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天命を生きる 理由なき幸せ

結婚したい、持ち家が欲しい、健康になりたい、志望校に合格したい、有名になりたい、世間の皆様にホメられて自己承認欲求を満たしたい、オリンピックで金メダルを取りたい・・・人それぞれ抱えている望みは違いますが、本来の究極的な目標は一つしかありません。

それは「幸せになりたい」です。

それ以外の望みはすべて「幸せになるために、その人が必要だと思い込んでいる外的な条件」でしかないんです。

試しに、病気療養中の人にこんな質問して見ると分かりやすいと思いますよ。

「あなたはどうしてその病気を治したいんですか?」

最初は「誰だって病気は治したいに決まってるじゃないですかっ!」と怒られると思いますが、そこで怯まずに「一般論ではなく、あなた個人がどうして病気を治したいと思っているかを教えて欲しいんです」と食い下がってください。

すると「もし病気が良くなれば、仕事に復帰することができて、もっとお金を稼げるようになるからです」なんて一応は答えてくれるでしょう。

相手がこの話に乗ってきたらさらに続けて「なぜ、なぜ?」と突っ込んだ質問を繰り返してください。

「なぜもっとお金を稼ぎたいのですか?」

「それは自分の息子をいい大学に入れたいからです」

「なぜ息子さんをいい大学に入れたいんですか?」

「だって、いい大学に入れば将来的な成功への助けになるじゃないですか」

「なぜ息子さんを社会的に成功させたいんですか?」

「それは・・・息子が喜ぶ顔を見ることで、私が幸せを感じるからです」

このような「なぜなぜゲーム」をすると、どんな目標を持っている人でも最終的に必ず「私自身が幸せになりたいからだ」という結論に達します。確率的にはほぼ100パーセントですので、友達を相手に試してみてくださいね。

これは占いの現場やコーチングなどでもよく使われる「鉄板の質問」ですので、間違いなく全員が「同じ最終ゴール」にたどり着きますよ。

たとえマザー・テレサのように自己犠牲的な奉仕をした偉人であっても、「他人を助けることで神様に認められ、自分自身が幸せを感じていたいから」という事実に違いはありませんし、某女優さんがSNSで毎日「不幸自慢」を繰り返しているのも、それによって世間から注目されることが「彼女にとっての一番の幸せ」だからなのです。

この女優さんは拒食症でガリガリに痩せてしまった自分の写真をインスタグラムに頻繁にアップしていますが、その写真をよく見ると、ほとんどが「満面の笑み」なのです。恐ろしい話ですが、彼女は不健康な自分の姿を人に見せることに「快感」を感じている可能性があるんですね。

応援のコメントが入ればダイレクトに自己承認欲求が満たされますし、批判的なコメントが来れば「私は世間の無理解の被害者だ」としてまた不幸自慢のネタが手に入ります。

どちらもしても彼女は「幸せになるために、私は不幸であり続けなければならない」と思い込んでいるのです。すごい自己矛盾ではないでしょうか?

薬物依存、SNS依存、アルコール中毒・・・客観的に見ればどれも「不幸の原因」にしかならない最悪な趣味ですが、当事者にとってみれば「ほんのちょっとだけ幸せな気分に浸れる最後の切り札」なのです。

不倫する女性だって、それが「道徳的にマズいこと」であることは充分に理解しています。それでも「君を愛している、君が必要なんだ」と言われるのが快感だからこそ、既婚男性との関係がズルズルと続いてしまうのです。たとえ相手の言葉が「嘘だ」と薄々気がついていても・・・です。

だから、彼女たちをどんなに𠮟りつけたとしてもその手段を手放すはずがありません。なぜなら、それ以外に「自分を幸せにする方法」を知らないからです。

幸福はすべての人の最終的な目標です。それにもかかわらず、ほとんどの人は「直接的な幸せ」ではなく、外的な条件による「間接的な幸せ」しか求めていません。これこそが世の中に「本当に幸福な人」が少ない理由なんですね。

たとえば「お金さえあれば幸せになれる」「歌手デビューできればきっと私は幸せだ」「若くてキレイな女性と結婚出来れば毎日がハッピーに違いない」・・・まぁ、普通の人の望みはこんなところでしょうかね(笑)。

ところが、それを実際に手に入れた人は必ずしも幸せになってはいないという事実があります。

世界で最も成功したエンターティナーとしてギネスブックに掲載されているのは故マイケル・ジャクソンですが、彼は大きなコンサートの前にはいつも「致命的な失敗をするのではないか?世間の批判に晒されるのではないか?今の地位を失うんではないか?」という漠然とした不安に駆られて重度の不眠症にかかり、主治医に「全身麻酔をかけてもいいから、どうにか僕を眠られてくれっ!」と懇願するほど苦しんでいたそうです。

マイケルの直接の死因は睡眠導入薬の過剰投与によるものですが、それぐらい彼は「ただただ眠りたかった」のです。

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