お気持ちJAPAN

出先でたまたま猿回しをやっていた。というか猿回しをやりそうな気配があったので、是非とも見たいと最前列センター待機してたら割とすぐ始まってくれたことによって見れた。15分くらいだったけど。

一通り猿と演者さんが頑張っていよいよ大技ですよというときに、最後まで見たら「お気持ち」でお金を下さい、という意味あいのことを言われ(あ、そうか、大道芸だもんね。タダじゃないよね)と財布にある50円以上の小銭をかき集めて、それは1000円にも満たないけど家族にそれぞれカゴに入れるように配った。

500円や1000円札を出す人が結構いて、何故か旦那(自分の財布からは1円も出してない)が「大道芸を見たのに金をケチる自分」に自己嫌悪してたけど「払いたかったなら払えばよかったのでは…?お気持ちだし…」としか…               

例えば坊さんへのお布施や結婚式の御祝儀みたいに「お気持ち、とか建前上は言ってるけどこんくらいは払わないとバカだと思われますよ」とわかる相場があるものはいい。調べるので。 でも大道芸のおひねりくらい個人の「お気持ち」でよくない?1000円札数枚を惜しみなく投入する人もそりゃあいるだろうけど、そういう人はラーメン屋でも子供にジュースを頼むだろうし、焼肉屋でデザートを欲しがられて「ここで食べたら高いし帰りにスーパーでアイス買ってやるから我慢しろ」なんてことは言わないだろう。大道芸に1000円札を出す羽振りのいいあの人は、もしかしたら児童手当を生活費として使ってるかもしれないじゃないか。お猿にあげたその1000円、国から貰っているお金かもしれませんよ。

例えば、主婦雑誌に載ってた貯金1000万円の家庭の収支内訳紹介で、年収800万近くあるのがわかるのに月に2万しかご主人に渡してないご家庭が「お気持ち」で猿に1000円払ってたとしたら、ご主人に渡してあげてよと思いますよね?バランスがおかしいですよね?

それは責められないし本来気にする必要ないよ。お気持ちなんだから…それまで見てたくせに金の話をしたらちゃっかり去っていく人もいる中で、ちゃんと最後まで見て金を払ってるんだからさ。1000円はみんなにとって同じ1000円ではないので…

余裕のある方の1000円札と、金銭感覚のない方の1000円札と、見栄を張りたい方の1000円札も皆お気持ち。それぞれのお気持ち。でももし旦那があそこで見栄で1000円投入する人間じゃなくてよかったよね。やっぱり。


垂直が長いことを言いたいやつです