自分の性別がわからないというお話

アンケートなどで性別を聞かれるとき、最近は男女の他にその他を選べることが増えてきましたね。
タイトルの通り、ぼくは自分の性別がわかりません。でも、性別を答える時にはいつも女性に丸をつけます。
胸を張って男でも女でもありませんと言える自信がないのです。体の性は女性なので、とりあえず女性に丸をしておけば間違いはありません。

ぼくは解離性同一性障害で同じこの体の中にいろいろな人格がいるのでクローゼットの中身も女の子らしい服から男の子らしい服まで揃っています。
でもそれはそれとして、ぼくという主人格(解離性同一性障害の人格のうちメインで生活を担う人格のこと)は、女の子らしい服も男の子らしい服も身につけます。
強いて言うと、「女の子らしい服装をするとスイッチが入る感じがして、男の子らしい服装をするとしっくりくる」という感覚で服を身につけています。どちらを着ても違和感はありません。
外に出る時はメイクをしていることが多いけれど、これは社会的なマナーを加味してのことで、あまりこだわりはありません。

時々自分の性別がわからないことですごく宙ぶらりんな気持ちになります。
男性ではない気がするけれど女性であるとも言いきれない。かといって中性かと言われるとそれも違う気がする。
男の子のことも女の子のこともどんなセクシャリティーでも(性愛的な意味でも恋愛的な意味でも)好きになったらその人のことが好きになるし、一体自分は何なんだ。

そんな時にぼくはXジェンダー、パンセクシュアルという言葉に出会いました。これがぼくだ、と言うにはまだ迷いがあるけれど、それでもぼくはこんな枠組みを提示されたことに少なからずほっとしました。

Xジェンダーとは、男女のいずれか一方の立場に限定しない性別の立場をとる人のこと。中性や、両性、無性、性別の枠組みから脱するというあり方、女性か男性か定まりきらない流動的であるというあり方などがある。
パンセクシュアル(全性愛者)とは、男性ないし女性等の性の分類に適合しない人々も含め、あらゆる人々に恋をしたり、性的願望を抱いたりするという性質をもつ人のこと。

先日、#TRP2020、#おうちでプライドのハッシュタグで今年の東京レインボープライドが開催されましたね。

東京レインボープライドとは、「LGBT、いわゆる性的少数者が、差別や偏見にさらされず、前向きに生活できる社会の実現」を目指した団体、およびイベントの総称のこと。

今年、ぼくはこのハッシュタグで「自分の性別がわからなくたっていいじゃないか」とつぶやきました。
本当は、自分の性別がわからないのは全然良くないんです。宙ぶらりんな気持ちを持て余してしまうし、(現在ぼくが交際しているのは身体の性と心の性が一致した男性だけれど)女の子を好きになったら周りからみたら「変な」ことなのかもしれない。今たまたまマイノリティーさがぱっと見カモフラージュされているだけでいつ差別を受けるかわからない。
だから、ありのままの自分を表現できるレインボープライドという空間は、まだ「特別」なものでしかないんです。

まずは、これからの社会が少しずつ自分の困難さを表現して表明できる場所になっていくことを願います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?