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24年6月5日(木曜)【能登被災地日記・2日目】。『海浜あみだ湯』から珠洲(すず)市巡り。最も甚大な被害の地区を巡回。見附島に。満点の星の花火大会の夜

珠洲(すず)市にある銭湯、『海浜あみだ湯』のゲストハウス「カリカッコ」で起床。

4時頃、夜中に喉がカラカラで、
目が醒めたが、周囲に水場がない。
まず、この建物の此処が
何処かもわかっていない。

飲料水は寝る前に用意するべきだった。

のどが渇いたまま、
眠るに眠れず、
しかし、尿意は込み上げるが、
トイレも建物のなかにない。

2階から降りて、そのまま草むらで、
立ち小便で済ますしか無い。

その後、便意が催してきた。
それは止められないものだ。

朝の薄日のなかを歩いて、
砂浜まで出て、
周囲に誰もいないことを確認してから
野糞を試みた。
何十年ぶりだろうか。

爽快ではあったが、恥ずかしさは伴う。
秒で砂に埋めた。ウンコ秒殺。

8時、海浜あみだ湯へ。

本日は定休日だ。

皆、まだ寝ている。
昨晩の宴会の女子チームは、
こちらの2Fに寝ていたようだ。

今日は、珠洲市を案内をしてもらえる予定。

駐車場に屯していたら、
建築関係のボランティア視察団が到着。

いろいろと専門的に聞かれるが、
ボクはまだ素人すぎる。

記念撮影も。

三々五々、今日のメンバーが集まってくる。

今、そこにいる仲間と一緒に記念撮影。

そして今日は今日で、外で働く人は、
ここから出勤。

視察組はクルマに分乗していく。

街で一番のヒノキ通りだった、
中央商店街へ。

ここに彼ら、移住組の金沢美大のメンバーが中心になった、
フリースペース「額装」があったところだ。

此処に、若者が集っていたらしい。

1月1日まで、周囲は賑やかな商店街だった。

『いろは書店』は、いろんな意味で有名な書店だ。

今、『いろは書店』は、同じ通りに、
場所を変えて既に再開している。

珠洲を舞台にしたラブコメがヒットしている。

珠洲が謎解きに使われるこの漫画も一大ブームを作った。

店主のお薦めを物色。

娘に買ってあげよう。

ボクが個人的に大好きな石川直樹の奥能登半島の写真集。

そして各地で絶賛されている旅本。

周囲は倒壊家屋の放置のまま。

昨日、銭湯で出会った復興支援作業員グループと。

昼食へ。

昨日は閉店していたが、
「うどん のんち」へ。
皆さん、食べる前から大絶賛のお店。

おしゃれな内装。

マジにレベルの高いさぬきうどん。

かき揚げでいただく。

麺の太さが太すぎず。

青柳監督はとり天で。

同じ値段であんこうの天ぷらもあったらしい。

かつて珠洲の唯一のラブホテルだったが、
寂れて、お化け屋敷だと言われた建物が、
リフォームされてスマートホテル
「のとのわ」に変身。

こちらの事業の指揮をとる、蔵さんと
デザイン画で貢献したシンケンさん。

ふたりの交流から生まれたたしい。

オーシャンビュー。

ゴジラが出てくるような。

表は海、裏に回ると里山が楽しめる。

道の駅、すずなり館。
土産物を購入。

現在地を示してもらう。

ここで、ボランティアのふたりが離脱。

ボイラー室の主のようだった
田中要次さんに瓜二つ、
福岡の堀上さん。

そして、
美少年のような短髪金髪のアーティスト、
京都の阿児(あご)つばささん。

短い期間のバランティア交流だったが、
名残惜しい。

さようなら!!再見!!

最も被害が甚大だった谷崎、宝立街へ。

途中、ボランディアチームと遭遇。

「博士、是非、この光景を発信してください」と頼まれる。

この地区は、倒壊だけでなく、津波、そして火事もあったのだ。

1月1日は、ボクも救急車で緊急搬送され、
しばらく入院していたので、
能登地震について、普通の人より映像を見ていない。

剥き出しで浮かび上がったマンホールが印象的だ。


地域の憩いのフリースペースへ。

「おのくん」という人形があるのを見つける。

こんな大きな山車を引く祭りがあったのだ。

フリースペースにEP、LPレコード。
かかっているのは、太田裕美だった。
その歌声がレコードならではで揺らぎがあって素晴らしかった。

ここで突然の便意。
しかし、トイレはない。
我慢しきれず、
野糞をせざるおえなくなる。

今日二回目の野糞。

今は渡れなくなった。見附島へ。

仮設住宅が何棟も突貫工事中だった。

現場監督さんの声、
必死で働いている外国人労働者の動き。

スーパーで買物。お酒担当。

今日は、銭湯はお休み。
それでもお風呂は入りたい。

自衛隊のテント銭湯へ。

3分割のボタンを押して入場。

思ったより空いていて、
皆、静謐で親切で感動した。

青柳監督のお父さんは、自衛官だし、
あみだ湯のオーナーの息子さんも自衛官だ。

ここでは敬意を持って
自衛隊が感謝されている。

あみだ湯へ。
「ただいま、帰ってまいりました!」

夕食タイム。

酒の粕。海苔。味噌→最高。

シンプルな「かたは」。美味いぞ!!」

本日のメイン。刺し身盛り合わせ。

食後、ボクが買ってきた花火の束を使って、
花火大会。

寝転がってみんなで星座を見つける。

被災地を目の当たりにした悲しすぎる昼、
花火と星座を目の当たりにして楽しすぎる夜。

昼と夜の間、光と闇の間に、
我々のこのささやかな人生がある。

高望みをしていない、ささやかな人生は、
神様にやさしく見守ってもらいたい。


人生で指折りに楽しい花火大会だった。

老若男女、地上の被災地で助け合う人間関係のネットワークは、
天空の星座が作る美しい物語のようだった。

夜、1時30分。
ゲストハウスへ帰って睡眠。
水は布団の周囲にたっぷり置いた。

明日、帰郷する。

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