見出し画像

スイスワインの地③ DEUTSCHSCHWEIZ:ドイツ語圏

スイス人口、面積の約7割がドイツ語圏とされます。
そのため都会、郊外、文化的エリア、歴史的エリアと多様性には枚挙に暇はありません。

Weitere Einzelheiten Panorama Luzerns mit der Rigi im Hintergrund. Links Museggmauer und Altstadt, rechts die Neustadt.
Zürich Hauptbahnhof チューリッヒ中央駅

このエリアでは、断然Pinot Noirの開拓を行うべきです。
ドイツ語圏では約25%がPinot Noirが生産されていて、小規模生産者さんによる所謂”隠された宝石(hidden jem)”が眠っています。

いくつかここぞは、というワイナリーを見つけているので落ち着いたら
買い出しに行きたいところです。

ドイツ語圏のスイスワインについて

  • 17の州にまたがり土壌の種類が多様、様々な品種のワインが育つ

  • 最も重要な白ブドウ品種はMüller-Thurgau(Riesling-Sylvaner)

  • 黒ブドウはPinot Noir, Gamaret, Garanoir

白ブドウだとその他にもRäuschling, Gewürztraminer, Pinot Grisが言及されることが多いです。

英語で会話していたとしても、ブドウはドイツ語名で呼ばれることも多く
このエリアの方々のドイツ語愛が伝わってきます。

ドイツ語圏のスイスワイン産地について

17の州でワイン造りが行われており、ブドウ畑の面積も0.2haから650haまで様々です。
大きく3つのエリアに分けられます。

17の州にまたがってワインが作られていますが、大きなワイン畑があるのはこれらの州です。

西部:Basel, Aargau
中央部:Zurich, Schaffhausen, Thurgau
東部:Graubünden、St. Gallen

ドイツ語圏の土壌は多様で、石灰岩、粘土質から沖積堆積物*や片岩**まで
幅広く存在しています。

*沖積堆積物 alluvial deposit
完新世 (沖積世) に形成された堆積物の総称。固結しない礫,砂,粘土,火山灰などから成る。土壌はおもに沖積堆積物に腐植が混ったもの。沖積堆積物は沖積平野,沖積扇状地などをつくる。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

**片岩(結晶片岩)schist、
造山運動に伴って広い範囲で熱と圧力の作用によってできる変成岩の一種。とくに雲母などの鉱物が薄い板状に配列して、その面に沿って割れやすい性質をもつ結晶質の岩石。構成する鉱物の種類によって石英片岩、雲母片岩、
変成岩の元の岩石の種類から、泥質片岩、砂質片岩などとも呼ぶ。
変成作用をより強く受けると、片麻岩になる。

エンカルタ2007

石灰岩と粘土質の土壌:
水はけが良く、ブドウの木の健全な成長を促す必須ミネラルを含み、中央部に多いです。
ブルゴーニュの偉大なPinot Noirも、石灰岩と粘土質の土壌で生産されており、Pinot Noirとの相性が良い土壌だと感じています。

沖積堆積物:
シルト、砂、砂利で構成され、肥沃で水はけがよい。河川や湖の近くで見られます。どちらかというと、白ブドウに適した土地のように思います。

片岩や片麻岩:
ミネラルが豊富で水はけがよく、ワインの複雑さとミネラル感に貢献する。山岳地帯にみられる。

それぞれのブドウ品種はがテロワールを反映したユニークな特徴を発揮しています。

ドイツ語圏のAOCについて

スイスは各州がほぼ独立して統治されているため、恐らくAOCのルール作りは大変だったはずです。
そのためなのかはまだ確定ではありませんが、Grand Cruはなく
基本的には地名のAOCが20存在します。

西部:

  • AOC Argovie(Aargau)

  • AOC Bâle-Ville

  • AOC Bâle-Campagne

  • AOC Berne

  • AOC Soleure

  • AOC Thunersee

中央部:

  • AOC Lucerne

  • AOC Obwald

  • AOC Nidwald

  • AOC Schaffhouse

  • AOC Schwyz

  • AOC Thurgovie

  • AOC Uri

  • AOC Zoug

  • AOC Zürich

  • AOC Zürichsee

東部

  • AOC Appenzell

  • AOC Glaris

  • AOC Grisons

  • AOC St-Gall

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?