満月の恋

今日はとても寒い日だった。

満月の恋

満月が道の上に顔を出しました。
静かな道の、街路樹の根本には雀が一羽、優しい光を放つ月と目を合わせ、しばらく見つめ合っていました。
時間が止まり、星が瞬きを忘れて2つの存在を見守っていました。
静かな、沈黙。
轟々と轟く音が遠くから聞こえてくると、大きなトラックがやってきました。
雀と月との間を、一瞬だけ黒いトラックの影が通り過ぎていきます。
月が再び街路樹の根本を見下ろすと、そこにはもう何もいませんでした。

2019.1.22

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