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好きなもの:ファンタジー、神話、中国神怪小説、鉱物、工芸、神社神殿、植物、風景、旅行。…

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好きなもの:ファンタジー、神話、中国神怪小説、鉱物、工芸、神社神殿、植物、風景、旅行。集めるとアイテムと世界に行きつくらしい。気が向くと何か始めます。著書:集英社文庫版『封神演義』(編訳)他。Amazon著者ページ https://amzn.to/2XU7wyJ

マガジン

  • 絵解き東遊記まとめ

    八仙の物語『東遊記』を読みやすくまとめた、「絵解き東遊記」をひとつにまとめてみました。李鉄拐、鍾離権(漢鍾離)、 呂洞賓、張果老、藍采和、何仙姑、韓湘子、曹国舅の八仙それぞれの物語に他の神仙もからみ、龍王との戦いが天界を巻き込む大騒ぎに…… 是非どうぞ。

最近の記事

『山海経』の九尾の狐は人を食べるの?

 ささやかな疑問点ですが、気になったので書き留めておきます。 『山海経』の南山経には、九尾狐についての記述があります。  赤子のような声で鳴き、人を食べるとされていることが多いようです。  しかし、本当に九尾狐は人を食べることになっているのでしょうか?  原文を見ると、     状狐而九尾即九尾狐   其音如嬰児能食人食者不蠱噉其肉令人不逢妖邪之氣或曰蠱蠱毒 となっています。  其音如嬰児 までは意見が異なることはないでしょうが、 1)能食人 食者不蠱 2)

    • 『仙侠五花剣』

       神怪小説の源流のひとつに、『剣侠伝』などの唐代伝奇があります。  市井の人が、実は特異な能力を持った侠客で、人を助けたり、暗殺したり、ということが多いのですが、この侠客が剣の道を究め、道を極めた仙人「剣仙」になって、再び人界に下って弟子を見つけ、剣技を伝えるという、現代のラノベでもありそうな設定の神怪小説が、清代後期に書かれた全三十回の章回小説『仙侠五花剣』です。  レトロ、モダン上海で書かれたこの『仙侠五花剣』は新聞に連載され、好評を博して舞台化もされました。 「花

      • 東遊記翻訳まとめ

         よく知られている「西遊記」のほかに、「東遊記」「南遊記」「北遊記」というのもあって、まとめて「四遊記」と呼ばれることもあります。  今回は、そのうちの「東遊記」の日本語翻訳出版された本についてです。 「東遊記」は、中国の明代の作品で、作者は呉元泰。編集者でもあり、版元・出版者でもあった余象斗が、「西遊記」が売れたからと、別の作品であった、「東遊記」「南遊記」「北遊記」と一緒にまとめて「四遊記」として売り出したことがあります。  日本語への翻訳は、明治17年発行の根村熊

        • 絵解き東遊記Kindle版のお知らせ

           noteで連載した「絵解き東遊記」ですが、このたび、Kindle版にまとめました。  画像を高解像度にし、描写を追加するなどしてあります。  2019年7月5日発売。 Amazon でチェック! https://amzn.to/2KPtz78  白牡丹部分などの関係でアダルト扱いになりますのでご注意ください。よろしくお願い致します。

        『山海経』の九尾の狐は人を食べるの?

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        • 絵解き東遊記まとめ
          10本

        記事

          絵解き東遊記(9)

          ■絵解き東遊記 その22 八仙、天軍と戦う 玉帝は、趙元帥に八仙討伐を命じる。  龍華会で宴会をしていた八仙のところに天兵を率いた趙元帥が到着し、大乱戦となる。  趙元帥との戦いの最中、鐘離権が乗っていた馬が倒れて鐘離権が落馬、これにとどめを刺そうとした趙元帥は、鐘離権を救いに来た李鉄拐の一撃を受けて武器を取り落とし、天兵は逃げ帰る。 ■絵解き東遊記 その23 孫悟空の参戦  明日には再び天兵が来るだろうからと、八仙が仙人仲間に声をかけると、いあわせた斉天大聖(孫悟空)が大

          絵解き東遊記(9)

          絵解き東遊記(8)

          ■絵解き東遊記 その20 八仙、東海を渡る  海辺に着くと、呂洞賓が、せっかくだから雲に乗って行くのではなく、各々の神通力を使って海を渡ろうと言いだし、みなも賛成する。  李鉄拐は鉄の杖を水に投げて、その上に飛び乗る。鐘離権は払子、張果老は紙のロバ、呂洞賓は瓢箪、韓湘子は花かご、何仙姑は竹ざる、曹国舅は犀帯(サイの角の飾りのある革帯)、藍采和は玉板。  藍采和が玉板の上に立って海を渡っていると、その白い光が龍王の住む竜宮にまで届いた。  龍王の太子は、この玉板がうらやまし

          絵解き東遊記(8)

          絵解き東遊記(7)

          ■絵解き東遊記 その17 天門陣と楊家将 九龍谷の陣を視察した宋軍は、見たことのない陣立てに驚き、楊六郎を呼び出す。  楊家の将軍は、楊家将として知られている。父の楊業はすでに亡くなっているが、妻の令婆、息子の六郎らが、宋のために尽力していた。  呼び出されたものの、楊六郎にも、さらには楊令婆にも、陣の秘密がわからない。困っていると、六郎の息子で、十四歳の楊宗保が、この陣を知っていると言い出す。  楊六郎は取り合わなかったが、祖母の楊令婆が話を聞くと、楊宗保は、陣立てについ

          絵解き東遊記(7)

          絵解き東遊記(6)

          ■絵解き東遊記 その14 韓湘子と韓愈  韓湘子は、字を清夫といい、唐の韓文公(韓愈)の甥である。生まれつき気ままで、華やかなことを嫌い、淡泊で物静かだった。美女にも美酒佳肴にも溺れず修煉にはげんだ。  韓文公は、つねづね、韓湘子に勉学に励むように言っていたが、韓湘子は違う勉強がしたいと言って家を出て、師匠を求め、純陽(呂洞賓)、雲房(鐘離権)と出会って、道を伝えられた。  後、仙桃が紅く実っているのを見て、木によじ登って採っていたところ、枝が折れて木から落ち、体は死んだのだ

          絵解き東遊記(6)

          絵解き東遊記(5)

          ■絵解き東遊記 その12 呂洞賓と雲房先生 洞賓は、姓を呂、名を厳、純陽子と号した。東華真君の生まれ変わりである。東華真君が鐘離権を仙人にしたときに、うっかり、「仙人になれたら弟子になってやる」と言ったために、世に降って鐘離権を師としなければならなくなった。  一説には、華陽真人の生まれ変わりなので、頭に華陽巾をつけるのを好むのだとも言う。  呂洞賓は唐の蒲州永楽県の人で、祖父の渭は礼部侍郎、父の誼は海州の刺史。貞元十四年(七九八年)四月十四日の巳の時に生まれた。母が懐妊して

          絵解き東遊記(5)

          絵解き東遊記(4)

          ■絵解き東遊記 その7 鍾離権、道を志す さて、鍾離権はもともと上界の仙人が罰として下界に下ったもので、そろそろ再び上界に戻るころであった。  空を飛んで通りかかった李鉄拐は、このまま吐蕃軍に大勝利したら、鍾離権は爵位を得て富貴に溺れ、仙界に戻れなくなってしまうだろうと考えた。  そこで、李鉄拐は老人の姿になり、吐蕃軍を訪れた。  粘不聿は敗残し、八、九割もの兵を失っていた。李鉄拐は、今夜、漢軍に災いがあるから夜襲をかけるようにと告げて去る。  粘不聿は四万の兵で夜襲を準備

          絵解き東遊記(4)

          絵解き東遊記(3)

          ■絵解き東遊記 その5 李鉄拐と費長房 青牛を放した罪で下界に下った李鉄拐は、老人の姿になり、名を隠し、背にひとつの瓢箪を背負って、汝南市で薬を施していた。薬を飲んだ病人で効果がなかった者はない。  李鉄拐は店の前に壺をひとつ置いて、店じまいすると、その壺の中に跳び入るのだが、市井の人はだれもそれを見ることがなかった。  かつて市の下役人であった費長房が、これを見つけて酒と肉を捧げて拝礼すると、老人は、「明日、また来い」と言う。  翌日、再び訪れた費長房は、老人とともに壺の

          絵解き東遊記(3)

          絵解き東遊記(2)

          ■絵解き東遊記 その3 青牛、大暴れ 仙人となった鉄拐を、老君は宴を開いて歓迎する。  ある日、老君が出かけている時に、鉄拐は仙童たちと戯れて、老君の青牛に乗って遊ぼうということになる。ところが、鉄拐が綱を解いて青牛にまたがろうとすると、鉄拐の容貌に驚いて、青牛が逃げ出し、天空の彼方に行ってしまう。  あわてて追いかけたが、行方がわからない。  そこへ老君が帰り、騒いでいる訳を尋ねた。  話を聞いた老君は、あの青牛は以前、人間の世界に降り、さんざん災いを引き起こした。ようや

          絵解き東遊記(2)

          絵解き東遊記(1)

          ■絵解き東遊記 前書き『東遊記』とは、有名は八仙のことを描いた物語で、『東遊記上洞八仙伝』『八仙出処東遊記』などとも呼ばれる、明代の神怪小説です。明代の人で、多くの本の編集や出版にかかわった余象斗により、「四遊記」のひとつに入れられています。  このnoteでは、『新刊八仙出処東遊記』(国立公文書館蔵)のイラストを使って、『東遊記』のあらすじを紹介しようと思います。  八仙というのは、日本でいう七福神のような八人の福の神様です。  メンバーが入れ替わることもありましたが、

          絵解き東遊記(1)

          たくさんある神怪小説から、少し紹介

          明代三大神怪小説とは 明代の神怪小説には、四大奇書にも取り上げられている極めて有名な『西遊記』、そして、道教・民間信仰系の神々の物語として民間信仰・神像などの形象に影響を与えてきた、これも中華圏では誰もが知っている『封神演義』という二大作品があります。  しかし、取り上げるなら三つにしたほうがバランスがいいので、もうひとつを選ぶなら、だいぶ知名度も小説としての出来も落ちますが、『西洋記』(『三宝太監西洋記通俗演義』)を選ぶことができます。つまり、明代の三大神怪小説は、『西遊

          たくさんある神怪小説から、少し紹介

          神怪小説、神魔小説とは

          神怪小説、神魔小説とは 中国古典の神怪(神魔)小説というのは、中国古典小説のうち、主に明代・清代の古典小説で、神仙などが主題となっているもののことです。  魯迅が『中国小説史略』という本で、「神魔小説」という言葉を使って、初めて分類されました。その後、孫楷第が『中国通俗小説書目』で「明清小説部 霊怪」に分類しました。  神魔小説と呼ぶことも、神怪小説と呼ぶこともありますが、このノートでは神怪小説で統一させていただきます。 神怪小説のはしり『平妖伝』について  神怪小説の

          神怪小説、神魔小説とは

          noteを開始したわけ

          はじめまして。 今日は、noteを始めてみたわけの話です。 これまで、いくつか中国古典小説の翻訳をしてきました。 本になったものに、『封神演義』(集英社文庫版、上下二分冊、2017-2018)、『狐狸縁全伝』(翠琥出版、2017)などがあります。 先日、中国古典小説研究会の外部参加可能な例会があり、そこのトークセッションで、中国古典小説関連は、翻訳された情報が少ない、本という形でさえなくてもいいから、何か出しておいてほしいという話を聞き、そのときに、「noteでもいい

          noteを開始したわけ