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「札幌〜ロンドン、ほぼ鉄道で行ける」←本当?

水切(すいぎり)と申します。
人生の1/4以上をYouTubeに費やしている自分ですが、YouTube Shortsを見ているとき、こんな動画が流れてきました。

要約すると、「北海道〜樺太(サハリン)間、サハリン〜ユーラシア大陸間にトンネルもしくは橋を作れば、日本からヨーロッパが陸路で繋がる」という話です。

現実的に考えると世界情勢や線路幅の違いによって絶対に実現しないルートですが、非常にロマンがありますよね。
詳しく調べてみることにしました。

注意:投稿者は鉄道ファンでもなんでもなく、日本やロシア、ヨーロッパ諸国の鉄道事情についてほぼ知りません。その点に留意した上でご覧になってください。

①ルート

①-1 北海道内のルート

そもそもなのですが、これを基に架空の列車を走らせると考えた場合、どこを始発駅にすればいいのでしょうか?
普通に考えると東京駅、上野駅、札幌駅、稚内駅あたりでしょうか。
しかし、東京〜札幌は2031年には北海道新幹線が開通して簡単に行けるようになるため、東京都内発はあまり意味がありません。
稚内駅は、衛星写真を見てみると駅前にスペースがあまり無く、トンネルを掘ったり橋を建設するのには不向きな気がします。
そうすると、やはり始発駅としては札幌駅が良さそうだと考えます。

では、トンネルや橋が始まる地点はどこが良いのでしょうか。
先程のShortsでは言及していないので、もっと詳しく説明している動画を見てみます。

これを見ると、「抜海駅のあたりからトンネルを敷けば都合がいい」ということを言っています。(4:35頃〜)
しかし、自分は宗谷岬と稚内市街の間らへんからトンネルを作った方が良いと思います。そこで他に意見がないかGoogleで調べたところ、おそらく4:35頃に言っていることの出典となるサイトを見つけました。

仮に建設するとなれば、日本側のトンネル出入口は宗谷岬と稚内市街地の中間付近になり、札幌方面をダイレクトに目指すなら、宗谷線とは抜海付近で接続することになりそうです。宗谷海峡トンネルを広軌で建設した場合、狭軌の宗谷線との積み替え場所となる、広大な信号場も抜海付近に作られるでしょう。

おそらくここの部分を間違って解釈してしまったのではないかなと思います。
この記事で示しているルートをGoogleマップ上で再現してみると、こんな感じです。

抜海駅あたりから分岐している。

一応自分でもルートを作ってみます。
自分が考えついたルートとしては、旧芦川駅から西に分岐し、新たに「沼川駅」「稚内空港駅」を作って、稚内空港駅から先をトンネルにするという作戦です。


下の方の駅が「沼川駅」、上方の駅が「稚内空港駅」。

実現しそうなのは記事のルートですが、稚内空港が鉄道で繋がると便利ですよね。
それか、抜海駅を出た後に稚内空港駅に止まるという選択肢もありそうです。

ひとまず、北海道内のルートはこのくらいにしておきましょう。
他にルートを思いついた方がいらっしゃいましたら、是非コメントに書き残していってください。

①-2 樺太(サハリン)内のルート

さて、ここで問題になってくるのが「樺太には稚内に近い集落がない」ということなんですよね。
西野登呂岬(ロシア名はクリリオン岬)周辺に家は数軒ポツポツと建ってはいますが、集落とは言えません。
ロシア語版Wikipediaで調べていると、「Шебунино」(シェブニノ、日本語名は「南名好」)という町が一番日本に近そうです。

ここには鉄道が昔通っていたのですが、どうやら2009年に廃止されてしまったようです。
今現在鉄道が通っている最も日本から近い都市は「Невельск」(ネヴェリスク、日本語名は「本斗」)で、稚内からは約140km離れています。

ではネヴェリスクには停車することとして、そこから先のルートをどうするかが問題になってきます。サハリン州の州都であるЮжно-Сахалинск(ユジノサハリンスク、日本語名「豊原」)は通っていきたいですが、ネヴェリスクからユジノサハリンスクまでは線路がないので、全く新しいルートを作ることになります。
自分で考えたルートをGoogleマップ上に示してみます。


64H-6、A392という名前の道路にほぼほぼ沿った形で作りました。

他にルートを考えた方がもしいたら、コメント欄に書き残していってください。

さて、ユジノサハリンスクからユーラシア大陸間をどうやって行くのかというところに入っていきます。
動画内では「ワニノ」という都市に繋げれば良いと言っていますが、対岸の都市であるウグレゴルスクから繋げようとすると直線距離でも130km離れているのであまり現実的ではありません。

では、どのようなルートにしようかというと、なんと1950年代にルートについて真面目に議論されたことがありました。

このルートでは、大陸側はラザレフ(Ла́зарев)、樺太側はポギビ(Погиби、日本語名「鉾部」)という都市の間を繋いでいます。
そしてラザレフからはバイカル・アムール鉄道の駅であるセリヒノ(Селихин)駅に繋ぐという計画です。セリヒノ駅からはバイカルアムール鉄道、シベリア鉄道を経由し極東ロシア最大の都市であるハバロフスクまで通じています。

・・・このルートを採用してみましょう。

そうすると、ユジノサハリンスクからポギビまでのルートを考えなければなりません。樺太北部の「ノグリキ」(Ноглики、日本語名「縫江」)までは鉄道が通っているので、ノグリキからポギビまでのルートを考えましょう。
自分が考えたのはこんな感じです。


途中までは64N-1という道路を北に進み、途中からポギビ方面に向けて西側に曲がります。
もう既に何回も言いましたが、他のルートがあれば是非コメントに書き残してください。

①-3 大陸内のルート

次は、ラザレフからバイカルアムール鉄道に繋げるルートを考えます。ここさえ繋がれば、札幌からロンドンまで直通で行けるようになります。

自分で考えてみました。

セリヒノ〜ニコラエフスク=ナ=アムレ(Николаевск-на-Амуре)間の道路に並走するような感じです。
是非コメントに思いついたルートを書いていってください。

②時刻表

正直これを作るのが一番楽しみです。
しかし、最初にも言った通り自分は鉄道ファンではないので、明らかに矛盾している部分がいくつかあるかもしれません。そのような箇所はコメントで教えてくださるとありがたいです。

札幌               16:00
旭川               17:30
稚内空港             21:00
(シェブニノ             23:00)
ネヴェリスク           23:40
ユジノサハリンスク           1:30
ノーヴォエ              6:30
ポロナイスク             9:00
スミルニフ            10:30
オノル              11:30
パレヴォ             12:30
ティモフスク           13:00
アルギ=パギ           14:10
ノグリキ             15:10
ポギビ              17:45
ラザレフ             17:00
セリヒノ               0:00
コムソモリスク・ナ・アムーレ     0:45
リトフコ               6:00
ハバロフスク             9:30
ビロビジャン           12:00
オブルチエ            15:00
ベロゴルスク           20:00
マグダガチ              2:00
エロフェイ・パブロヴィッチ      9:00
モゴチャ             13:00
チェルインシェフスク・ザバイカル 19:00
チタ                 2:30
ウラン・ウデ           11:30
イルクーツク           19:30
ジマ               23:30
クラスノヤルスク         11:30
マリインスク           17:30
ノヴォシビルスク         23:30
オムスク               5:30
チュメニ             11:30
エカテリンブルグ         16:30
ペルミ              22:30
シャリア               8:00
コストロマ・ノーヴァヤ      14:00
モスクワ             20:00
ミンスク               5:00
ワルシャワ            14:00
ベルリン             22:00
パリ               11:00
ロンドン             13:30

・・・疲れました。
この時刻表の作成に4時間ほどかかりました。
矛盾があったら教えてください。

次回はいつ投稿するか決めていませんが、おそらく来週中には上げると思います。それでは。


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