見出し画像

義経と一休さん


何年かに一回来る義経フィーバーが今年も来て早々に過ぎて行った。
悲劇の美しい若侍と見るか、戦の事しか考えないパーサーカーと見るかは人それぞれでいいと思う。
ただわたしくらいの年齢になると、牛若丸といわれていた頃の話の方が覚えがいい。

雪の中を母に連れられて寺に匿われ、寺の小僧としてこき使われる。隙を見ては寺を抜け出し、山の天狗に鍛えられ、ある日京の町に出て、弁慶と出会う。

テレビで、漫画で、よく見た物語だった。
その子供の頃、義経とキャラ設定が被って
どっちがどっちかわからなくなるアニメのキャラがいた。

一休さん。

彼もまた、権力闘争に敗れた貴族の貴公子として描かれ、預けられた寺を抜け出し、京の町に出ては足利義満をとんちで凹ませたりしていた。

やんぬるかな。
アニメの中での一休さんも、物語の冒頭、雪舞う中を母と共に寺に向かう。

貴種流離譚に雪と寺はセットというのが王道なのか。
他にもあったかな?

互いの時代は200年くらい離れてるいるが、そういう歴史背景の勉強にもなった。
昔のひとは何か超然的なものを恐れて、敵であっても、時に一縷の逃げ道を作ってやる。
ああ、でも、義経は平家を木端微塵に消しとばしたか。

一休さんの終わりの歌が泣かせる。

母上さま、お元気ですか
ゆうべ、杉の梢に明るく光る星ひとつ見てけました。
星は見つめます、母上のようにとても優しく
わたしは星に話します
くじけませんよ、男の子です。
寂しくなったら、話に来ますね。
いつか、たぶん
それではまたおたよりします。

なんだろ、最近思い出して、口ずさんだら、
「くじけませんよ、男の子です」のくだりで涙出てきた。

年かな。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?