『古典物はあらすじを予習した方が面白く見れる』 2022.11.21国立文楽劇場


勧進帳の人形が展示されてました

2022.11.21文楽・第三部【壷坂観音霊験記 沢市内より山の段】【勧進帳】に行ってきました。
文楽は2回目なのですが、今回は文楽の面白さを改めて体験できました。特に勧進帳は圧巻でして、迫力もあるし、スーッと入り込めました。
人形遣いの人は消えて人形しか見えなくなるのです。
いやぁ~こればかりは、観に行って体験するしか、理解してもらう術はないかと。

いつもは感想レポなんぞを書いてるんですけど、ちょっとレポしようがなくて(なんせ観に行くしか術がないので)文楽というものをちょっと紹介(?)いや、私もあまり詳しくないので知ったかぶりをご披露したいと思います。

さて、文楽とは何?って方も多いでしょう。
文楽は人形浄瑠璃の系譜の1つで大阪で成立し、本拠地としています。
ものすごく荒く説明すると、日本の人形劇です。
いろんな方面から怒られそうな説明ですけど(笑)

昔々に西遊記の人形劇がNHKで放送されていましたが(年齢がバレる)その人形劇のイメージは捨ててください。文楽では操ってる方々はまる見切れです。人形の両横に立ってらっしゃいます。そして、1体の人形を3人で操っているので、嵩高い(笑)

浄瑠璃(浄瑠璃については後ほど)に合わせて人形を操っている訳ですが、
この操る事を遣うつかうというので、操る人は遣い手つかいてと呼びます

主遣いおもづかい……顔と右手を担当するメインのひと
左遣いひだりづかい……左手を担当しつつ主遣いをささえる。小道具とかこの人が持たせたりする
足遣いあしづかい……両足を担当する。ずっとかがんで中腰で足を持って動き回る。

遣い手の方は黒い服に黒い頭巾を被っていてます。黒は伝統芸能では『見えない』という約束事になっているので黒衣くろごさんは見えない人なのです。
ただ主遣いが顔を出している場合が多いです。どんな人か見たいという要望に応えた形となっているそうで、顔を出していることを出遣いでづかいといいます。
ちなみに始まる前に口上があるのですが、演目・段名と太夫・三味線演奏者の名前を述べたあと「人形遣い出遣いにて相勤め申す」と伝えているそうです。
演奏者の名前の後、何て言うてらっしゃいるか聞き逃してたのよね。次回はちゃんと聞き取ろうと思います(なんせ初心者なので)
遣い手さんはパンフレットなど写真で見ると人形より目立っています(笑)
誰が操ってるかで観に行く方々も多いので、パンフレットはそれで良いのかもしれませんが、初心者としては、人形劇観に行くのに、人の方が目立ってるやん?人形は居なくても良いのでは?なんて思ってしまうのですが、冒頭にも書きましたが、入り込むと操り手が見えなくなるのです。
消えて、人形しか見えない!!
そして、この人形が自然な動きをするんです。
こういう感覚は文楽ならではないかと思います。

もちろん人形がメインなんですけど、浄瑠璃の方々が上手に(舞台の右側)いらっしゃいます。
そう、操り手の方々は喋りません。全て太夫が語ります。
ここで、浄瑠璃を簡単に説明しますと、三味線を伴奏にして太夫が語ります。
太夫は唄うだけでなく、セリフや仕草なども叙事的に語るので、浄瑠璃を「歌う」といわず「語る」というので、浄瑠璃は歌物ではなく語り物と呼びます。

登場人物一人一人に違う太夫がいらっしゃる場合もありますが一人で何役もされている時もあります。
三味線1・太夫1人だと始まる前に上手の演奏者スペースがくるっと盆が回って登場されます。
あんなに早く回る盆は他に見たことがありません(笑)
(盆が回るとは床が回転することで前後が入れ替わったりすることです。昔々の『8時だよ全員集合』で回りながら場面が変わるのがそうなんですけど、若い方にはわかりませんよね・・・)

さて今回のブログのタイトル『古典物はあらすじを予習した方が面白く見れる』とは関係ない内容になっておりますが、最後にここに触れたいと思います。

伝統芸能は普通に生活していて、勝手にふれる機会がある方は少ないかと思います。
まぁ落語はTVで見れたりしますが、能・狂言・歌舞伎・文楽となると全くTVでやってない訳ではないけれど、観たことない方も多いんじゃないかと思います。
どれも古典物の為、言葉が現代語ではないので、敷居が高く感じられたりするんじゃないかと、少なくとも私はそう思ってます。
そこが予習することで一気に解決できます。あらすじさえ知ってたら、少々難しい言葉で言われても、聞き取れなくても大丈夫!!なんとなく理解できます(笑)物語に置いてきぼりにされません。
(まぁ口上の最後の内容聞き取れてなかったですけど・・・予習が足りてなかったという事ですね)
「あらすじ知ってたら面白くないんじゃないか?」って思われるかもしれませんが、そこも大丈夫です。そもそも古典物は内容が同じであっても、いろいろな形で上演されています。文楽専用とかではないですし、話を知っていても、演者によって面白さが変わるので、新鮮に楽しめます。
伝統芸能は敷居が高いな〜とは思わず、是非あらすじを予習して観に行ってください。
意外に新しい世界が待ってたりしますよ


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