見出し画像

「青の聖地」をまっ赤に染める。

ヤクルトスワローズが12連敗。
かなり深刻な事態になっている。

もしきょうにでも勝てれば、その不名誉は一旦はリセットできるが、果たしてどうだろうか?

ここまで失策が44でリーグ最多とか。その拙守が足を引っ張っている。
きのうの試合でも、バレンティンの緩慢なプレイ、村上のお粗末なトスと、これでもプロかと目を覆いたくなるようなプレイがいくつかあった。
とはいえ、ピッチングスタッフのコマが足らずクオリティも低いようにも思えるし、投守の歯車がかみあわない悪循環の典型だろう。

いくら取ってもそれ以上取られてしまう。
いつかカープもあがいていた泥沼に、いまスワローズが沈んでしまっている。

1対7と6点差となった4回裏、石井琢朗コーチが円陣を組ませてのアドバイスが効いてか5点のビッグイニングにして1点差に詰め寄ってからは、明らかに勝利の女神はスワローズに微笑んでいた。

それなのに選手たちはその微笑みを見る余裕すらないまま、みすみす勝ちを逃してしまっていた。
そんな試合を勝ちきれないのが今のスワローズなのだろうし、こんな試合を落としいるからの12連敗なのだろう。

そういってしまえばそれまでだが、きのうの試合に関していえば神宮球場を支配していたアウェイ感がそうさせたようにも見えた。
「勝利の女神はやっぱりカープに微笑んでいるのではないか」と選手たちを疑心暗鬼にさせるような異様な雰囲気だ。

ここ最近はもう見慣れた光景になってしまったが、神宮球場のスタンドを見れば三塁側から左翼にかけては真っ赤っか。
応援のボリュームだってカープの攻撃時の方がでかいほどで、「ここはカープのホームグラウンドなのか?」と錯覚してしまいそうな空気感だった。

「他人の家に土足で入り込んで大騒ぎをしている」
たぶんスワローズファンはそんな風に見て、苦々しく思っていたことだろう。
「神宮球場がヤクルトの本拠地であることに敬意を表していない」と。

カープファンに神宮に応援に行くなとはいわない。
カープ球団が固執するご都合主義のチケット販売のお陰でズムスタのチケットをまともに買えない今、ファンの間で密かに「神宮でカープを観戦しよう」という裏キャンペーンでも盛り上がっているのかもしれず。(笑)

しかし、ズムスタがカープの聖地であるように、神宮球場が「よそ様の家」であることの自覚はわきまえておくべきだろう。

拙著「ズムスタ、本日も満員御礼!」でも取り上げているが、カープとスワローズといえば、『赤傘』応援の因縁がある。
カープ球団が「赤傘で応援をしましょう」とスワローズ応援の青い傘を真似て赤い傘を入場のカープファンに気前よく配って、ヤクルトファンばかりかカープファンからも顰蹙を買ったのは記憶に新しい。

「人を食った」というか他愛ないというか、こんな企画を連発して喜んでいる球団を、あえて「有頂天カープ」と拙著では形容してさしあげたが、カープファンまでもが「有頂天」になって球団と同じメンタリティで応援をすることもないだろう。

人気の勢いそのままに今の事態になったのはいいとして、そろそろ自分たちの応援ぶりを客観的に見て、自省するということもあってもいいのではないだろうか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?