2023/10 映画など

映画
・メン・イン・ブラック
・メン・イン・ブラック2
・メン・イン・ブラック3

 おもしろかった〜続編もちゃんとおもしろくてよかった。無印の途中で昔観たことをぼんやり思い出した。セリフやカメラの動きの緩急がバッチリ決まっていてカッコよくて、それでいてコミカル。高速会話キャッチボールの後にピタッと無音と真顔の数秒が挟まると、それだけなのに可笑しくてふふっと笑ってしまう。「間」で笑わせるのに弱くて予測可能・回避不可能の笑いだ。
 無印は昆虫、2は蛇、3は甲殻類(アニマル・ボリス)
 3で無印の最初になぜKはJをスカウトしたのかを回収してくるのがシナリオとしてとても上手い。最初から3まで脚本を書いてあったのかと思うぐらい。
 危機的状況になっても観客が楽しんでいられるのはJの根明で楽観的に見える顔の影響が大きいと思う。深刻な状況でも隙あらばユーモアをねじ込もうとするし、Kもすごく真面目な顔をしながらボケをねじ込んでくる。

・メン・イン・ブラック インターナショナル

 無印・2・3ほどではないけどおもしろかった。緩急があんまり効いてない気がした。ポーニイはちっちゃくて可愛かった。

・ミステリと言う勿れ

 「子供をスパイにしてはいけない」「子供は固まる前のセメント。何かを落とされた跡はずっと残り続ける」が繰り返し回収されていく反復性が気持ちよかった。汐路にも掛かっているし、朝晴にも掛かっている。
 「人は弱いし脆く、壊れやすい。それを認めているから治そうとするし、回復すると信じられる」誰でも壊れることはある、それを前提としていたほうが生きやすいのでは?という整くんの言葉が嬉しかった。
 バラバラの手掛かりが集まって過去の出来事が明らかになっていくのがおもしろかった。

・ロンドンゾンビ紀行

 超低速のゾンビと歩行器おじいちゃんの追いかけっことフーリガンゾンビ同士が押し合いへし合いして車が無傷で残るところが個人的ハイライト

・ブレードランナー2049

冗長と感じる自分がいることは否定できないけど、映像自体の見応えがそれを打ち消してくれる。
 あとジョイ(アナ・デ・アルマス)がめっっっっっちゃ可愛い。ホログラムと恋愛させることでレプリカント同士で付き合わないようにさせているのか、もしくはレプリカントに予めジョイを好きになるように設定しているのか。未来の話として描かれているけど、すでに現実になっている。仮想現実と現実の相互性もVRゴーグルとかは必要だけどもう実現している。
 「自分が特別だと信じたい」と思うということはレプリカントに自我があり人間性を持っている証拠だ。それが希望だ。という話をしていた。そんなことをしなくてもレプリカントは人間だと思うし、差別されているのはおかしいのだけれど、それをいうと過酷な労働にレプリカントを従事させられなくなるのであの世界の人間は口を噤んでいるのだと思う。
 どっちが先かとかはわからないけどほぼ森博嗣のWシリーズとWWシリーズだった。無菌室の中で暮らしている博士を映像で見れてうれしい。

・ゴーストバスターズ

 最後ピーターだけマシュマロマンの残骸の被害が少ないの、これまでのキャラが出ていて笑った。ピーター、そういうとこあるよね。レイモンドはめちゃくちゃいいやつ、正直者が馬鹿を見るの典型みたいなひと。

・宇宙人のあいつ

 土星からやってきたトロ・ピカルの地球調査の任期は1年間(土星時間)、地球時間だと23年。長男の夢二だけは秘密を共有していて、想乃と詩文は記憶を改変されて知らずに過ごしていた。想乃はダメンズの子を妊娠してしまっていて、詩文は中学の時に友達につけたあだ名で恨まれて仕返しを受けている。そのこと自体は重く描写されていたけど、真田サミット(家族会議のこと)で相談して兄弟みんなで協力してなんとかなっていく過程はコミカルに描くバランスが良かった。
 夢二と日出男が2人でバスに乗っているシーンの雰囲気が好きだ。日出男は外の景色に感動していて夢二は寝ている、そんな夢二のことも日出男は大切に思っている。
 夢二は両親が死んでから本当に自分が親代わりをやるんだと覚悟を決めていたんだろう。だから土星へ連れ去られることを引き受けたし、くじ引きで決めたように見せて、誰が何を引いても必ず自分の紐に印が出るように日出男に頼んでいた。残る2人が気に病まないように。

ゲーム
・ムーンライター 店主と勇者の冒険

 メインではなくてサブでショップ経営ができて楽しかった。経営をメインにしたゲームは私には難しい。これは適正な価格を見つけさえすればどんだけ高くても売れる。全部売り切れると気持ちいい。アクションは苦手だけれど、難易度調節ができるし回復薬を多めに持っていけばほとんどの人はクリア可能になっている。

・イースⅩ Nordics

 最高の冒険だった…!!ありがとう……
 アドル・クリスティンのビジュアルがこれまでと違う??って思ってたけど、まさか17歳の若い時とはね…冒険を始めたばかりの初々しさが可愛い。カージャと盾の兄弟となって徐々に親しくなっていく過程がとても良かった。カージャが熱で倒れた時はアドルの珍しい焦り顔が見られるし、アドルが死にかけた時にはカージャの力の暴走があり、コンビ萌えのポイントを押さえてくるな〜と唸った。あと、アドルの冒険の始まりはみんなが応援してくれたわけではなくて貶したり嘲ったりする人たちもいたことは、それでもなお冒険に出ずにはいられなかったアドルの突出した好奇心の裏付けかなと思う。
 ラスボス戦も戦士としてとても気持ちの良い戦いだった。長命人外と人間の婚姻譚における最良の結末を見た。

・アサシンクリード オデッセイ

 まだメインストーリーは途中だけど、名前を聞いたことある人がたくさん出てくる。ソクラテスとアルキビアデスの関係が気になって調べてしまった。ふーん、なるほどね。抱かれない受けの原点みたいな男なのね。

・ロストジャッジメント 裁かれざる記憶

 メインシナリオがおもしろく、先が気になりすぎて寄り道をする気が起きなかった。アリバイのための痴漢事件、いじめの加害者が殺される事件のミッシングリングを探していく流れが本当になめらかで美しかった。如くシリーズの外伝的作品だからアクションが挟まらないといけない縛りがあるんだろうけれど、純粋に探偵物としてストーリーを追わせる、そのためにどこが阻害要因なのかを分析し理解しているスタッフがいるのだろう。
 殺人事件の犯人が判明したのちに、国家権力と半グレの話になっていくところで「いつもの」と思って集中力が落ちたが、主人公と何度も何度もぶつかりながらも犯人の理念が全くブレない。自己犠牲にも等しいような献身が胸を打った。しかもその献身は「自分にとって大切な相手だから」ではなく「辛い目に遭ってきた分、その人は報われるべきだから」という理想、正義に基づいているものだった。それが、正義と正義のぶつかり合いという今回のストーリーの骨格を補強し、筋が通ったものにしている。

・Ghost of Tsushima

 最後の選択は悩んだ。普通、生かすのが慈悲なんだけど、この物語においては殺すのが武士としての誉れを保つという面で慈悲になる。でも、仁は誉れを捨ててでも命を守る選択を知ってしまった。そこで父同然の人を殺せるのか?本当に迷ったけど、望みを聞き届けて殺す方を選んだ。志村は死んだけれど、最後に親子としての関係は修復できたやりとりがあってよかった。Sin of Sleeping Snowの信玄と山県昌景みたいに仁が死ぬ時は迎えに来てくれるんじゃないかな。
 仲間はみんな大事な人を失っていて、仁もまた旅の中で本当に多くのものを失っていく。でも立ち止まる人はいなくて、間違っていても前に進み続ける物語だった。

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