ピンチをチャンスに~ピアニスト・石井琢磨さん~

2020年3月、コロナ禍と共にYoutubeを始めた
クラシック・ピアニストの石井琢磨さん
あれよあれよと人気に火がついて
「ららら・クラシック」の2021年人気投票「あなたの好きな日本人ピアニスト・ベスト3」の総合投票数で第8位
「1番」に記入されたピアニストランキングでは堂々の第5位
前回2019年開催時の圏外からの大躍進です
5位、十分に凄いのですが
何が凄いって「クラシックの」ピアニストで見れば実質1位であること

8月にホテルで開催されるリサイタルのチケットは実質1秒で完売
キャパ200人のリサイタルのチケットは
ネット販売開始と同時にアクセス集中でサーバーダウン

彼についているファンは
今までのクラシック・ファンとは異次元のレベルの熱量で
クラシック業界が騒然としてるんじゃないかと思うほどです

彼がクラシック業界にもたらした新しい風
それは、彼自身が言う
「クラシックをもっと身近に感じて欲しい」を実現したから

でも、それは素敵な映像や親しみやすい曲目を紹介したからではなくて
彼が本当に成し遂げたのは「クラシック・ピアニストを身近に」したこと

クラシック音楽って、なんだかお上品で難しくて
なんの知識もない自分がうっかり足を踏み入れたりしたら
周りのお上品な方々に白い目で見られたり
下手したら馬鹿にされそうで不安になりません?

そんな世界で生きているピアニストさんなんて品性と知性の塊で
冗談なんて言おうものなら、もうどんな冷たい目線が飛んでくるか・・・
「今日は良いお天気ですね」の次の会話が見つからないレベルの恐怖

だったはずなのに・・・

この石井琢磨さんは「初めて聴く曲です」というファンの言葉を
とても喜んでくれます
彼が思うクラシックの素敵な曲を紹介できたことが
きっと本当に嬉しいんでしょうね
「知らない」「わからない」を恥ずかしく思わなくていいこの安心感
「素敵な曲だな~」それだけでいいハードルの低さ

そして彼の一番凄いところは、類まれなる愛すべき人間性
Youtube動画から溢れ出す天真爛漫さと無邪気さとポンコツ感
お菓子の食レポはいつも味が迷宮入りして
ライブ配信をすれば「ファンの皆さんに支えて欲しい」
リサイタルの曲決めでは「ファンの皆さんに絡んで欲しい」

素晴らしい演奏をするピアニストさん達は
音楽を良くわかっている人たちに囲まれて違う世界で生きている方々だから
私なんかが応援しなくても大丈夫
むしろ余計なお世話で有難迷惑になりかねない・・・と
遠巻きに見ているのが正解だと思っていましたが

彼に限っては、可愛くて人懐っこくて分け隔てなくて
こんな私の応援も必要みたい
嬉しいみたい
喜んでくれるみたい
と思わせてくれます

正直、上手なピアニストさんの演奏を聴き比べて
誰の演奏か当てられる人はほぼいないでしょうから
じゃあ誰のリサイタル行きたい?誰のファン?ってなったら
その判断基準のひとつが人間性になるのは否めません

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