月ノ輪

そのかせもの、かだ者にして渇命(かつめい)なり

しかしてその者才(かど)めくものあり

魑魅(すだま)を蹴散らし幽(かす)かき者を露へと消し去る

彼の力人々は畏(かしこ)まりそれがまた彼を片敷きとさせる事となる

ある時右を向けば糟尾(かすお)の堅むくろ

左を見ればすきがましの男あり

それをあしらう佳麗な狐がごとき女子あり

その女子、誰にも見えぬ九尾を光らせ、芍薬のもと、鉦(かね)叩きをしていた。女子が鉦叩きとは珍しいと、人の目によく留まっていたが、その異形さに気付くは、かせもののみ

女子の唱く経文背筋が伸びるがごとく美しく、よく通る高い声である。

嘉辰令月にしてもののけはおとなしく

八十神(やそかみ)は大いに祝いてこの日を喜ばん

〈注訳〉
かせもの…平侍。稼ぎが少なく走り使いなど雑役する

かだ者…なまけもの、横着者

渇命…餓えや乾きのために命が危なくなること

才めく…才能がある

魑魅…ちみ

片敷き…片袖だけ下にひくこと、一人で寂しく寝る

糟尾…ごま塩頭

堅むくろ…一徹なこと。偏屈

すきがまし…色事が好きな女に手が早い

鉦叩き…経文をといてものをもらうひと

嘉辰令月…めでたい月めでたい日

サポートまでしてくれたら…しょうがない、隠れないで出て来てあげる!君が私を変えたんだよ…? 家からでて活動費にするよ…君が一緒だと思えば? なんとなく勇気でるし…頑張れるよ♥️