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|short story|はじまりの雲


曇り空の下、不安げな旅人に森の仔鹿は言った。


「おわりゆくことの雲は消えてゆく水」


「はじまりゆくことの雲はやってくる風」


旅人は空を見上げ、たくさんの雲を見つめる。


きっとはじまりの雲を見つけたのだろう、彼はまた歩き出した。

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