食べ漁るシロ

この食欲がある限り

シロ散歩。
今朝は寝過ごして8時過ぎになってしまったが、折よく曇り空で暑くて助かった。

きょうのシロは調子がいいのか、ワンブロック回ってからも帰ろうとはせず、別のブロックへと分け入って行った。
しばらく歩いたところでウンチをしたが、それからもトボトボと歩きつづけた。

ちょうど小雨がパラついて来たので、山頭火じゃないが後ろ姿を時雨れに溶け込まして歩く犬と飼い主のツーショット散歩といった風情になった。

途中シロは何度か草を食べた。そして、しばらくしてから2度吐いた。オエ、オエとはじめたと見ていると、さっき食べた草に交じって、とろろのような吐瀉物を吐き出したのだ。

これはまあよくあることだから、別に驚かなかった。体内から出したいものがあって、それをさっぱり吐き出すために草を食べたのだろうから。

歩いているうちに晴れ間がのぞいて、そぞろ歩くにはいい陽気になった。
帰途にはコンクリート打ちっ放しの気取った邸宅があって、その塀の向こうに立っている一本の樹が誇らしく新緑を茂らせていた。

シロと散歩するようになった頃にはまだ貧弱な苗木で、建築パースの画に合わせて植えたのが見え見えで可笑しかったが、それがもう立派になっている。

あれからもう10年あまりになるのだ、樹だってすこしは威張りたくもなろうというものだ。

結局40分あまりシロは歩いた。
以前だったら最長コースの公園まで行って、ボール遊びをして帰っても、ちょうどこれくらいだった。
いかにチンタラ散歩になったかがわかろうというものだ。

それでも食欲は相変わらずだ。
皿に盛られた食事をバクバクやったあと、ヘリの食べ残しを舐め取った後は、皿を鼻先で動かしてこぼれた飯粒を拾い喰いしたりしている。

この食欲がある限りは、まだまだしぶとく生きのびそうだ。



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