2023/11 映画など

映画
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

 「兄弟以上夫婦未満の相棒」っていいね……落ち目になったリックがすごくしんどそうなのとは対照的に同じく仕事にあぶれているクリフが普通の顔して特に落ち込みもせず生きてるのがおもしろかった。「自分が役立たずだと受け入れるのがつらいんだ」と泣いて8歳の子役に慰められていたリック、覚えたはずの台詞が飛んでしまって自分を激しく責めたリックが、その後切り替えて悪役として職務を全うするのが本当にえらいなと思った。ちゃんと見ていてくれる人がいて、仕事にありつけて良かった。LSD漬けのタバコがどう回収されるのか気が気じゃなかったけど、スキャンダルにならず、多分あの事件がきっかけで新しい仕事が入ってクリフを雇い続けられるんじゃないかなと思わせるエンディングでよかった。

・キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

 「フランクとカールは今も仲の良い友達である」この映画を締めくくる一文で救われる。フランクはとんでもない犯罪者なんだけど、カールはそれを真っ正面から直視しながら、助けなきゃいけない子供だと感じている。クリスマスイヴの電話でカールに自分の居場所を話したり、仲の良い両親を希求していたりする寂しがり屋の子供の面と、小切手を偽造し年齢を詐称し、果ては医者や弁護士として雇われてしまう天才的な頭脳を持つ詐欺師の面が両立していてとても魅力的だった。「カンニングはしてない。2週間勉強したら受かったんだ」凄まじい…レオナルド・ディカプリオのハマり役だ…
 フランスの刑務所でやつれているフランク、母の再婚後の幸せそうな家庭を窓越しに見て自失の表情をするフランクがとても美しかった。

・タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら

 見た目の怖さで勘違いされてしまって、殺人鬼だと思われてしまう二人の話。かわいそう。大学生がウッドチッパーにいきなり頭から突っ込んできた!って怯えているのがおもしろかった。アリソンが二人のことをちゃんと良い人だとわかってくれているのが救い。すれ違い、勘違い、不幸な事故や偶然から憎しみがエスカレートしていくのがコメディでありながら、もしかしたら国と国や民族と民族の争いの根っこも同じなのかもしれないと思った。

・鬼太郎誕生日 ゲゲゲの謎

 よくまとまっていておもしろかった。ゲゲ郎の白髪片目隠れ着流し姿が好きで気になっていたところ、陰鬱な因習村で糸目の石田彰が出ると聞いて観に行くことに決めた。癖を抑えて声馴染みを優先させていた印象。長田は自分の命よりも乙米を一番に優先していたので、明らかに長子と妹婿の関係ではなさそうだけど制作者インタビューによると両片思いだったらしい。そこだけピュアなんだな。
 酔って泣き上戸になりながら妻の惚気を喋るゲゲ郎がかわいいのとアクションが良かった。刀を歯で噛み砕くところとか、身軽なんだけど手摺りを引きちぎる怪力もあるところとか。
 水木は自分の認識だと「俺は情も利用して嘘もついてのし上がってやる悪いやつだぜ」なんだけど、ゲゲ郎が処刑されるのを黙って見ていられなかった時点で長いものに巻かれきれない義侠心がはみ出ちゃっている。
 まあ普通におもしろかったかな〜という感じでした。描写がかなりマイルドで、アク抜きも丁寧にされている。

ゲーム
・オーディンスフィア レイヴスラシル

 最後のボス×6がクリアできなくて4,5年放置していた。横スクロールでキャラごとにアクションが多彩で楽しかった。難易度下げてたはずだけど結構難しかった覚えがある。6人の物語が相互に関わり合っていて先が気になるお話だった。

・ルフランの地下迷宮と魔女の旅団

 先の読めない、クセのあるストーリーがすごく面白かった。これまでに経験のないストーリーラインだった。あの絵柄で、魔法の存在する世界で普通に刃傷沙汰が起こると思わないじゃん……ファンタジー的な剣戟ではなくて、ヤクザ映画的な刃傷沙汰。ドロニアのルカへの所業は虐待だからルカが可哀想でちょっと早送り気味にしてたんだけど、ヴェルニアが絆されていったようにドロニアも段々ルカに絆されていくのがわかるのと、ルカの境遇が全然マシだと思うほどドロニアが酷い目に遭うので、なんかもうそういう世界なんだなと納得した。「異常者に鼻唄混じりに解体されながら自我を失った目で虚空を見つめるドロニア」CERO C、まあ妥当なところですね……バーバ・オオガラスがはちゃめちゃに強くて倒せず、、、諦めた。実況動画でエンディングを見ました。エクストラで続きのストーリーもあるらしいんだけど、ちょっとそこまでは手が出ない……

・デイヴザダイバー

 完成度が高いゲーム。ドット絵で緩急の効いたアニメーションが入るのがカッコよくて楽しい。海が綺麗でBGMもゆったりしていて癒される。ただ油断しているとサメとか危険な生物に襲われるスリルもある。ちょうどゲームに満足するぐらいでメインストーリーが終わった。どんどん深く潜れるようになっていって、獲れる魚の種類も変わっていく。追加要素もどんどん出てきて飽きさせない工夫、遊び心がすごかった。これはSteamで圧倒的に好評を獲得しますわ〜

・Behind the Frame

 心がふっと軽くなるような優しさを感じた。穏やかな音楽、適度に雑然とした部屋で目玉焼きとトーストを食べ、コーヒーを淹れる。謎解きも詰まる場面はほとんど無くてスムーズに誘導が効いている。丁寧で穏やかな暮らし。過去に何があったのだろう、この主人公って一体誰なんだろう?と色々考えながら進めていき、ラストで少し泣いた。美しい思い出がそのままになっている。主人公とムンクの叫びが一緒に😱しているのめっちゃ可愛い。

・天穂のサクナヒメ

 移動が難しい!!思ったところに羽衣が飛ばない!思った技が出ない!すごい…みんなこれできるんだ…ジャンプ+羽衣アクションが必要な段差が登れなくて壺ゲームぐらい悪戦苦闘してるので「楽しい」までの道のりが遠すぎる。新米が完成した時にはそれなりに嬉しいですが、アクションの苦しみを雪ぐほどではない。

・SUPERLIMINAL

 使ったことない部分の脳が刺激されている感じがする。これまで持てていたものがクリックした瞬間粉々になったり、置いたら絵になったりと予想通り動く部分と予想を裏切る部分のバランスがちょうど良い。これ触ったらどうなるんだろう、先に進んだらどうなるんだろうの好奇心をずっと持ち続けられるようなゲームだった。先入観を突くような仕掛けが多くて、うまく抜けた時に脳内を電流が駆け巡るような気持ちよさがあった。
「終わらない夢」の要素も微ホラーっぽくて好き。

・Thief

 難易度一番低いやつでやったけど、いっぱい死んだ。どうしても抜けられないポイントは同居人にコントローラを渡してやってもらったレベルで難しかった。ステルスは楽しい。うっかり見つかってしまった時、イベント戦闘など、主人公は非常に力も弱いし、HPも低いのでどうにもならなくて死んでしまう。ストーリーは産業革命前後のロンドン?でエリンと原初の石が融合してしまう。エリンは死んだと思っていたが生きていると知り、助けに行く。また、原初の石を巡る駆け引きにも巻き込まれていく。シリアスで暗めな雰囲気です。即時換金システムが楽しい。

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