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僕が好きな90年代ヒップホップ

このところ自分のなかで少し久しぶりにヒップホップのブームが来ている。きっかけは90年代ヒップホップ関係のアートブックを何冊か買ったこと。

僕がヒップホップを本格的に聴き始めたのはドラゴンアッシュ以降の1999年からで、洋ラップになると大学生の頃の2002~2003年頃が聴き始めになるんだけれど、当時も今も変わらず好きなのは90年代の東海岸ヒップホップ。

まぁこの辺はムロさんの教育の賜物でしょう(笑)あとは2003年にリリースしたミックステープがストリートで大ヒットしたグルーブマン・スポット。

そこで今日は僕が昔から好きで今もよく聴いてる90年代のヒップホップ10曲をYoutubeのリンク付きで紹介してみようと思う。一応自分のなかでのベスト10なのかもしれないけれど、この10曲はそれぞれタイプも違うし、自分のなかでの優劣はあまりないかな。

まぁたまにはこういう趣向も良いでしょう(笑)一応目次つけときます。


①They Rminisce Over You / Pete Rock & C.L. Smooth (1992)

1曲目は泣く子も黙るピートロック&CLスムースの代表曲。耳によく残るグルーヴィーなサックスが印象的。12インチのジャケットワークを含め、これぞ正に90年代ヒップホップの王道と言ったところでしょう。大学生の頃初めて買った洋ラップが多分これの12インチだったはず。

エルドラドのサンプラーテープで、シャカゾンビのOsumiがこのビートに乗せてPerfect Worldをライムしているバージョンがあって、それもいい感じ。

②Hip Hop Hooray (Pete Rock Remix) / Naughty By Nature (1993)

ピートロックの手がけたトラックをもう一曲。名曲だらけの彼の作品のなかでCLスムースとのコンビ以外の曲の中から一つ選ぶとしたらコレ。オリジナルより跳ね感のあるビートに、これまたT.R.O.Y.同様シンプルなサックスのループが印象的。

ヒップホップのために生きて死ぬヒップホップ賛歌。まぁこの時代の曲が好きなら嫌いな人はいないよね。

③Fakin' The Funk (Remix) / Main Source (1992)

Hip Hop Hoorayとならぶearly 90sの跳ね系ヒップホップ大定番。映画のサントラからの12インチ・カットで本人たちのオリジナルアルバムには収録されてないんだけど、メイン・ソースと言えばやっぱりこれでしょう。

初めてラップやヒップホップに触れたのがDA.YO.NEだった僕にとって、ヒップホップは楽しいパーティーラップってイメージが強くあって、そういう意味でこの曲はまさにイメージ通り。

④C.R.E.A.M. / Wu-Tang Clan (1993)

打って変わって、こちらはシリアス・ラップ。RZAが作るウータン一派の曲って昔から実はそれほど得意じゃなくて、各ソロ含めあんまり聴きこんではないんだけれど、彼らの代表曲であるこれだけは別格。

一度聴いたら忘れない悲愴感あるピアノ・フレーズは唯一無二。PVでは第二バースのインスペクター・デックが所作含めだいぶカッコいい。

⑤Born 2 Live / O.C. (1994)

ケニー・バークのRisin' To The Topのサビ前2小節をループしたポップなトラックが耳に残るヒット曲。初めて元ネタを聴いたとき、ここから抜いたのかとびっくりした。アルバム中の他の曲と比べて「いわゆるDITCらしさ」は薄いけれどその分聴きやすい。

昔から椎名林檎の「丸の内サディスティック」のネタ元はこれだと思ってるんだけれど、さて真相はいかに。

⑥Fast Life / Kool G Rap feat. Nas (1995)

DJポロとのコンビを解消したクールGラップがナズを迎えた人気曲。手がけるのはDITCのバックワイルドで、サーフェスのHappyをノイズごとサンプリングしたローファイ・サウンドがめちゃくちゃかっこいい。

90年代のトラックメーカーで僕が一番好きなのが実はこのバックワイルドなんだけれど、彼の数ある作品のなかでも1、2を争う出来じゃないかな。

⑦Return of Crooklyn Dodgers / Crooklyn Dodgers '95 (1995)

90年代はヒップホップやR&Bの全盛期だったこともあって、映画のサントラにエクスクルーシヴ曲が収録されることも多かったけれど、その代表格が先のメイン・ソースとこれ。DJプレミア手がけるトラックにチャブ・ロック、OC、ジェルー・ザ・ダマジャの鉄壁布陣で送る名曲中の名曲。

OCとジェルーは言うまでもないけれど、PVではチャブ・ロックがやたらとかっこいい。デブでもかっこよくなれるヒップホップで、個人的に一番かっこいいと思ってるデブがこのPVのチャブ・ロック。

⑧I Confess / Bahamadia (1996)

ギャングスター・ファウンデーションからデビューしたフィメール・ラッパーによるヒット曲。ちょっとTLCのDiggin' On Youにも似たレイドバックしたトラックに乗る淡々としたラップがかっこいい。

バハマディアはこの曲が入った1stしかメジャー・ヒットしてないけれど、実は2ndも3rdもかなり良い。ほぼ同じ時期に出たThe Roots手がけるSweetbackのAu Natural (The Roots After Midnight Remix)も同系統の名曲。

⑨Remember We (Salaam Remi Version) / Da Bush Babees (1995)

90年代中期の浮遊感溢れるトラックと言えばこの人、サラーム・レミによる傑作リミックス。フージーズのNappy Headsのリミックスも好きだけど、一曲選ぶとすればやっぱりこれかな。90年代中期の日本語ラップの音作りは全体的にこの辺からかなり影響を受けている気がする。

ちなみにこの人はジャミロクワイのVirtual Insanityのリミックスなんかもしてて、ムロさんのテープに入ったことから、当時のヒップホップヘッズの間ではそちらもわりと人気だったり。

⑩Too Complex / L Da Head Toucha (1997)

いわゆるアングラ・ヒップホップからも一曲だけ。ドン・ブラックマンのHolding You, Loving Youをサンプリングした名曲。ほぼリリースと同時期にプリモ先生のミックスCD「New York Reality Check 101」に入ったこともあってアングラ曲としては定番の一つかな。

DJベン・ザ・エースがプロデュースしたツイギーのMirror Ballとネタが被ってるけれど、ツイギーは96年のリリースなので実はこっちの方が先。まぁネタが被っちゃったのはたまたまだと思うけどね。


そんなわけで今日は僕が好きな10曲を紹介。

ナズのIllmaticから一曲も選ばれてないとか、ATCQやデ・ラ・ソウルあたりの元祖ニュー・スクール勢がいないとか、ギャングスターが選ばれてなくてプリモ成分が足りないとか、人によって色々感想は違うと思うけれど、まぁその辺りは好き好きということで。

もう10曲選ぶとしたら↑の人たちの曲も当然入るんだけど、90年代ヒップホップは名曲が多すぎて、自分のなかでの10曲のなかには漏れちゃったっていうそれだけの話。

幸い今回選んだ曲はわりとPVがあるものも多かったので、映像含め楽しんでもらえるといいかなと思います。

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