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三菱重工業事件

ポイント

私傷病 (精神疾患) による連続欠勤日数が就業規則所定の上限を超えたため、連続欠勤を理由とする解雇が有効とされた

経過

  • Xは、船舶及び船艇の建造・販売・修理・救難解体を行う会社 (Y)で勤務していたが、躁うつ病により連続欠勤となり、就業規則所定の連続欠勤日数の上限に達したため解雇された。

  • Yの就業規則では、連続欠勤日数が33か月を超えた場合は解雇すると定めていた。同規則では、1か月以上私傷病欠勤したもので3年以内に1か月以上の欠勤をしたことがあるものが再出勤を申し出た場合はリハビリ勤務対象者として、1-3か月の間でYの定める期間の短時間勤務に従事することとされ、リハビリ勤務終了後に再出勤可否を決定する旨定められていた。再出勤・リハビリ勤務課日は再出勤審査会の答申を踏まえて人事労務が決定する。

  • Xは平成19年3月までに精神疾患で2度欠勤しており、同3月16日にうつ病により欠勤開始し、同年5月21日に仕事を変更したうえで再出勤が認められた (第1回)

  • Xは平成26年8月18日に躁うつ病で欠勤を開始し、同27年3月18日から3か月のリハビリ勤務後に6月18日から再出勤を認められた (第2回)

  • Xは上司からのサポートを受けたが、7月27日に配置転換により通勤時間が長くなった

  • Xは平成27年年8月24日に躁うつ病を理由に私傷病欠勤を開始し、平成27年12月7日に再出勤を申し出たが第三開催出勤審査会で不可とされた

  • 平成30年1月12日に再出勤を申し出たものの、同年4月12日の第4回再出勤審査会で不可とされた

  • 平成30年5月23日、YはXに対し、私傷病による連続欠勤日数の33か月声を理由に解雇した

判決要旨

  • 第一に、従前の職務を行える程度に回復しっと言えない

  • 第二に、Xの復職後の職務は、能力経験地位及びYの業種や配置などから統括基幹職又は主任が担当する業務を担うべきだが、それを提供できたと認められない

  • 第三に、Xはその他の業務の労務提供を申し出ていない

  • 以上から雇用契約は終了したといえる

ポイント

労務提供の可否から判断されている
労務を提供するための私傷病休職制度とされている
したがって、もし本来業務に戻れないならば、ほかの労務提供をさせてほしいと労働者から願い出ることになる

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