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【石読み日記】 絶好調の極意

人生初のオーダーブレスレットを作った男性。

「気に入りました!」

と小気味良く答えて帰られた、あれは何ヶ月前だったか…
ゴムが切れて、石もいくつか無くなってしまったという。それなら新しい石を足して作り替えましょう、という事になった。


切れてしまったブレスレット。
石は綺麗だ。身に付けていた時期の感想を聞くと

「絶好調でした。不思議と上手くいく、というか…、運がいいというか…」

詳細は言わない、口が堅い人である。たぶん、良い営業マンなんだろう。切れてしまったブレスレットを作った時もそうだった。仕事上の事で心身共にお疲れの様子だったが、その原因は口にしない。愚痴も言わない。

それでも石は選べる。
体に聞けば、頭で考える以上の答えを出してくれる。

切れてしまったブレスレットのうち、1/3の石は無くなっていた。しかし、残った2/3は数ヶ月前に作った時と同じように輝いている。

ブレスレットを作った時の記録があったので確認した。

一呼吸置いて、地に足着けて言葉を出す
相手(若い人)がアプローチしてくるのを待つ

「ああ、そうです。一呼吸置くように気をつけました。今までは、言われたり聞かれたりするとすぐ返してたんですが、一呼吸して落ち着いてから言うようにしました。」

絶好調の理由はそれだろう。絶好調は呼吸が引き寄せている。
ならば、次のブレスレットは簡単だ。

絶好調を続けよう

他種の石は足さず、水晶だけを足すことにした。

「水晶、気に入ってるんです」

水晶は調和の石。頭や意識でその必要性を理解していなくてもいい。好きで、気に入っていればそれでいい。どうやら、無意識に必要な石が判っているようだ。

口が堅い人にアレコレ聞くのは慎むようにしているが、一つだけどうしても聞いておきたいことがあった。石はたぶん、そこに関係している…

これから先、やりたいことはありますか?

仕事に関しては口が堅くても、自分のこと、しかも将来のことなら少し位言っても構わないだろう。

「あと○年で定年退職なので〜 」

その先を聞いて納得した。
絶好調の理由は私の想像よりも深かった。この体験は、彼が退職した後にも必要なことだった。

やはり彼は、経験を積んだ営業マンだった。
信頼される営業マンに相応しい口の堅さに敬意を表し、詳しいことは書かないが、彼ならきっと、思い描いた夢を叶えるだろう。

実力でね

そう、石よりも確かな『自分の力』でね。


新しい目標は、他店で購入されたブレスレットのメンテナンスもできる店になること。商売的には難しいことですが、それがちょっとでも「山を守る」ことになれば…