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考察はできなくて。

男性ブランコさんのコントライブ『てんどん記』を拝見しました。

非常によかったです。
面白かったよりも良かった。

たくさんの方が『てんどん記』の考察をされていていたので、読んで読んで読みまくって、、

いやすんごいなぁ、と。

台本を書かれた平井さん、余す事なく表現された男ブラのお二人を筆頭に、このライブを創り上げたチームが素晴らしく秀逸であるのは自明です。

しかしながら、

男性ブランコさんを好いて、このライブを観るに至った方々もまた素晴らしい集団で、
自分なんかがその中に入っちゃってるのが申し訳ないほどでした。

よって、



考察なんか出来ないっ!




怯えているわけではないのです。
書くことがないわけではないのです。

ただ、感じるモノが多すぎて。。


めっちゃ持論ですが、
よいモノほど言葉にしてしまうと
本当に"感じたコト"を失ってしまう気がするのです。


↑かっこつけた事言ってますが、語彙力と文章構成力がないだけです🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️


ということで、
考察はせずに感じたコトを書き残しておこうと思います。(結局言葉にはしますんやん😒)

・・・

まず全体として、すごく丁寧に創られていると感じました。(←もうこの時点で陳腐な表現…)

小説やドラマですら、ここまで緻密なものは少ないと思います。
伏線伏線伏線でした。

「なんか引っかかるな…」という所もあれば、
通過して後から「アレってもしかして…!?」となる所もありました。


そもそも、
二つの世界を交互に見せられているなんて
最後にすべてが繋がるなんて
思ってもいない。
だってコントライブ観に来たんだから。。


塔の中外の表現を
天気や方言、人物の価値観や感覚でコントロールする様は天晴でした。

それがまったく不自然さなくそれぞれのコントに溶け込んでいて、流れを邪魔していない。

でも何でそうなってるのかは分からないのです。


"壁"と"端っこ"が全体の軸になっていて、
これらの先に"関心"を持つことがミッションだったのです。

どこかの誰かが、ふと関心を持ったことで、
壁が開いて、端っこと端っこが繋がって、
次の世界が始まった

関心を広げることで
本当に新しい世界が見えてくる

そもそも壁や端っこは
人間が、各々が、勝手に決めて思い込んでいる。
決めといたほうが便宜だから。
それ以上考えなくていいから。楽だから。

ここにグッとナイフを差し込んで切り拓いたのが
平井さんであり
学者先生であったのです。

考えましょうよと。
考えてみましょうよ、と。

「そっちの方が、おもろいかなぁ思て」

「狭い狭い思うよりも、広い広い思た方が、
おもろいんちゃうかなぁ思て」


おもろい

何も説明できていないし、根拠にもなっていないけれど腑に落ちるのです

おもろい

これを置き換える言葉は、きっと無いのです


学者先生はまた、

「理由なくて」

とおっしゃいます。

おもろい は、

ありふれた理由ではないことを指しています。

そして、
理由がなくても思うままにやってみたらいいんだと、体現しています。


同様に、
「ふと思った」を大切にして
他人に伝えたり追いかけたり
確かめたり突き詰めたりする勇気も
教えてくれました。


そして、
それを見守り支えてくれる人の存在。

わがままで振り回しただけなのに
「そうか…」と感化されてくれる人。

全部は理解できなくても
「ええ思うよ」と言ってくれる人。

何やそれ、と突き放しておきながら
「ちょっと!おい、ちょっと待てって!」とついて来てくれる人。

この優しい空間はきっと
浦井さんと平井さんがリアルに紡いできた時間であり、双方からの感謝を宿したものであると感じられます。
虚構も想像も、リアルからしか生まれないと思うので。

お二人の言葉は、心になる。
残るでも刺さるでも響くでもなく
心をつくるものになる。
聞いた瞬間からずっと、私の一部になる。
これからの様々な瞬間にふっと降りてくる。

関西弁を愛しているからこそ生まれる表現も多くありました。
柔らかさ、あたたかさ、緩急、間、、
作ろうとしても出来ないものです。

お二人は、
小さなお芝居が上手です。

パントマイムのような技巧や泣きの演技も
お得意ですが、
もっと細かい細かい芝居

遠くに目をやる
目を見開く
へらっと笑う
髪をくしゃくしゃする
俯く
ためる
目を合わせる

あと、言葉にならない声が好きです。
ぅへぇっ ほぇっ ゃーはーはぁ あっいゃぁ
やっっえっあっ ぇへぇーははぁ

みたいな。どこかで聞く機会があれば是非。

その人を表すために、世界に惹き込むために、
こだわって、こだわりぬいているんだなぁと。

きょむっ ほりょっ くわぁ〜ん 

・・・


言葉に出来るのはこのくらいでしょうか。

とにかく、
非常に良いものを観たということです。
男性ブランコさん、ありがとうございました。


皆様の明日が、美しく彩りますように。




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