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短歌

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2023年9月の記事一覧

うたの日に出した短歌20

うたの日に出した短歌20

9/19 題「ハンドル」
じいちゃんは車のハンドル握る度俺をミスドに連れてってくれる

9/20 題「参」
彼氏とはもう別れるつもりだから参万円と借用書に書く

9/21 題「皆」
今夜はいつもより目線が上を向く 皆既月食をひとりで見ている

9/22 題「秋」
彼岸の入りと共に暑さも落ち着いて僅かばかりの秋空を見る

9/23 題「鞄」
あたしにはヴィトンなんて必要ない ロフトの鞄でテッペン目指

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うたの日に出した短歌19

うたの日に出した短歌19

9/14 題「登」
大帝が登遐された日 アポロが月に着陸した日 我が誕生日

9/15 題「舟」
天の川 叶いそうにもない夢と願いを乗せた笹舟流し

9/16 題「乃」
君の名前『乃』の字が上手く書けなくてユーキャンのペン字講座に入会

9/17 題「谷」
心地よい谷風を受け咲き誇り谷風に乗って散りゆく桜

9/18 題「服」
目の前のあなたを笑顔にするため さあ張り切って世界征服

うたの日に出した短歌18

うたの日に出した短歌18

9/9 題「熊」
北の地で恐れられたあの熊も捌いて喰らう人間の強さ

9/10 題「自由詠」
保育園の前にぽつんと落ちた茄子 伸びゆく稚児と朽ちゆく茄子

9/11 題「空」
目まぐるしいAIの進化 「まだ見ぬテクノロジーの空」を目指して

9/12 題「歯ブラシ」
2本寄り添うようにあった歯ブラシを捨てて1人次の街へ

9/13 題「土佐/高知」
岩手で生まれ岩手で死んでゆく母の作る筍の土佐煮

うたの日に出した短歌17

うたの日に出した短歌17

9/4 題「好きな二人称」
『汝、隣人を愛せよ』などと言う まだ自分も愛せていないのに

9/5 題「桐」
松、桜、芒、柳に桐に菊 五つの光 盃を干す

9/6 題「スカ」
祖母の中ではアライグマはみんな「ラスカル」だしアザラシはみんな「タマちゃん」

9/7 題「硝子」
坂の街曲がり角の向こうからぽっぺん聴こえるビードロの音

9/8 題「たって」
おれは世界一幸せだ なんたってここまで生きてこ

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うたの日に出した短歌16

うたの日に出した短歌16

8/30 題「ナイフ」
ペティナイフで丸ごとりんごを剥くように私の心も裸にされて

8/31 題「灯台」
旅先で地図を買う 海岸沿いに太陽のような地図記号

9/1 題「梨」
スーパーで大きい梨をひとつ買う 水代わりとして食べる晩夏

9/2 題「酢」
君があまりに優しいから給食の酢豚のパイナップルが山盛り

9/3 題「んで」
明日は朝から家中掃除してそんでふたりで樹海に行こう

うたの日に出した短歌15

うたの日に出した短歌15

8/25 題「螺」
海の家 栄螺の壷焼きを前にただ黙って身を取り出す父

8/26 題「しりとり」
しりとりで負けぬように『る』で始まる言葉を辞書で引いている吾子

8/27 題「侘び寂び」
帰り道目黒川の夜桜の一瞬の侘び寂びを切り取る

8/28 題「粒」
ソーセージを茹でてコッペパンに挟み粒マスタードはたっぷりかけて

8/29 題「訓」
うちの家訓『負けないこと』『投げ出さないこと』『逃げ出

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うたの日に出した短歌14

うたの日に出した短歌14

8/20 題「骨」
うちら神の子死んだらみんな骨になり喉の仏像を遺すだけ

8/21 題「鵺」
鵺鳴く夜は早くお家に帰りましょう でないと小指を角にぶつけるぞ

8/22 題「意味」
この世は意味のないことで溢れててそれでも君に生きててほしくて

8/23 題「つむじ」
背の順でいつも一番前でした つむじ見られてばかりの人生

8/24 題「イルカ」
君が昨日押し入れから引っ張り出したイルカ柄のシ

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うたの日に出した短歌13

うたの日に出した短歌13

8/15 題「戦争/平和」
街中に鳩はあんなにもいるのに心の平和はちっともなくて

8/16 題「赤」
片思いの人と挨拶できたからコンビニの赤飯おにぎりを買う

8/17 題「かち割り」
嫌いな人の顔を浮かべてトンカチ振るかち割り氷で作るレモンサワー

8/18 題「風邪」
実家を出た今でも風邪の時には母のお揚げのうどん恋しき

8/19 題「首」
雲の上まで首長くしてサファリパークのキリンは母の

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