勝る星回りなので、悪用はしないらしいということらしい。そしてその特徴を「似た者同士」「叙述トリック」に応用するという発想は目から鱗だった。な、なるほど~……!!

表現と展開:タラの芽の天ぷら

  • 具体的な表現がめちゃくちゃ得意な星回り

    • 物質的で具体的、肉体感覚に訴えかけてくる(実際の作品でも反映されているのを感じた)

    • 立体感・実体感・リアリティが強く出るが、不思議と幻想性が宿る

    • リアルな表現やシビアな内容なのに幻想的、浮世離れした感じ

  • 物語に停滞感がない。この場にとどまり続けることは生き物として不適切と言わんばかりに物事・ストーリー・状況をどんどん転がすタイプ

    • 穏やかで浮世離れしてるけども風が吹いている。移ろいの要素は通常活気とか元気さとして出やすいが、桐原さんの場合は儚さとして出るのかもしれない

    • 生命力が強い星回りだが、元気な青春時代は大人から見たら一瞬。後から振り返って「一瞬だったからこそまばゆいんだ」と感じる明るさ・キラキラ感があり、これは展開の躍動感から来ていると思われる

 物質的・具体的な描写を多くしている自覚はある。「ただ青空と書くのではなく、飛行機雲の白い筋が走っているとか、入道雲が東に沸き立っているとか、なにかひとつ具体的な描写を入れると文章がグッとよくなる」とプロの先生から教わったことがあり、現在もそれを実践している。結果的にリアリティにつながっているのだろう。

 「青春は一瞬だからまばゆい」のくだりで「現ジャンルそのものじゃん……」と絶句してしまった。金色のコルダ スターライトオーケストラ、高校生の青春物語です。
 ちなみに「短編の方で書いたカップリングは若くない人たち(30代半ば)なのですが」と尋ねてみると、「それでも若い葉っぱの青臭さ、噛み切れるくらいの水を含んだ柔らかさを感じました!」「タラの芽の天ぷらみたいにフワッ、サクッ、とした感じです!」との回答をいただいた。

\\\ どうも、タラの芽の天ぷらです ///

 ほのかに甘いが苦みの残る、柔らかくて青いタラの芽。噛んだときにふわっ、サクッとなるよう衣をうまく揚げるには、作り手の繊細さが必要。なるほど、天ぷら。

 また、現推しカプの片割れが浮世離れ系男子で、個人的にはとても書きやすくて筆が進むと思っているキャラなのだが、もしかすると自分の文章表現が浮世離れしているせいで相性がいいのかもしれない。め、めっちゃ腑に落ちた……。

全体のトーン(全体的な要素の総括)

  • 風のサインでできているため、透明感がある

  • 誤解を生まないよう具体的な描写をしているところ、躍動感があって物事が止まらないところは明るい自然の光を感じさせる

    • 完全に自然のままではなく、ナチュラルメイクのようにきっちり演出や調整を入れる

  • 別荘のような、日常の延長線上にある非日常の心地よさがある

 手のかかるナチュラルメイクほど男ウケするというやつだ。「演出や調整を意識したことがなかったですね……」という相槌が自然と出てしまうと、「そこらへんは美意識だと思います!」とのお答えが。確かに美意識は身についたこだわりみたいなものだから無意識に出るわけか。
 ゴリゴリの風星座持ちではあるが、あとで思い出してみると、文字を含むコミュニケーションを司ると言われている水星は、私のホロスコープではうお座に配置されている。「曖昧さ」「繊細さ」「幻想的」「海(巨大水槽)」のイメージはそちら由来の印象なのかもしれない……とひとりで納得した。

質問:他者との交流のコツが知りたい

 現在特に人間関係で困っているわけではないが、今後の人づきあいのために聞いておこうと思って事前に質問したもの。

  • 誰とでも仲良くする、誰にでも公平にふるまうタイプで、同類が集まってきやすい

  • ほどほどのゆるーい交流が一番気持ちよくて都合がいい。べったりとした村社会的なコミュニケーションは苦手ではないけれど(面倒くさいので)やらない

  • 人と交わっていくテーマがあるので、孤立すると人生が進まなくなってしまう一方、人がいなくてもなにかできる

  • “誰かに救ってほしい人(依存してくるタイプ)”が作品を通して近寄ってくるかもしれないが、しゃべってみると「この人明確に他者との線引きしてるな」というのがバレるので、過剰に寄っかかられない

  • 人づきあいが健全すぎてつけ入るスキがない

  • 持って生まれた他者との距離感が普通の人よりも広め

  • 思春期の頃は他人とネチョネチョできなくて悩みやすいが、大人になると格段に人間関係がやりやすくなる星回りなので、同人活動でもそのノリでやればトラブルを避けて活動できる

  • たった1人とだけ仲良くしていたいわけではない。みんなと仲良くしてるうちに何となくやりやすいから付き合い長く続く人たちが出てくる。このため、ジャンルが変わっても仲良くしやすい

 全編にわたって「せやろな」連打が続いて大笑いしまった。確かに子どもの頃「みんなと同じような距離感で仲良くできない🥺ぴえん🥺」と悩んだことがあった気がするし、大人になったらめ~っちゃ気楽になった。
 同人活動をしていると時折「激重感情持って束縛してくる人」「依存関係に持ち込もうとする人」の噂を人づてに聞くことがあるが、私自身は出会ったことはなかったので都市伝説のように思っていた。そもそも私がそういう人たちにつけ入るスキを与えていなかった……セルフ魔除けか?

 交流のコツについてうかがったつもりだったが、「現在のやり方を変える必要はない」ということだと理解した。オッケー! 健全なままいこ!
 そしていつも話し相手になってくださったり感想をくださったりするフォロワーさんたち、ありがとう。またゆる~く絡んでください。

質問:旬ジャンルに興味があるが、フットワークが重くてなかなか動けない……

 同人活動を始めてからハマったのは小~中規模のジャンルばかりで、同人誌即売会で100サークル以上集まるような大規模ジャンルにハマってみたいという憧れが漠然とあったので質問した。
 一応断っておくが、現在のジャンルに飽きたというわけではない。でも……推しカプの新刊が一度のイベントで数十冊発行されるとか、ツイッターで推しカプの名前をパブサするとFF外の人たちも含めた萌え語りが延々と表示されるとか……めっっっっちゃうらやましいじゃん……!?

  • 新しいものに手を出すのことが苦手なタイプではない

    • 「でも一度ハマると5年くらいジャンル移動せずに居着いてしまって、新しいものに手を出す気が起きないです……」と訴えてみたところ、「そのジャンルで書きたいことを書き尽くすまでそこにい続けるタイプです」との水煮さんの回答

    • 場の構築をしっかりとやっていくタイプなので、やりたいと決めたら、作品を粛々と作って発表し、書きたいと思ったものを一通り書くまでその場で動き続ける

    • 柔軟で発想力豊かなので、書いていくうちに「これも書けるな」「こういう可能性もあっていいな」と気づいたらそれもどんどん書いていき、結果的に長くなるパターン

    • 連想力・発想力の人なので、アイディアが湧き続ける限りは他のジャンルに行くのは難しい

  • 未知を好む性質があるので、知らないものを知りたい!が根本にあり、そこで初めて全然違うジャンルに飛んでいく。巨大ジャンルにハマってみたいというのも好奇心。創作ジャンルと恋愛は同じところがあるので、その相手に出会うかどうかはご縁・運命

  • 創作する・しないは別として、気になるジャンルがあったらどんどん手を出してみるといい

 一度沼に足を取られたら飽きるまでやるしかないらしい。そのジャンルを味わい尽くしたい気持ち、確かにある。時間がいくらあっても足りないのが難点だが、「運命の相手(ジャンル)に出会うかどうかはご縁」というところは実感としてある。これまでよりアンテナをちょっと高くしてみるか……。

  • 商売に向いている星回りなので、盛り上がりそうな気配をかぎ分ける力は高い

    • 生活が便利になる/人生楽しくなるものを、お金と引き換えにシェアしていく、社会と人が豊かになるような商売ができる

  • 同人活動もなんだかんだで商売のセンスがないと頒布数が伸びないので、感性を鍛えておいて損はない

 商才……お前、いたのか……私の中に……?
 商才のある星回りと聞いて「将国のアルタイル」のイスマイルを思い出していた。誕生日が近い(2月13日)上に、若いのに合理性に全振りした生き方がとても面白いのでもともと勝手に親近感を持っていたキャラクターなのだが……いや、でも武器商だから死の商人みたいなとこあるなあいつ……。

質問:一次創作もやってみたいがきっかけがない

  • 自分で土俵を作ってそこになにかを構築していく力と勢いがあり、大喜利が得意なので、オリジナル創作自体は適性がある。だが先の質問で回答した通り、二次創作が落ち着いているときでないと難しい

    • 「大喜利」の意味をつかみかねて尋ねたところ、「ジャンルのお約束」「テンプレ」のことだと補足していただいた。悪役令嬢物のようにテンプレがはっきりしている話は、誰が書いてもそこそこおもしろいし、テンプレの裏を突くおもしろさがある

    • そうしたテンプレ話を読んだことがない上に自分で書けるイメージがいまひとつわかないですね……とこぼすと、「読んでみて好みだったらやってみてください!」というところに落ち着いた

  • 割とどんなジャンルでも書けちゃうタイプ。苦手なものはない

    • ただし「二人だけの閉じた世界の物語」は書けない。世界に広がりさえあればスケールの大小を問わない

  • 先に投稿先サイトのリサーチを行ってから書き始めるとよい

  • 同人誌即売会の現場も合っているので、コミティアや文フリを覗きに行くのもおすすめ

 かなり具体的なアドバイスになったので、納得感が大きかった。ちょっと悪役令嬢物読んでくる。いろいろ読むうちに「こんなん私でも書けるわ! オラッ!」みたいな風になるかもしれん。
 二次創作中心の同人誌即売会にしか参加したことがなかった自分には、コミティアや文フリは一般参加でも大きな刺激になりそうだ。いまからワクワクしてきた。

鑑定後

 1時間たっぷり自分と自分の創作について話してもらってしまい、情報量が多かったので鑑定直後はぐったりしてしまった。が、取ったメモを眺めたり録音を聞いて振り返ったりすると、後からいろいろ気づいたことがありどんどん気分が上がってきた。
 占いと一口にいってもいろいろある。未来のことを知りたいとか、特定の誰かとの相性を知りたいとか。が、今回お願いした内容はシンプルに自己分析の要素が強い。自己分析というと就活のときにさんざんやらされた挙句「もうやりたくねえ」と距離を置いたわけだが、それから時間が経ち、かつ趣味の領域の自己分析ということで新鮮な気分だった。
 当たるも八卦当たらぬも八卦というが、ホロスコープだけでなく実際の創作物を見た上で話してくださる分、当方も納得しやすかった。いわゆる“当たっている(自覚がある)”部分には「いや~まったくその通りですわハハハ」と笑いつつ、“当たっていない(自覚がない)”部分に対しては「えっそういう部分もある!? ふーんやってみるか……」と受け止めることができる。楽しかった~!!

 創作をするのはしんどいこともあるが――というか直近の原稿作業がガチで時間がなくて半泣きだったわけだが――、概ね楽しい。完成させれば後にものが残るので読み返せるのも良い。2年間の空白期間は本当に書き始めるきっかけすら失っていたのに、いまこうしてまた文章を書く意欲を取り戻し人生を楽しめている。
 今回水煮さんからいただいたアドバイスを可能な範囲で実践しつつ、これからもゆるゆると字を書くオタクをやっていきたいなと改めて思った。またいずれ2回目の鑑定を受けることがあるかもしれない。

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