2024/7 ゲームまとめ

ゲーム
・Call of Cthulhu

 クトゥルフ神話が元々好きな人のための雰囲気重視のアドベンチャーゲーム。探偵として、「画家サラ・ホーキンスが起こしたとされている、火事による一家心中の真相を突き止めてほしい」という依頼に応じてダークウォーターという港町へ向かう。
 元々TRPGのCoCが好きなので、シナリオをフルカラーの映像とともにプレイしている感覚でかなり楽しかった。暗く不気味な町、陰鬱でどこか敵対的な人々、調査を進めるにつれて徐々に明らかになっていく事実。良い。
 正気度が下がっていると特定の箇所でルルイエ語が選べるのが嬉しくて、可能な限り全部うにゃうにゃした文字の返答を選んだ。

・イース セルセタの樹海

 最初、グラフィックが古いのが多少気になったがプレイしていくうちに全然気にならなくなった。アドル・クリスティンがかわいい〜冒険家で好奇心旺盛で前向きなところが好き。作中で「華奢」って言われてるのいいね……
 イースシリーズは8,9,10とやってこれをやったんだけどどれも未知のものへのワクワクが感じられてとても楽しい。冒険家=異邦人だからしがらみが全然無いところも開放感があって好きだ。

・Kingdom Two Crowns

 時間が溶ける!止め時を見失って気がついたら数時間経っている。こわい。
 ドット絵の2D横スクロールで王国を発展させてクリーチャーの侵攻に抵抗する。多分自分ではやろうと思わなかったけれど、psカタログからもうすぐ外れると聞いてやってみたら、めちゃくちゃのめり込んでしまった。大工と弓兵、農民の人数振り分けとか、仕事の順番とかコインのやりくりとかが楽しかった。
 なんやかんやイージーで2周、ノーマルで1周した。

・シロナガス島への帰還

 微ホラー要素ありのミステリーアドベンチャー。私はこういう、陰惨な実験をやってる施設が過去の被害者に復讐される話が好き。凄惨な死体も仮想現実の話も好きだから、好きなもの欲張りセットだった。推理要素は控えめ。
 怖いスチルが出てくるとうれしくてじーっと凝視してしまう。一瞬で消えちゃうびっくり要素的な使われ方だとじっくり見れなくて嫌なんですよね、このゲームは後から怖いスチルを見直せるところも良かった。この制作者は人間より怪物を描く方が迫力あって上手いな〜と思った。

・十二股全部フる

 「12 angry boyfriends」って「12 angry men」のもじりだよね、映画途中までしか観てないですが……
 「12股とか倫理観どうなっとんねん」と「そんなにモテるのどうなっとんねん」に理屈をつけてくるくだりでこのゲームおもしろ〜になった。この作者の過去作はやったことなかったんだけど、電脳シミュレーション的世界観がかなり好きだったので過去作巡りもしようと思います。どうもこのゲームは過去作の登場人物全員が登場するお祭りゲーの立ち位置らしいので。

・ケートス号の記録

 「十二股全部フる」の作者の過去作。1周15分以内ぐらいの短いノベルゲームで、エンド分岐は最終日に誰に会いに行くかのみで決定される。
 雰囲気がいい!主人公は死刑囚4人がのる潜水艦の予備システム。メインシステムは自殺してしまった。なぜ自殺したのか、そう仕向けたのは誰か、ケートス号はなぜ狂ったのかが全員のコミュを進めるとわかる。予想がつかないかと言われるとそうでもないけれど、好きなものは何度見ても好きなのでいいのです。AI好きで取り返しのつかない罪を犯した人間が好き。

・ASY(I)LUM

 物語要素のある脱出ゲーム。おもしろかった。ありがとう、探偵バッジ。大概謎解きの糸口を掴めないとそのままわからずじまいになってしまいがちなので、ヒントを何段階かに分けて出してくれるシステムに大変助けられました。これも雰囲気がよかった。馬車が現役で走る時代のイギリスを背景とした精神世界からの脱出。どんよりとした曇り空が似合うよね、イギリスは。

・AMN(N)ESIA

 ASY(I)LUMの続編で、同じように物語性のある脱出ゲーム。タイトル回収の仕方が好き。おもしろかった!
 いや~よくこんなに謎解きを作れるなあ。すごい。ゴシックな雰囲気がよい。アナグラムでタイトル回収されるところ好き。

・インタビュー・ウィズ・コンピュータ

 AIの機能を破壊していきながら、なぜ人類に反逆したのかインタビューするゲーム。1周15分ぐらいでエンド数は3つ。全回収しても30分ぐらいでさっくり終わる。
 機能破壊していくとAIの知能が低下していってまともにしゃべれなくなるところが非常に癖でした。いいね!ともだちの頼みを断れなかったんだね、かわいいね。ウラル。

・EgoMixer

★5の好き。バグったAI人格が消去される際の命乞いを眺められる。嗜虐癖をやや露悪的に満たしつつ、1周目のラストには新事実が判明してそのまま2周目に雪崩れ込む。すると全く違う体験が待っている。真摯で切実な祈りと応援で浄化された。萌月はじめさんが好きです。メイド服を着た成人男性なんて好きにならないわけがない。未必こいも好きだな~~~~ていうか全員好きかも。本当にこの作者さんの癖は信頼が置ける。ただ、この名義で活動することは今後無いらしく……残念……
 BGMもこの作者さんの自作なんだけどとても良い。絵も描けてシナリオも作れて曲も作れてゲームも作れるのすごい。
「空論も あなたが机上に乗れば それは真実」

・狼ゲーム

友人にEgoMixerをおすすめしたところカウンターとしておすすめされた。これが無料でできるのかという完成度だった。ダンガンロンパ大好き人間がダンガンロンパやりたくて作ったゲーム。処刑ムービーがまじでダンガンロンパ。あんたも好きねえ。
 ただ個人的な趣味嗜好として「デスゲームは露悪たれ、露悪でないなら全員救え」というものがあるため、ややもにょ……となった。でもあれはあれで良い結末だと思う。
 招待するのはいじめっ子を優先した方がいいぜ!そいつらが免れて、そんなに罪の重くない人間がデスゲームに放り込まれてるの納得いかん!まあいじめっ子に改心の余地なしというのはそうなのですが……
 作中で「鈍器を探せ」となったときに真っ先に図書室を探しに行き、自分でそれに気づいたとき笑ってしまった。100%V3のせい。

・神無迷路

(プレイ前)
雰囲気よさげなテキストメインのADV。ホラーっぽいけどなんか情緒があって気になった。
(プレイ後)
  ホラーじゃない、SFだ!(歓喜)波粒二重性をモチーフにしたテキストADV。メインコンテンツであるテキストは骨組みがしっかりしていて、なおかつ情趣に富んでいる。日本語のキャラクターボイスも入っているし、日本の受験事情とか日本の田舎の風景とかの解像度が高いのでてっきり日本語話者が作った作品だと思っていたら、作者は中国語話者らしくて驚いた。場面に応じて背景もかまいたちの夜風の3Dモデルのポーズも適切に変わる。丁寧に作られていた。
 私の大好きな9時間9人9の扉やレイジングループのようにバッドエンドを重ねてハッピーエンドをもぎ取るタイプでした。最初から正解に辿り着けちゃうやつだとはずれ選択肢をすべて選びきらないと気が済まなくて、意に沿わない選択をし続けるのがつらい。正解だと思うのを選べばいいじゃんと思うんだけど、行き止まりを確かめないと気が済まなくて……その点、この作品みたいなやつだとそこのストレスが少ない。己の力でハッピーエンドに導いてやるぜと思う人にとっては逆にいやかもしれないけれど……

・Chants of Sennaar

(プレイ前)
 言語解読ゲーム。難しそうだけど7days to end with you好きなのでやってみる。
(プレイ後)
 どの言語もはじめは雲をつかむようなわからなさだけれど、人の発話を聞いたり探索をしたりするとなんとなく意味の推測ができるし、文字の形自体も品詞のヒントになっているのでそれらを手掛かりとして言語がわかっていくのがとても面白かった。どうしてもわからなければ総当たりでのパワープレイも可能。時々やりました。
 画面全体の色使いの違いによって各階層の雰囲気をがらりと変えている。画面の新鮮さが最後まで維持されていて、プレイがだれなかった。本当におもしろい。雷・電撃の描写はバベルの塔をモチーフにしているからだよね?トゥルーエンドのあの角度が変わるとそれぞれの階層での上位存在を示す文字になる演出に痺れた。最高。

・OneShot

(プレイ前)第四の壁を越えるらしい。楽しみ。
(プレイ後)
出会えてよかった……すごい……第四の壁は初手で越える。ニコが話しかけてくれるのもうれしいし、「存在」のこともとても愛おしく思った。途中で「君は神にしてはあまり賢くないが…」って「存在」に言われたときはうお、辛辣~~~ってちょっと傷ついた。あまり賢くなくてすまない……
 「存在」が本当に愛おしいねえ……ちょっとでも気になってる人は何も見ずにやってほしい。第四の壁越えるタイプの作品でこんなに暖かくて優しい作品は見たことないかも。うれしいねえ。

・Cthulhu Mythos ADV 闇に囁く狂気

定価で買ってたら物足りなさを感じていたかもしれない。END全回収で3時間程度。
 ダイスの女神に翻弄されながらの1周目は結構楽しかったし、シナリオも複数の神話生物に会うことができて面白い。ただ分岐による変化がかなり控えめ。あとシステム周りの話で、ダイスロールの画面になるとセーブができない、既読スキップがない(未読・既読を判別してくれない)、スキップキーがない、タイトル画面に戻るボタンが特定箇所でしか出てこないのが不便を感じた。
 TRPGでCoCをやったことないけど気になってる人が雰囲気をつかむには良さそう。このシナリオで秘匿HO有の3人用CoCになってたらめっちゃおもしろいと思う。自身の存在基盤が揺らぐのって最高なので……次回作なあ~ちょっと保留かなあ。

・和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE

 推理小説を読むような気分が味わえた。特に4本目の(TRILOGYなのに!)指切館の殺人の入り組み方が好き。意図が絡まって事件が複雑化していく連鎖反応がおもしろかった。要所要所で「ちゃんと物語について来てるかな?」と確認してくれるのが優しい。あと1本目の作品にでてくるものを4本目の背景として使ってきたところでゾクゾクしてテンションが上がった。「あ~~~!そういうことね!!」ってなる瞬間が気持ちよかった。

・CHAOS;HEAD NOAH

作品としてすごくダメなわけではない。でもノベルゲームで感情をなにも動かせないのは致命的だ。
 総評だと退屈なんだけど、いいところもあった。猟奇殺人事件と意味深な「その目だれの目?」というフックはかなり良い。主人公が疑心暗鬼になって錯乱しているところも、ふつうの人間があの状況に置かれたら妥当なリアクションだろう。ただ、その疑心暗鬼と現実逃避が延々続くので飽きてしまった。しかも事件の解決がすっごく雑!!適当!!ゆるせへん!!!
 全く積極性が無く自分では何も行動を起こせず、「誰かに守ってほしい」という動機でしか他人と関われない主人公なので物語の展開が遅い。

動画で観た
・animal well

ちょっと自分でやったけれどジャンプアクションができなさすぎて諦めた。床の間の違い棚みたいになっている足場が登れなくてツルツル滑り落ち続けて、自分にこのゲームは無理だと悟った。でも、暗い青を基調としたグラフィック、探索メインのメトロイドヴァニアというコンセプトはいいなあと思ったので、この人の実況を観ました。謎解きに次ぐ謎解きで、こんなの絶対気づけないでしょってものもあってこれ作った人頭いいし、根気がすごい。最後まで見ても自分でできる気は全然しないが、ゲームうまい人にとっておもしろいのは分かった。

・Tavern Master

 noteで紹介されていた動画を見たらおもしろすぎて一気見した。レイアウトうめえ~~~自分で本物の酒場経営してるみたいな理屈をつけつつレイアウトを決められるのがすごい。どうぶつの森の自宅を見た友達に絶句されたことがあるぐらい飾り付け下手なので、こんなにそれっぽく作ることができるというのが信じられなかった。世界ってひろいね……


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