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実録・コロナ禍フェスレポート[VIVA LA ROCK編]

5月3日、コロナ禍以降で初めてフェスに行ってきました!

最後にフェスに行ったのは2019年12月30日、CDJ19/20の3日目のこと。コロナのコの字も出てない頃でした。まさか2020年のフェスがあれだけの壊滅状態になってしまうとは誰も思っていないという、ホントに今思えば気楽なもんです。

2020年の大型フェスで実際に開催されたのはRUSH BALLやニューアコぐらいのもので、それらに参加できなかった身としては1年4ヶ月振りでした。年末のCDJ20/21のチケットを持っていたのに結局中止になって、ここまでズルズルきて延びてしまったというのもあります。

そもそも今回だって相当怪しかったわけで、3度目の緊急事態宣言やアラバキの急遽中止で、もはやここまでかという空気もありました。ビバラは自治体から開催を取り止めるようなメッセージが出なかったから何とか開催できたものの、世論の反発は少なくなく強行と思われているのが現状でしょう。JAPAN JAMの炎上ぶりも相当でした。

今回は今後のためにも、コロナ禍におけるフェスがどういうものだったのかを記録しておきます。

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さいたまスーパーアリーナに到着!!今回は主催者から分散入場のお願いがあり、チケットについているアルファベット毎に時間が決まっていました。

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と言っても、規定の時間に遅れても入る事はできます。また自分のようにスマチケの人にはそもそもアルファベットがありませんでした。

入る前に、まず場外のグッズ売り場をチェックします。今回、開演前のアーティストグッズ販売に制限がありました。

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上の画像のような無料の物販整理券をイープラスでゲットしてからでないと、販売ブースには入れないという仕組みでした。

開場~開演までの2時間が8:30~9:00(Aグループ)/9:00~9:30(Bグループ)/9:30~10:00(Cグループ)/10:00~10:30(Dグループ)という4つに区切られていて、指定された時間帯でないと入れません。

これ、先着順ながら当日でも申し込めました。難点としては整理券がアーティスト毎に発行されているため、フェスだし興味本位で何を売ってるのか色々見てみたいんだけど...というのができない事でしょうか。とにかく密を避けるのが目的なので致し方ないです。ちなみに10:30以降は整理券なしでどの売り場にも行く事ができました。

こちらではライブに行く機会がなかったため長らく買っていなかった、レキシの光るINAHOを購入。

そして入場口。消毒&検温の後、COCOAアプリ→公式アプリの本人確認→チケット(紙orスマチケ)確認のトリプルチェックがありました。
更に荷物検査もありますが、そんなに厳しくはありません。(軽くカバン触って、お酒とか持ってきてませんか?的な)

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今年は再入場の際も、専用レーンで再びチェックを受けないといけない仕組み。よってリストバンドがありません。リストバンドがないフェスなんて初めてかも知れないですね。

最後に入り口で黄緑色のマスクが配られました。各日色が違い、初日から黄色、青、黄緑、赤、紫の順だったようです。スマイルのマークが大きくついていて、強制ではないものの自分がつけてきたマスクの上から着用する事を推奨されてました。2重マスクですね。

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いよいよアリーナへ。アリーナ前方に2つステージがあり、上の画像でいうとVIVA LA ROCKと書いてある真ん中のビジョンの右手がULTRA STAGE、左手がGREAT STAGEです。交互にライブが行われます。

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前方のスタンディングエリアはアーティスト毎に事前抽選&指定位置なので、当選していない人は入れません。


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アリーナの真ん中~後方とスタンド椅子席は自由席で、ソーシャルディスタンスにより1席ずつ空けられていました。ちなみに座れない座席には出演アーティストからのメッセージ入りの紙が。これ、結構なバリエーションがありました。

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ライブの観やすさにこだわらないのならとにかく空いた席がいっぱいあって快適なんですが、交互でライブが行われると言う性質上、ずっと神席というのは無理です。一応のコツとしてはアリーナ自由席のなるべく真ん中の方にいると、動かずして両方のステージがそこそこ見えます。

ちなみに後方には美腹神社なるものが。

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お賽銭はライブエンタメ従事者を支援するために使われるとのこと。

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そして今回、座席に荷物を置いての場所取りは厳しく禁止されていました。初日に多発していたのがTwitterでも多数報告されていて、放置された荷物は回収するなどの措置をとっていたようです。

一旦トイレに行くとか食事に行くとか、単なる場所取り以外にも席を離れる致し方ない理由はありますが、とにかく「席を離れる際は荷物を持って出る」が鉄則となりました。僕も座ろうとしたら同行者のために席を確保している人に断られた事が朝1度だけありましたが、それ以降そのような事態には遭遇していません。おかげで同行者と離れて観るケースもちらほらあったようです。

いよいよ本編がスタート。前説では鹿野さんが黄緑色のマスクに必勝と書かれたハチマキを着用し、丁寧丁寧丁寧~にガイドラインを説明。音楽の鳴る現場を守るために矢面に立ってくれた事には感謝です。

ライブはULTRA STAGEとGREAT STAGEのアクトを全て観ました。本当はCAVE STAGEというライブハウスのような小規模ステージもあるのですが、入場規制が多発していた事もあり最初から諦めました。

ULTRA STAGE一発目はthe telephones。石毛さんは「こんな事言ったらカッコ悪いかも知れないけど、ロックは反抗じゃなくてみんなを守るためのもの」と語り、余裕のある人はライブハウスに行ってほしいと伝えていて、それはそれは切実な叫びでした。

Base Ball Bearの小出さんも文化芸術の現状について、水に例えるなら2019年までは飲み放題でいくらでもジャバジャバ浴びてたのが、砂漠で朝露を舐めるような感じになってしまった、という話をしてました。辛い。

2つのステージを観たところで、お昼ご飯へ。

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今回、400レベル(=4F)がぐるっと1周フードエリアになっていました。食事は200レベル(=2F)で買って、ここに持ち込みます。とにかく壁に向かって黙って食べるのがルールです。

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なお、アリーナ内でもスタンディングエリア以外は飲食が可能。(※汁物除く)  食事をしたい時間というのは誰しも得てしてかぶるものなので、密を避ける事を考えた結果このようなガイドラインになったそうです。

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アリーナに戻るとXIIXのライブの後、初出演の大宮セブンが。埼玉繋がりでビバラに出る事になったわけですが、2月のアメトーーク効果もあったのかここからかなり観客が増えました。

すゑひろがりず、タモンズ、囲碁将棋、GAG、ジェラードン、マヂカルラブリーの順にネタを披露。声出し禁止のはずがみんな声出して笑ってしまっていて、考えてみたら声出し禁止のフェスと観客を笑わせたい芸人の相性ってどうなんだろうとは思いましたが。

ちなみにGAGにはthe telephones、ジェラードンにはピエール中野、マヂカルラブリーにはCreepy Nutsが予告無しのサプライズ登場。マヂラブはM-1でお馴染みの電車ネタで、R-指定が野田同様に激しく揺れ、逆に松永は全く動じないという流れになってました。

ちなみにすゑひろがりずはスーパーマリオのネタのほか、出演者の名を古風に言って爆笑をさらってました。ORANGE RANGEは「みかんあたため」、the telephonesは「電報」、Creepy Nutsは「栗豆」、レキシは「歴史」、Awesome City Clubは「やんごとなき都一座」だそうです。

旬だけあって流石の大入りのAwesome City Clubは、サポートメンバーを入れて8人の大所帯編成でした。終盤、新曲「またたき」を披露した後のことなんですが、atagiさんが最後の曲を紹介する際、再び「またたき」と言ってしまうという痛恨のミスが。「あの曲やるかなと思って来てくれた人もいると思うんですけど、まさかの2曲連続新曲」「今夜だけ間違いじゃない事にして」と釈明してました。危うく「勿忘」をスルーして終わるところだった...!

アグレッシブなロックモードでセットリストを構成したスガシカオは、ラストに「Progress」を歌唱。この曲、色んなフェスで観ているはずなんですが、"あと一歩だけ前に進もう"というフレーズがこんなに切実に響いた日はなかったんじゃないかという気がします。

序盤からアンセムを連打したCreepy Nutsは、中盤で「日曜日よりの使者」を披露。この曲は4年前のVIVA LA J-ROCK ANTHEMSをきっかけに正式なレパートリーになったという経緯があり、レコーディングにもアンセムズメンバーが参加しているため、津野米咲の音も入っているという話に思わずしんみりしてしまいました。

光る稲穂が迎える中、レキシのライブは「きらきら武士」からスタート。稲穂が活躍するのは3曲目の「狩りから稲作へ」のはずが1曲目から全力で振る観客達に「早い!」とツッコみつつ、「他のアーティストの時に振らない!藤井君の時に振ったら"その稲穂何なんw"とか言われちゃうから!」とネタにする池ちゃん、流石でした。

スガシカオ繋がりから"あれから僕たちは稲穂を信じてこれたかなあ"と「夜空ノムコウ」へ突入した際にはちゃんと許可を取ってる旨をバラしつつ、"ダイナマイトな稲穂でもいいんじゃない~"、"青い稲穂が僕を責める~"とSMAP攻勢。

ラストの「KMTR645」では感染防止により投げ込めなくなったイルカ浮き輪の代わりに、イルカ人間・吉尾太郎が登場し、池ちゃんの隣でダンスしてました。今回が初登場という事で、今後はこの方法でいくようです。

2年前のCAVE STAGEから一気に飛躍しメインステージに登場した藤井風は、リハで「もうええわ」「へでもねーよ」を歌唱した段階からその姿を一目見ようとオペラグラスを使う人が急増。結局姿は見えなかったものの、本当に一挙手一投足に注目が集まっているという感じでした。

「藤井風と申します。この後はよろしゅうお願い申し上げます。それじゃ。」とあのゆったりした口調で言った後、本編1曲目「優しさ」の冒頭で早くも拍手。デビュー1年の新人とは思えない風格と神々しさに、みんながありがたいものを見つめるような目で観ていたのが印象的でした。

「キリがないから」ではPVに出てくるアンドロイドのダンサーが登場、新曲「きらり」初披露など終始見所が尽きなかったうえ、ギターは初参加となるSuchmos・TAIKINGというサプライズも。終盤「次の曲が最後かも知れない」と意味深なコメントを残し「帰ろう」でキレイに終わったと思いきやラストに「青春病」を投下して、これがまた素晴らしかったです。

トリはORANGE RANGE。2021年の旬の顔が多いラインナップの中でなぜ今オレンジレンジがヘッドライナーになったのかは不明ですが、デビューからの4年ほどの間に大量のヒット曲を持っているだけあって、その貯金が今も相当効いてました。

その反面、新曲の反応との落差が如実だったのは否めず、盛り上がる曲というのは結局理屈じゃなくて、良くも悪くもみんなが知っている曲だというのがよく分かります。アンコールの「上海ハニー」ではみんなでカチャーシーを踊ってフィニッシュ。20時前には終わりました。

総じて言うと、感染防止対策はちゃんとされていました

ただ、各ライブ後の移動で密になりやすい傾向はありました。みんな限られた時間の中で目的の場所に向かうため、どうしてもそのタイミングがかぶってしまうのは当然のこと。

客席ではディスタンスが保たれていても通路にどっと人が押し寄せると観客同士の距離が近くなるため、導線が一方通行になるようにして人と人がすれ違う状況を防ぐようにはしていたのはよかったと思います。

あと今回、音楽が一人のものに戻った感じがしました。ロックって孤独を埋めたり鬱屈とした気持ちに寄り添ってくれたりもするのに、フェス全盛時代になってからみんなで盛り上がろうという風潮が過剰になり過ぎたのではと以前から思っていました。それ自体が悪いという訳でなく「一体感」とか「全員で」という価値観の裏でこぼれ落ちるものが見過ごされてきたというんでしょうか。

その点、今回は声出しや飲酒の禁止などによって自分対音楽という一対一で対峙する感覚がありました。これまでで最もぼっち参加の肩身が狭くないフェスだったとも言えます。制限には不便な点もありましたが、フェスで本当に必要なのは何なのかを確かめられた事は、きっとこの先にも繋がっていくんだろうなと思いました。

the telephones
01. Here We Go
02. Monkey Disooooooo
03. Baby,Baby,Baby
04. Caribbean
05. HABANERO
06. Do the DISCO
07. Love&DISCO

Base Ball Bear
リハ:すべては君のせいで
01. 17才
02. shorthair
03. SYUUU
04. changes
05. Stairway Generation
06. BREEEEZE GIRL

XIIX
01. Halloween Knight
02. LIFE IS MUSIC!!!!!
03. Stay Mellow
04. おもちゃの街
05. Answer5
06. アカシ
07. ユースレス・シンフォニー

大宮セブン
01. すゑひろがりず
02. タモンズ
03. 囲碁将棋
04. GAG×the telephones
05. ジェラードン×ピエール中野(凛として時雨)
06. マヂカルラブリー×Creepy Nuts

Awesome City Club
リハ:アウトサイダー
01. ceremony
02. Sing out loud, Bring it on down
03. Don't Think, Feel
04. 今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる
05. またたき
06. 勿忘

スガシカオ
01. FUNKAHOLiC
02. 俺たちファンクファイヤー
03. 愛と幻想のレスポール
04. NOBODY KNOWS
05. 性的敗北
06. 午後のパレード
07. Progress

Creepy Nuts
01. 板の上の魔物
02. よふかしのうた
03. 合法的トビ方ノススメ
04. 顔役
05. 日曜日よりの使者
06. かつて天才だった俺たちへ
07. バレる!

レキシ
01. きらきら武士
02. ギガアイシテル
03. 狩りから稲作へ
04. KMTR645

藤井風
リハ:もうええわ/へでもねーよ
01. 優しさ
02. キリがないから
03. きらり
04. 何なんw
05. 旅路
06. さよならべいべ
07. 帰ろう
08. 青春病

ORANGE RANGE
01. KONOHOSHI
02. 以心電信
03. ロコローション
04. Imagine
05. ビバ★ロック
06. 靁 the Party
07. イケナイ太陽
08. キリキリマイ
En. 上海ハニー

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