2023/7 映画など

映画
・君たちはどう生きるか

 ストーリーとしてはめちゃくちゃ王道。現実世界での自己の解決すべき成長課題→異世界へ入って課題に関連する試練をくぐりぬける→現実への帰還という異世界ファンタジーの典型。
なんだけど、場面の転換や描写になんとなく安部公房とかカミュっぽさを感じた。不条理劇の色彩
新しい母を母と受け入れられないのに、誰も気がついてくれないから眞人は石で自分の頭を殴って「転んだだけだ」と言い張る。下手に「◯◯にやられた」って言うより、より一層誰かにやられたけど強がってる感が出るので眞人めっちゃ賢い。自分が傷ついていることを知らせたくてやったけど、でもそれは嘘をついてるし、人を騙している。これと母に関することが眞人の解決すべき課題。
異世界で老人に石を見せられて「これは木じゃない。悪意がある石だ」と眞人は言って老人は「それが悪意だとわかるからこそこの世界を任せたい」と言う。ここで眞人は「自分のしたことが悪いことだと分かっているかどうか」を試された。その後、老人と再会したところで悪意のない綺麗な石を見せられて、眞人は「僕は嘘をついて人を騙したからこれには触れられない」と言う。ここで「いかな理由があれど、悪いことをしたのは自分自身の意思である」ことを受け入れた。
ナツコを母と認められたきっかけはナツコもいきなり眞人の母になれないと苦しんでいること、ヒミ(若い時の母)も妹ナツコを大事に思っていると知ったこと。
これらの課題を乗り越えて眞人は現実世界へと帰還する。
以下は脳直の感想
菅田さんの役そこなんだ!?でもよく分かってんじゃん…菅田さんの声は正統派主人公の声では絶対にないんだよ。敵なのか味方なのかよくわかんない生物、最後は「友よ」と言い残して消える生物でよかった。カヘッって言ってました!?
「わらわら」可愛すぎん!???????!!!何!?ちゃちゃくて白くてもちもちしててふわふわで無垢な生き物!!!!!可愛い!!!!ぴょこぴょこ跳ねてるのもかわいいし、息を吸い込んでふわふわ浮くのも可愛い。ペリカンに食べられちゃったねえ……可愛いねえ……

・王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン

 ギラが「生きることは地獄だ」「理不尽に遭い、怒りと悲しみを背負わされる」って言うの意外だったけど、でも彼は孤児院で育っていて裕福でもなく庇護する大人もいなくて自分より年少の者を守るために辛い思いも理不尽な目にも遭っていたのだろうという背景があって、よりギラのことが好きになった。だからこそ、小さな幸せを守りたいという決意を改めて知って応援したくなった。尺が足りねえよ〜〜この結末に至るには初代王が人類は守ったが少なからず何かを犠牲にしているエピソードとかが必要だよ〜多分初期段階ではあったと思うんだよ。これまでを見てるとあらゆる事象に論拠を用意するタイプの作品だと思うし……
あとリタがめっちゃ可愛かった……私はリタは性別不詳なままでいてほしい人ですが、可愛い。弱い人の臆病さも罪悪感を持っていて、それでも義務を果たすということに忠実で魂が高潔。リタが怖くて聞けない声をモルフォーニャが聞いてあげて、「大丈夫だよ」と安心させるの良かった。

・リバー、流れないでよ

 良かった!!ループ間隔が2分間だからテンポが良い
「ループ物」だけどそこにうまいこと登場人物たちのこれまで言えなかったこと、言いたかったこと、行き詰まりから一歩前へ進む物語を絡ませててめっちゃおもしろかった。「進まない時間」のはずなのに、登場人物の人生は進んでいる。好きだ…「私の初期位置あそこです👉何かあったらこの窓から呼びかけてもらえばわかります」笑ってしまった
 とあるループでは人が刺されたり、人が死んだりもして不穏さもアクセントにありながらベースはほのぼのしていた。

ゲーム
・レインコード

 めっちゃいいミステリゲームだった!!最初は謎迷宮での死に神ちゃんのえっちカットインとかにギョッとしちゃうけど、段々慣れてくるというか死に神ちゃんがまじで可愛いのと価値観が人外だから「これ、どうとも思ってないんだろうな……」というところで納得してしまった。3章ぐらいからこれがなきゃ謎迷宮じゃないよなレベルになる。
 ダンガロンパの閉鎖空間、限られた人数ではできないことを思う存分やっててこれがやりたかったんだな〜と思った。0章の絶望がすごかったですね……
 4章がめちゃくちゃ好きです。ヴィヴィア・トワイライトが本当に可愛くて……居心地の良い場所を与えてくれた人、あの生活を気に入っていた
自分が真実から目を背けていなければ、あの時ちゃんとヤコウ所長を問い詰めていればと、そういう後悔もあったからヤコウ所長を守るためにボロボロになるまで立ちはだかった
怒りも喜びも生まれてこの方感じたことのない人間だと自称してるけど、ちゃんとあの生活が気に入っていた、ヤコウ所長のことも好きだったと自覚できたのえらいよ
その「好き」もなんにも分化していない分類もできないような「好き」で、生まれたての感情のあかちゃんみたいだった。ヴィヴィアってマズローの欲求階層説でいうと安全欲求で足踏みしてるような子だから、安全(平穏と平和)を与えてくれたヤコウ所長に懐いた
あんな見目の男からまさかあんなに真っ直ぐ純粋な好意が発せられるとは思わないじゃん!!好きだ……ヴィヴィア・トワイライト……所長のことをずっと引きずったまま前に進んでいってほしい……
ユーマがどこからどこまでの記憶を無くしているのかわからないけど、ヴィヴィアからヤコウ所長への感情とか謎迷宮でのヤコウ所長とかはもうヴィヴィアだけのものなんだね……可愛い……
 ネオン煌く雨の街が綺麗だった。推理デスマッチ前のロードの長さだけはなんとかした方がいいと思う!!没入感が損なわれまくる。

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