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10 BABYMETAL BUDOKAN 6日目 (ネタバレ有り)

※ネタバレを含む記事です。今後の公演に参加される方はご注意下さい。

2/20(土)、BABYMETALの日本武道館10デイズ・6日目を観てきた。

最後に観たのは2016年9月の東京ドーム公演なので、あれから早4年5ヶ月。その間にYUIMETALが脱退し、2人でパフォーマンスした期間を経て現在はアベンジャーズと呼ばれるサポートメンバーを入れた3人編成でライブを行っている。つまり、僕はこの劇的な変化を一切目撃する事ができていなかった。

ちなみに今回のアベンジャーズは岡崎百々子。元さくら学院のメンバーで、博多華丸の娘としても知られている。この件については昨年の紅白出場時にSNSで拡散され、プチバズりしていた。

会場はアリーナ席を全て撤廃し、巨大な360°ステージを設置。観客は1Fと2Fのみで、かつソーシャルディスタンスを考慮し一席ずつ空けられているため、通常の武道館公演よりもかなり絞られた動員数であると言える。

チケットは1F南東の3列目という事で悪くないなとは思っていたが、360℃ステージであるうえアリーナ席が一切ないので、全体の中でも3列目だった。しかも1~2列目はファンクラブ限定販売で定価より10,000円も高い座席らしく、一般席では最も好条件の列だったらしい。

17:00、定刻ジャストでスタートすると、まずはキツネ様のVTRから。2020年のパンデミックでディストピアと化した世界だが、我々は諦めるわけにはいかない、といった決意表明のようなもの。

しかし公演を行うあたっては制約があり、Savior Mask着用のお願い、歓声を控えなければならない代わりに過去のライブのものを流すといった報告があった。また公演終了後は速やかに帰宅し電子掲示板などで感想を語り合うことが推奨され、寄り道、ダメ、ゼッタイ!とのお告げも。

神バンドによる演奏に続いて3人が登場、いきなり荘厳なピアノから「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。イントロで走り回る演出がお馴染みだが、今回は円形のステージになっており、距離も十分にとれるようになっていた。

このステージは可動式で、上下にもかなり動く仕様だった。1Fの3列目ともなると、メンバーと目線の高さが変わらない瞬間がある。日本武道館でこの感覚はかなり新鮮だと感じたし、その分の臨場感は凄まじかった...!

前半は1stアルバムの収録曲のみで、自分のような往年のファンにはたまらなかった。

MOAMETALの「おねだり大作戦」では前日から話題になっていたキッズダンサー4人が登場。さくら学院のメンバーなのでは?とネットで話題になっていたが、場内が明るくないうえに顔の半分以上がマスクで隠れており、また動きも速いため判別は困難だった。憶測は憶測のままだが、MOAMETALよりもだいぶ身長が低い事は確認できた。

SU-METALのソロ曲「紅月-アカツキ-」はもう7年前の楽曲だが、更に艶を増した歌声に痺れるしかなかった。元々さくら学院時代からかなり歌唱力は高かったが、いつの間にか「アイドルの中では」とわざわざ条件をつける必要はなくなり、今や激しいサウンドの中でも一切乱れない高音は聴いていて本当に気持ちがよい。心が洗われるほどだ。

後半のスタートは3rdアルバムからの2曲。自分がライブに行かなくなってからの曲なので、「PA PA YA!!」がタオルソングとして機能しているのを初めて観た。「Distortion」はコロナが無ければサビでシンガロングが起きそうな曲だ。

今回のライブは360°ステージのため、曲によって向く方向が異なっている。これにより、「メギツネ」での"なめたら いかんぜよ"の台詞を真正面から見る事ができない、といった残念な事態がしばしば発生した。

しかしV系好きとして惹かれざるを得ない「ヘドバンギャー!!」はきちんと観る事ができた。土下座ヘドバンとまではいかなかったが、観客は曲の冒頭で立ったまま手を上下に動かすアクションをする。ハタから見ればもはや新手の宗教である。

ここでメンバーは一度ステージから去ったが、録音された音声でアンコールを求める声があがり、実質的なアンコールに突入した。

壮大な「THE ONE」に続いてラストの「Road of Resistance」。冒頭で離れた場所からBABYMETALフラッグを振っていた3人がセンターステージに集結し力強くメッセージを届ける姿を見て、胸には熱いものが込み上げてきた。

恒例の"We’re BABYMETAL!"のコール&レスポンスも以前に録音されたものが流れたが、観客は思わず普通に声を出してしまっていた感じがした。SU-METALが銅鑼を打ち鳴らし、場内が一気に暗転したところでライブ終了。18:27だった。

BABYMETALは配信ライブをやっていないグループだが、オンラインでは伝わらない、現場でないと味わえない要素を意識的に取り入れてきた印象がある。今回は演出面が非常に凝っていて、生のライブへの意地と執念をこれでもかというほど感じた。特にスモークやレーザーによってステージが覆われるように隠され、SU-METALが一人雲の上に浮いたかのような演出は見事という他なかった。

また全編通しておびただしい量の炎があがり、こちらにもしっかりとその熱さが伝わってきた。元々着用していたマスクの上に配られたSavior Maskをつけなくてはならないという条件も相まって、2月なのにTシャツでも汗をかくほどだった。

強いて言えば、チケット代は非常に高かった。90分足らずのライブがマスク付きで¥15,000。12月のあいみょんのライブは半分の価格で曲数も倍だったのを考えると、あまり良い言い方ではないがコスパは悪い。

しかし、満足度は非常に高い。ライブに飢えていたのもあると思うが、声を出せないなど制約の多い状態でも熱気を十分に感じられる仕掛けになっていたからだ。この状況でもわざわざライブに足を運ぶという事は、配信ライブでは味わえない部分を楽しみたいという気持ちが強いわけで、五感を刺激する演出の数々はそれを見事に満たしていた。

また10周年らしいベストなセットリストで、初期曲が多めだったのがたまらなかった。10周年おめでとう、そして続けてくれてありがとう!

BABYMETAL DEATH(CDと異なるver.)
イジメ、ダメ、ゼッタイ
ギミチョコ!!
ド・キ・ド・キ⭐︎モーニング
おねだり大作戦/MOAMETAL with キッズダンサー4人
紅月 -アカツキ-/SU-METAL with サポートダンサー2人
Distortion
PA PA YA!!
メギツネ
KARATE
ヘドバンギャー!!
THE ONE
Road of Resistance

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