2024年3月の記事一覧
うたの日に出した短歌57
3/22 題「籤」
一年中木陰の下にある神社 絶えず結ばれる御籤の紙
3/23 題「机」
デスクには人の個性が溢れてる モニター下に積んでいるグミ
3/24 題「僅」
ごく僅かな違いも取りこぼさぬようにサイゼのお子様メニューを見る
3/25 題「飾」
私の私による私のための誕生会の飾りつけ
3/26 題「堕」
健康で文化的かつ堕落した私の最低限度の生活
うたの日に出した短歌56
3/17 題「棚」
本棚を増築するスピードより本の増殖スピードが速い
3/18 題「塩」
彼の家では岩塩を岩として靴箱の上に飾っていた
3/19 題「スピンオフ」
私が主役のドラマがあるとしてスピンオフの方が数字取れる
3/20 題「飛」
飛脚らが3日掛けて走る距離を2時間で駆け抜ける新幹線
3/21 題「杭」
出る杭をただ打つだけのお仕事 月給手取りで27万
うたの日に出した短歌55
3/12 題「ボタン」
吹雪の中駅に入る赤い電車 乗り込むための黄色いボタン
3/13 題「地獄」
ここは地獄 ゆるやかな地獄 息が上手く吸えない人が集まるところ
3/14 題「波」
これまでの人生を波線で書く おそらく今が1番どん底
3/15 題「桜」
桜がすぐ散ってしまうのが嫌だから風神雷神を旅に行かせる
3/16 題「育」
1ミリも育つはずのない造花に毎日水をあげてる娘
うたの日に出した短歌54
3/7 題「イタリア」
「イタリアで美味いナポリタン食べたい」とあまりにキラキラした目で言うから
3/8 題「それ」
国道を1本脇にそれた先に見つけたやけに古びた祠
3/9 題「梅」
青梅をシロップにしてゴミ箱に増えるウィルキンソンのラベル
3/10 題「自由詠」
新宿から様々な場所へ向かう人 最後に行き着く終点は同じ
3/11 題「食」
大口で桜の花びら待ち受けてさくら餅との食べ比べする
うたの日に出した短歌53
3/2 題「充」
食べ切れない程の晩飯出すようにスマホを過充電する母
3/3 題「耳」
カフェにいる全員が耳をそば立てる絶対痩せる薬の話
3/4 題「いらっしゃい」
いらっしゃいようこそという看板に誘われ入る山猫軒
3/5 題「RE」
1人だとバレないように飲み物を3個頼んだUberEATS
3/6 題「戻」
貴方への気持ちは二度と戻らない 燃えないゴミとしてだす指輪
うたの日に出した短歌52
2/26 題「夜」
終電も去った街で車窓から探す闇夜の東京タワー
2/27 題「誰」
誰からも気づかれぬ小さな功績を見つけて褒めてあげる仕事
2/28 題「広」
大広場で寝っ転がって見上げた空で作った焼肉定食
2/29 題「閏日」
〆切が一日後ろに倒れてもギリギリまで寝かせるタスク
3/1 題「春」
冬なのにぽかぽか陽気が続いててお試し一週間分の春
うたの日に出した短歌50
2/16 題「あの」
あの頃の私が思い描いてた未来じゃないけど頑張ってるよ
2/17 題「葱」
玉葱が切られているのに気づかない速さで置き去りにする涙
2/18 題「毛糸」
君のため毛糸のマフラー編みました 赤と黄色と緑色の
2/19 題「英」
亀戸に藤の英咲き誇り聞こえてくる鷽の鳴き声
2/20 題「治」
減っていく自然治癒力反比例で増える原因不明の痛み
うたの日に出した短歌49
2/11 題「千」
42本でも千手観音だし一生の願いはもう3回目
2/12 題「ルマンド」
点々とこたつ布団に残ってる誰かがルマンド食べた証拠が
2/13 題「舌」
誰にでも愛の言葉を囁く君 私用のは何枚目の舌
2/14 題「海老」
シーフードミックスを入れたスパゲッティ 君のに海老を多めに乗せる
2/15 題「ボート」
迷信は信じるタイプ 井の頭のスワンボートに君と乗りたい
うたの日に出した短歌48
2/6 題「回」
東京をぐるりと回る山手線 大崎で独り取り残される
2/7 題「人生が360°変わる一首」
スカートがふわり ターンをするたびに記憶が一つ無くなるとして
2/8 題「剥」
甘皮を剥いている時だけだった 私が私でいられたのは
2/9 題「ラジオ」
枕元に立てたアンテナ受信するノイズ混じりの日曜天国
2/10 題「自由詠」
周回遅れの反抗期 デスクにてラムレーズンをつまんでいる