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【はかせ日記】21/12/14 『浅草キッド』関連の歴史的芸能資料発掘が続く。アサヤンVOL・26Netflix『浅草キッド』配信記念 劇団ひとり劇場開催。前編。

博士の悪童日記 2021年12月4日(火曜)

5時半起床。

昨日の日記を書く。

ママに頼んで積荷の山の中から、
ピンポイントでお宝を探してもらうのだが、
歴史的な発掘が続いた。

まず1983年2月3日の
ビートたけしのANNの音源。

師匠・深見千三郎が亡くなった翌日である。
ここで、サッポロの夜を迎えた、
たけし×高田のまったく湿っぽくなく、
師匠を笑って弔う喜劇人の正しさに
グッとくるし、
歴代の浅草芸人の末路、最期を辿っていく。
笑いと涙が綯い交ぜになる
ANN史上指折りの傑作回だ。

1986年のフランス座修行時代の頃の日記を読んで、
義太夫さんが歌った「浅草キッド」のデモテープの
ワンフレーズの日付を探すのだが、
もう老眼で見ることが出来なく諦める。

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モーニングも抜いてお味噌汁だけに。
しかし、フリーズドライの具だくさんで美味い。

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発掘作業が続き、
ビートたけし研究家としての
知的興奮が止まらなくなる。
下準備ハイだ。

お昼も卵とうどんとワカメの御御御付けのみに。

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『浅草キッドの浅草キッド』

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2002年に撮影したものだが、
自分の演技を見るのが恥ずかしくて、
今日まで自分で見たことがなかった。
それほど、
「師匠・たけしを演じるのはボクではない」
という撮影時のトラウマが残っている。

 昨日、高須SANの絶賛評を聞いて、初めてちゃんと通してみた。

……良かった。

無論、Netflix版のゴージャスな楽しさや
完成度には及ばないのだが……。

全現地ロケであるこちらには
漠然たる人生の漂白感が漂い、
浅草の寂れた悲哀、青春の残酷さ、夢の儚さが、
全編に通底されている。

奥田民生の挿入歌も効果的で、
途中、ボク自身がプライベートで、
父が倒れて特別に帰省して、
一泊後にすぐにロケ先に戻り、
傷心を引き摺りながら、
伝法院を歩く長周しのシーンには、
スクリーンに若者(ボク)の焦燥が
色濃く映し出されている。

ラストシーン。
フランス座を背景に
白装束の深見師匠が道に消え去るところの
エモーショナルな感動も決してニセモノではない。

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さすがは名匠・篠崎誠監督なのである。

ダンカンさんは脚本も良かったが、
インチキ英語教師の役が、
三木のり平めいていて、
本人のベストアクトではないか。

問題のタップシーンも逆に、
ギャグに見えるほどの下手さぶりで
石倉三郎さんを踏まえて、
むしろニンマリと好意的に見えるのだ。

相棒、赤江くん(玉袋)の演技も、
江戸っ子弁の素地を無くして、
静かなインテリ作家を演じているが、
抑制の効いたローテンションの演技で
好脇役を固く演じている。

これだったら、
演技者として、他の仕事にも繋がるだろうに、
と思うほどに。

ま、ボクのシーンは自分だから、
「たけし役はボクではない」
と心の叫びや自意識が漏れ出していて
自分では見れたものではないのだが……。

声の出力の調整を含めて、
今なら「演技」も出来る──。

と思っている。

と、思いながら、
来年ボクが主演を要請されている
自主映画の脚本を読んでいたら、
まさか、ボクがギタリストの役だった。
それは……(笑)

Netflix版の『浅草キッド』も見返し、
質問点をメモる。
本当にこのボクの師匠とその師匠の物語を
今に伝えてくれて良かった、感謝感激が止まらない。

台本に反映するが、
今回もLIVEなのに長大な台本を準備した。

もう全部消化出来ないことは
わかっているのに、
やらなければ気が済まないのだ。


『ギャク狂殺人事件』のコピーや
ANNの音源を高田文夫先生に送付する。

つぎつぎとLIVEに使用する、
原田専門家の編集映像作が届くが、
今回は飛び抜けて傑作だ。

映像を見ては涙が一瞬にして溢れる。

浅草フランス座は、
映像作家にとって、
何度も映像対象化されるべき
邦画の聖地なのかもしれない。

実は浅草キッドの修行時代を描いた、
『キッドのもと』という我々の自叙伝がある。

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この話は、
5年前、脚本家・向井康介の手を経て、
既に脚本化されている。
映像化出来なかった理由は、
ビートたけし役がいなかったからだ。

Netflix版の浅草キッドを見れば、
その問題は解決している。

出発の直前にこのようなニュースが
飛び込んでくる。


15時前にドルフィンソング三木が来宅。

彼も2本の『浅草キッド』を見たばかり、
映画ファンのように、
各シーンを語り合う。
中央線に乗って阿佐ヶ谷へ。

阿佐ヶ谷ロフトへ一番乗り。
いよいよ、今年最後のアサヤンだ。

東京五輪の開幕式と
アサヤンのゲストと、
出演場所の高低差が一番激しいコメディアン、
劇団ひとりがやってくる!!

ショー・マスト・ゴー・オンで後編に。

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