お尻スリスリ

歩くスピードとキレ

「ゲルマンの大移動か!」
そんな軽口をかけたほど、きょうのシロはよく歩いた。

シロの散歩コースが主に3つあることはシロのファンには先刻ご承知だろうが、もちろんイレギュラーのコースもあって、それは大別してふたつある。

今日はそのひとつ、坂を下り通りを渡って隣町の公園に行く、と見せかけて通りを渡らずに引き返し第4公園へと向かうコースがそのひとつ。
きょうのシロは、このコースを選択した。

途中、第4公園の手前の家の玄関先でウンチ。そして第4公園に入ってからまたウンチ。
このところシロは“二度ウン”をよくするので、最近、我が家のウンチ袋の消費がバカにならない。
お年を召すとオシッコのキレが悪くなることはよく知られた生理的宿命だが、ウンチもその例に漏れないのだろうか。

そうそう、キレで思い出した。
きょう散歩しながら、シロの歩みのスピードとキレについて考察してみたのだった。

最近、めっきりしシロの歩みにスピードがなくなったのは認識していたが、キレもなくなったことにあらためて気づいたのだった。

この「キレ」というのはピッチャーの投球をいう時によく使われる慣用句だが、それが具体的に何を持ってどんな状況を語っているのかは曖昧だった。それは数値化できないものだったし、早い遅いでは語れないサムシングを語っていたからだ。

最近、それがどうやらボールの回転数であることがわかってきた。回転数が多いほどキレがあり、キレがあるボールは伸びもあって実際の球速以上に体感するスピードが速いということがわかってきたのだ。

シロの歩みのキレは、そこまで深い考察を必要とはしないキレだ。単にからだの動きのキレ、足の運びのキレがない、それだけのことなのだ。

とはいえ、シロの歩みを見ながらスピードではなく「キレがなくなったな」と問いかけるいとき、老いを嘆くだけではない、老境に対する敬意のようなものが発動したのを覚えたのだった。

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