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優勝を決めた渡辺(錦鯉)の「じゃあいいじゃねえか」の凄さ

初めまして。幼稚園の時からM-1グランプリを毎年かかさず見ているお笑いマニアの水銀くんと申します。

今回は、M-1グランプリ2021で”優勝を決めた下り”といっても過言ではない錦鯉渡辺の「じゃあいいじゃねえか」のツッコミが、どれほど凄いかについて語ろうと思います。

この漫才は、「町の中に逃げた猿を捕まえたい」というコント漫才です。長谷川がボケて、渡辺がすぐさまツッコむという形です。

この漫才の中盤で、長谷川が「あ!森の中へ逃げ込んだ!」と叫び、渡辺が「じゃあいいじゃねえかよ」とツッコむ下りがあります。文字だけで見ると、普通のボケとツッコミですが、このツッコミの時の”間”が絶妙です。見てもらった方が早いので、リンクを載せておきます。1:40からどうぞ。

当たり前のことですが、本番では、お互いに「初めて話している」「初めて聞いた」という風を装って話します。ボケが変なことを言ったら、ツッコミは「何を馬鹿なこと言ってるんですか」という反応をします。その驚きが嘘くさく見えると、お客さんの共感は得られません。

また、ネタに対して、本人たちが慣れたときは特に気を付けなければなりません。慣れてくると相手のセリフを聞き終える前に次のセリフを言ってしまう場合があります。言葉をかぶせてしまうのは論外ですが、この状況でこういわれたら、普通、少し間ができるだろうというところで、すぐに返してしまう。お客さんは瞬時に、不自然さを感じ取ってしまう。コンマ数秒のズレですが、そういう違和感は、お客さんに伝わってしまうものです。

これが伝わったのが、2019年、M1決勝初出場のオズワルドだったのではないかと思います。伊藤のツッコミは非常に的確です。しかし、的確すぎました。彼のツッコミは、その状況に対してではなく、もう一つ先を見たツッコミをします。初見で見た人は、意味を理解するのにやや時間がかかったと思います。

また、今年の真空ジェシカにも同じようなことが言えそうです。彼らは高学歴ということもあり、知識量が半端ではないです。決勝ネタでは、ヘルプミーのハンドサイン、二進法、など、「実際にその状況にいて、咄嗟にそのツッコミできる?」と思ってしまう箇所が多いです。ただこれを改善してしまうと真空ジェシカの良さが非常に薄れてしまうのがやっかいなところです。

そう考えてみると、「森の中へ逃げ込んだ」「……じゃあいいじゃねえか」と、視聴者と同じタイミングで、同じ感情のツッコミをしました。この渡辺の技術が他より頭一つ抜けており、爆笑を生んだことで、優勝に直結したのではないかと考えています。

彼らの今後の活躍、来年のM1グランプリが楽しみです。

ちなみに私は金属バットを一生応援しています。

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@suigin__80


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