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ただ思い出すことがいっぱいあるだけ 【詩】


芋虫と青空の関係について
私たちはずっと違う話しをしていた。
すべての時計が狂っていることは気にすらしなかったけど
真実よりも素敵な予感のほうがいつも早かったから
君は今日という日を忘れないと私に言葉を投げかけた。
天使たちはフリーフォールをしながら地球をさかさまに眺めていたけど
私たちは地平線のこちら側で輝く世界の一部となっていた。
カモメが翼を広げた朝のなかにいて
君にはまぶしい海がまだ見えていた。
二人の自由を合わせたら見える景色は一つになった。
私たちには忘れてしまったことなど何もない。
ただ思い出すことがいっぱいあるだけ。
まったく違う星に生まれてもきっと笑っていることとか
口にする言葉はどれも本当になったこととか
いろんな後悔をするたくさんの人達のなかに私たちはいないこととか。


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