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#38.大きな夢を持って星を目指す/S Club 7 - Reach

おはようございます。あっという間にもうすぐ4月。3月はいつの間にか過ぎ去っていくような気がします。

ところで、3月といえば卒業シーズン。今までの環境を飛び出して、4月から新しい環境に変わる人も多い季節。不安と期待が入り混じる季節でもありますね。ということで、今朝は将来への大きな希望があふれる曲。

今朝は旧作。2023年3月1日にX(旧Twitter)への投稿を、加筆修正したものです。


北海道大学の前身・札幌農学校に教師として招聘されたクラーク博士が言った「少年よ、大志を抱け」という言葉は、若い人に向けたはなむけの言葉として定番ですね。

クラーク博士のこの言葉そのままじゃなくても、たとえば卒業式や入学式、あるいは入社式などでも、新しい環境に飛び込む人、飛び込んだ人に対して「大きな夢を持て」という意味合いのあいさつが使われます。

年上や目上の人が「若い人には大きな夢や希望を持ってほしい」と願うのは、それなりの本心ではあると思うんですよ。けど、一方では定番化しすぎていて、わたしはそういうあいさつを見聞きしたときには反発みたいなものを抱いていました。

たとえば、顔も名前もよく知らないおじさんがやってきて、「若い人は大きな夢を持って、これから大いに活躍してほしい!」みたいなあいさつをしたとする。

わたしは「そんな定番のあいさつは聞き飽きた!」とか「大きな夢を持って大いに活躍したかどうかは知らないけれど、その結果があのおじさんか!」みたいなことをこっそり思ってました。我ながらひねくれてるなあ。

ただ、ある程度の年齢になった今となっては、おじさんがああいうあいさつを口にする気持ちもわからなくはない。これから新しい環境へと飛び込む人に対して、「大きな夢なんか持たずに現実的に生きましょう」なんて言ってもね。

とにかく、「大きな夢を持て!」と言われてしまう若い人も、大なり小なり夢を抱いています。もちろん、不安だってあるけれど、夢も希望もちゃんと抱いている、はず。わたしも見知らぬおじさんのあいさつに反発しながらも、ちゃんと夢も希望も抱いてましたよ。

S club 7の"Reach"は、わたしみたいなひねくれ者ではなく、素直に将来への大きな夢や希望を抱く若い人々が、高らかに「高望み」することを宣言した曲です。

S Club 7 - Reach

※ちなみに"S Club 7"というグループ名は、いまは"7"が取れて"S Club"と変更になっています。

上記の公式動画を観ればわかりますが、とにかく大きくてたくさんの希望をいだいた青春! という雰囲気があふれ出ていますね。さわやかさがまぶしくて画面を直視できないほどにね。

曲の中では"Reach for the stars"とのフレーズが繰り返し使われます。「星までたどり着く」、つまりは成功目指して山より高く登る! との宣言なのでしょう。

ここでは具体的な目標というよりは、とにかくガムシャラに大きな夢を抱いている、みたいな感じですかね。もちろん、人それぞれが具体的な大きな夢を目指しているという解釈もできそうです。

この"Reach for the stars"とのフレーズ、もっと意訳すれば「高望みする」とも言えます。若いんだから「高望み」だってかまわない。この曲は素直にイヤミなくそう聞こえます。

そんなふうに「高望み」するあなたがどんなに離れていても、どんなにブルーな気分になっても、あなたには大事な友達や仲間がいて、その友達や仲間が見守っているとも歌っています。だからこそ「高望み」できるんだよと。

いいですねえ。卒業式で歌いたいくらいです。見ず知らずのおじさんが卒業式なんかに出てきて「大きな夢を持て」とあいさつするよりは、ずっと素直に胸に落ちそうです。

ところで、ここからは余談ですが、冒頭に掲げたクラーク博士の言葉、「少年よ、大志を抱け」という言葉には続きがあって、「少年よ、大志を抱け」に続いて「この老人のように」と言ったとか言わなかったとか。

札幌農学校で教鞭をとったクラーク博士もまた、ずっと札幌の地で大志を抱き続けていた、だから自分のように大志を抱けと学生たちに告げるのは説得力もあるし、博士の人となりもわかります。

卒業式なんかで見ず知らずのおじさんに「大きな夢を抱け」ってだけ言われても説得力はあまり感じられないのは、そのおじさんがいまだに大志を抱いているかどうかもわからないからってのもあるのかもしれない。だから、わたしも内心で反発していたのかもね。

そういう意味ではおじさんだって、そしておばさんだって大志を抱いていいはずだし、それを高らかに宣言したっていいよね。老若男女、大志を抱いて夢に向かっていける社会っていいと思うけどな。最後は愚痴みたいになったけど。


さて、去年の5月から毎週水曜日に連載してきたGood Morning! Music、ついに通算50本目の記事になりました。通常連載が今朝を含めて38本、特別版が12本。「通算50本目」と書くと野球のホームランみたいな感じだけど、記事の本数です。

もともとはX(旧Twitter)に流してた話なんだけど、せっかくnoteを作ったので、こっちにストックしておこうと始めた企画です。

ちなみに、本当は隔週更新くらいの頻度で新しい記事を書こうと思ってたんだけど、X(旧Twitter)に流してたものもそのままじゃもったいない。

そこでこれを記事化しようと新作(新しく書いた記事)と旧作(X(旧Twitter)に流してたものの加筆修正版)を交互に掲載することにしました。そのうち隔週になるだろうと思ってたら、意外と旧作の本数もあって、けっきょく1年近くずっと毎週更新に。

旧作の残りももう少し残っているので、もうしばらく毎週更新が続いて、その後は新作だけの隔週更新になると思います。そのほか、祝日などには特別編が流れると思いますが。

とにかく、通算50本目の記事ということで、ちょっとだけあいさつ的な話を。というわけで、Good Morning! Musicまだまだ続くよ!


※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。


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