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年間100本以上Steamゲーを遊んだ男による、あなたを浅めの沼に招くレビューまとめ
こんにちはございます。普段ゲーム周辺境界人として社の畜をしながらオフでは趣味ゲーをひたすらハムっているすいそです。
2021年に遊んだSteamのゲームからピックして30本+αを紹介。ジャンルの偏りが激しい点はご容赦ください。ローグライク、デッキビルド、パズル、アドベンチャー、シミュレーション、RPGの順です。
■ローグライク
Ring of Pain
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リング状のマップで左右どちらかに移動するか攻撃するかを一手一手考えていくタイプのローグライク。選択ミスが即死級のひりつくレベルデザインで、運要素も強めだけど選択肢とチャンスがしっかり提示されるので理不尽さはあまり感じない。装備の種類も部位も多い上に各ステータス1の差が大きいので取捨選択の醍醐味が楽しめる。ゲームテンポやUIも快適で、遊び続けると思考が洗練されていくのが気持ちいい。
ビビッドナイト
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絵柄がかわいいローグライクダンジョンクロウル。同じ属性を一定数集めるとパッシブが付き、同じユニットを3体集めると強化されるのまではオートチェスと同じ。ただ強化されたユニットの属性がPTに入れていなくても残る点と、ユニットの買値と売値が同額な点はオートチェスからの発展形システムとして秀逸に感じた。とにかくパッシブを盛り盛りにしていくプレイが楽しいが、後半ダンジョンはシナジーも考えたりで戦略深め。
SKYHILL
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終末後の世界でクリーチャー蔓延るホテルを地上まで降りていく高難度ローグライク。サバイバル要素強め。拾うアイテムに対する一喜一憂度も高め。ペットフードが超ご馳走に思えてくる。
Hades
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今年は散々各所でこのゲームについては語られているので、今更自分が話すこともあまりないのだけど、プレイヤーを気づきや挑戦に誘導させる動線がとにかく秀逸だった。ゲーム側が用意しているアクションやシステムにアクセスさせるお膳立てが上手というか。割とレビューでは長大な会話パターンとストーリーテリングの新規性特異性について言及されがちな印象だけど、繰り返し遊ばせるためのエンタメ思想とホスピタリティは随所に満ちているのを感じた。
■デッキビルド
満月の夜
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『Slay the Spire』インスパイアゲーの中ではかなりカジュアルでとっつきやすく、絵柄もかわいいのでこのジャンルの入門にもってこい。無料の本編だけでも充分楽しめる上に、DLCでさらに遊びが拡張されるのでハマれると長く楽しめる。薬剤師でポーション投げまくる凶悪ムーブできるのが痛快だった。
Pirates Outlaws
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『満月の夜』より少し歯応えを求めるならこっち。といっても『Slay the Spire』ほどシビアではない。ヒーローとマップの数が多く、進めると解放されるカードとレリックもかなり深いところまで用意されているので、この手のジャンルの中では随一のボリューム。ヒーローの個性が強い分、カードプールが基本的に共通なのは好みわかれるかも。
ヤマふだ! にごうめ
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ガワ替えにしてはユニークすぎる山登りデッキ構築ゲー。キーワードのチョイスやモデルのモーションも凝っていてジャンルの可能性を感じた。序盤はゆるく楽しめる易しさだが、後半は見た目に反してなかなかシビアなバランス調整。やり応えあり。
Dark Mist
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ライフ=デッキ枚数で、ダメージ=カードを奪われるというシステムのせいかこの手のデッキドラフト系の中でもかなりユニークな効果が多い。変わり種求めているならオススメ。初期難易度の全クラスクリアまで遊んでみて特に好みだったのは虫使いと混沌の騎士。奪わせる戦略性にこのゲームならではの面白さを感じた。
Meteorfall: Krumit's Tale
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一風変わったルールとUIのローグライト。自分のデッキと敵のパネルが混ざった3×3の盤面で進行するため、アイテムを取得する順番や敵の配置調整が重要になってくる。盤面から先読みする思考には慣れてくるものの、そもそもの難易度も高め。
Urban Cards
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事業を起こして労働者を雇いゴロツキを戦わせるデッキビルドローグライト。若干荒めのゲームバランスでクリアには相当骨が折れるが雰囲気よし。カード名と効果がユニークで、風刺も効いていて楽しい。
Ratropolis
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ネズミの王国建設デッキビルドタワーディフェンスRTS。『Kingdom: New Lands』のような左右スクロールストラテジーになっていて、リソース管理しながらリアルタイムで防衛するのでかなり忙しい。施設やユニットの配分をミスると、我が国が滅びていくのをただ見ることしかできない時間が訪れる。
Loop Hero
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ループ状のマップの周囲に地形を配置して、資源を集めたりキャラクターを強化したりしながら進むローグライト。デッキビルド枠で紹介するのもどうかと思うが、RPGやハクスラ要素も強く、基本オートで進行するためストラテジー、クリッカー、アイドルとか言われればそんな気もしてくるミクスチャージャンル。止め時も引き時もわからなくなる、不思議な吸引力がある。
Inscryption
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今年一番の衝撃作。核心突いた物言いは避けるけどこれから楽しみたいと思っている人には余計な情報になっちゃうと思うので飛ばしてね。で、よくあるウケのいい第四の壁演出かと思ってたら、何すかこれ。正直自分なんかはちょろいので、あの立ち上がった瞬間=これまで第三者視点と思っていたのが主観になった瞬間に、もう喜び震えて「ああ、このゲームはヤバい」と呻いたのだけど、そっから何回ひっくり返るんだこの舞台装置は。しかも代替現実ゲームまで発展してて呆然。その上で本当に許せなくて腑に落ちなくて最高に愛おしいのが、このゲームがこのゲームであるために、ゲームが面白すぎること。記憶を消してもう一度プレイしたいゲームというよりは、生まれ変わってもまたプレイしたいゲーム。
■パズル
VOI
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重なった部分の色が反転する図形を組み合わせてお題をクリアしていくミニマルパズル。この手のワンアイディアパズルの中では予測と気づきと意外性のバランスがよくて好みだった。
Voxelgram
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立体ピクロス。一見とっかかりが無さそうに思えるものの意外とやってみるとロジックがすぐ身に付くので、つい手が止まらなくなるタイプのパズル。ジオラマが完成していくのも楽しい。
Cats Organized Neatly
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見た目そのまま。猫しまっちゃおうねパズル。後半なかなかの難易度になるので数十分頭を悩ませることもあったけど、猫なので平気だった。ちなみに犬版も出てる。
Meow Lab
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繋ぎ目や移動にルールを持つブロックたちを決まり通りに連結させるパズル。絡まりまくった紐をほどくような快感がある。
Dorfromantik
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ボドゲ好きにはたまらないカルカソンヌ風な質感のパズル。地形が合致するとスコアと山札が増えていくルールで、時々出てくる特殊地形とクエストがいいスパイスになっている。疲れた状態の平日の夜なんかにもさっと遊べるタイプのリラックスゲーだが、気が付くと数時間経っているので自制心が必要。
ISLANDERS
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建物の組み合わせでスコアが増減する街作りパズル。かなり『Dorfromantik』に似たプレイフィール。ルールは緩いようで意外と影響し合う要素が多く、木を伐採して土地を開拓するか、そのまま有効活用して自然公園や木こりの家を設置していくか、その場合ランドマークタワーが活かしきれないからやっぱり住宅地や商業施設を集めていくか、みたいな正解のない思考に陥りがち。セオリーがわかってくると手札とマップを見比べながら最善手を模索する楽しさは得られる。
Panty&Demons
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一筆書き形式で同じ柄のパンツをなぞって消していくパズル。ギミックが豊富でスキルやコレクション要素もあり飽きさせない作りになっている……なんてのはもうどうでもよくて、妖怪、猫、おもしれー女、ジャジーブレイクビーツ、なにひとつ噛み合ってない情報が次々押し寄せる展開に戦慄する怪作。まあまあな電波と思われる原文をさらにローカライズした結果味わい深すぎる文字列が生成されていて、「これは女の子のパンツーだよ」「あんたは災厄」「しかし、これはスポつ部の女性の更衣室だ」「歯でおパンを噛む」「部屋のゴアを開いて」「あっちにパンツが姉さんを襲っている」「おい、粘液か?」「パンツの雨をしよう」「誇り高きニャー」といった不可思議ワードが連発する。
■アドベンチャー
9時間9人9の扉
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『Ever17』ファンなのに当時DSで展開していたこのシリーズを遊び損ねていてずっと悶々していたのを『善人シボウデス』『刻のジレンマ』と合わせて今になって一気買い、そして一気プレイ。超巨大なサスペンスの入れ物にSFやらオカルトやら思考実験やらがミチミチに詰め込まれていて、ちょっとした会話の端に出てきて目を引くワードから盲点を突く仕掛けまで点と点が次々繋がっていく面白さが味わえる。ミステリとしては1作目、ルールとトリックは2作目、シチュエーションは3作目が印象深い。
Replica
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スマホを操作して事実を露わにしていく傑作短編ミステリ。このインターフェースで叙述トリックやるのはエグいて。ロジックとメタとナラティブが三すくみで先回りし合うようなゲームだった。
Her Story
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やつれた女性が独白する実写映像が主で、語りをヒントに任意の検索ワードを入力して事件の全貌を解いていく型破りなミステリ。「もしかしてこういうことでは」「ちょっとずるい単語だけどこれで検索すれば何か出るんじゃね」がぶっちゃけセオリーになってくるのでひらめきと山勘の境目がなくなるという稀有な体験ができる。
アンリアルライフ
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ツクールとかウディタ制のフリゲやってた世代に刺さるグラフィックと世界観。10代の頃に夜通しゲームしてそのまま学校サボってた頃を思い出した。饒舌なバディを配置して主人公に余白を作るというのは古来テキストアドベンチャーの頃からの慣習だけど、この作品では特に効果的に働いている気がする。
Coffee Talk
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BGMに直球のローファイヒップホップを持ち込んできている点で個人的重要作。『VA-11 Hall-A』がお酒を飲みながらアッパーな精神状態でプレイしたいのに対して、本当にこちらはコーヒーを飲みながら落ち着いた気持ちでプレイしたくなる。
A Short Hike
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小鳥の少女のひと夏の冒険。正直、何かすごく評価されているのをよく見かけるけど具体的にどこが魅力なのだろう、と思いながらプレイし始めて数分後、とあるアイテムを入手してこの後待ち受ける体験を理解したときは震えた。この気持ちよさと手触りのよさは遊んでみないとわからんもんだね。ギフトに最適と評されるのも理解できる。万人にオススメなのでとにかくプレイしてみてほしい。
餓史シャチの幸
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不気味な個人サイトを探索しながら謎を解いていくアドベンチャー。隠しリンク、フラッシュアニメ、壁紙配布、俺たちのインターネットがここにある。
シロナガス島への帰還
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孤島でサスペンスやってたらスペクタクルホラーに嬲り殺されるタイプのミステリ。コミュ障腋下未開発ゲロインのねね子がフェチくて推せる。調べ直したらいつのまにかフルボイス化決定してて腰抜かした。売れてて嬉しい。続編が楽しみすぎる。キャラよしテンポよしトリックよしの上質テキストアドベンチャーなので、ネタバレ踏む前にプレイ推奨。
Happy Game
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さわれる悪夢。
■シミュレーション
Megaquarium
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水族館経営シミュ。水質や水温、棲み分け、餌の種類といった魚を育成する上での基本的な管理項目から、スタッフのマネジメント、客の要求への対応、財務管理までプレイヤーが担う。自由度の高いサンドボックスモードももちろん用意されているが、キャンペーンモードはパズル的な要素が強いかも。新しい魚や設備が解放されるのが楽しくて、自分は数夜没頭するほどにはのめり込んだ。
Let's Build a Zoo
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動物園経営シミュ、に見せかけた遺伝子掛け合わせキメラ生成ゲー。カルマ値のようなものが設定されていて、不道徳なルートの方がむちゃくちゃなことができて楽しそうではあるが、本当にむちゃくちゃなことができるので動物好きには向いてないかもしれない。
■RPG
Haven
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逃避行の末に辿り着いた無人の惑星を探索しながら恋人といちゃいちゃするRPG。明日死ぬかもしれないから裸になって海で泳ごう、みたいな諦観と楽観が入り混じった空気がずっと流れていて、頽廃的なロマンチシズムすら感じる。ピンクとブルーに染まる画面とオーガニックな音使いのエレクトロによる陶酔感がエグい。自分が10代だったら朝4時5時とかに部屋の電気消してヘッドフォンしてプレイしてたと思う。
ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~
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境界を越えて→戻って→越えない選択をして、自由奔放なライザだけが島に留まる閉じ方が美しかった。スケールでかいヒロイックな話と村社会の空気感が最初噛み合ってない印象持っちゃって、いまいち行動原理が理解できなかったというか、動機に窮屈さを感じてたんだけど、最後のライザの選択でストンと腑に落ちた。日常を愛するためには自分の手で日常を守る必要があったんだろうなと。そしてライザだけがそれを手にしてしまって、先を行き過ぎてしまった結果、守った日常から仲間が離れていくエンディングになるわけで、物語としてどうしようもなく寂しかったし、主人公として美しかった。レビューというか普通に感想になってしまった。
ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ
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まだクリアしていない段階でのレビューになるけど、良い意味で予想を裏切られた。無双のガワ替えと思いきや普通に「『ペルソナ5』2」じゃねえか。むしろ戦闘シーンがフィールド散策から地続きの直観的なアクションになった分、頭を切り替えず楽しめるし、本家のシステムで個人的に苦しかったスケジュール制限がなくなったので好きなように遊び倒せるのはかなり嬉しい。全国各地をキャンピングカーで旅するというコンセプトも爽やか。
おしまい。Twitterではほぼゲームの話しかしていないのでよかったらフォローしてね。正月休みは積みゲーに捧げます。よいお年を。
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