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【看護師の職場いじめ介入レビュー】Interventions for Preventing and Resolving Bullying inNursing: A Scoping Review
概要
看護師の職場いじめを解決もしくは予防するプログラムレビューである。PRISMA-ScRチェックリストに基づいて行い、14の研究について分析した結果、教育的介入、認知的リハーサル、チームビルディング、看護リーダーの体験という4種類に大別された。効果などの詳細はさらなる研究が必要だが、介入の選択肢を示した。
問題と目的
上司から部下に行われるいじめには、管理者が部下の能力に気づかず、彼らのキャリア形成の機会を奪い、彼らを育てたりトレーニングすることを拒み、彼らの評判を下げるような噂を流すものがある
同僚から行われるいじめには、過小評価、屈辱的で生意気な発言、多くはほかの看護師・患者・患者家族の前で行われる
ほかにもincivilityがあるが、本研究ではいじめを包括的な概念として扱う
いじめは、個人・環境・組織の要因が重なって (または相互にインタラクトして) 生じる
基本的には弱い属性にあるものがいじめの被害にあいやすい
例えば、少数民族、非ネイティブスピーカー、性別、若年、現在の職場での職歴など
環境・組織の要因は、状況・課題志向のリーダーシップ、サポートの欠如、リーダーシップの欠如、強固なヒエラルキー、非公式の組織的な同盟、組織手続きの虐待、仕事の負荷、人員不足、仕事へのプレッシャー、過度なストレスなどがあげられる
(これらはリスクファクターであって、まず理論的にはいじめるものは弱者に手をあげることが明確にわかる
(そのほかは、負荷が増すといじめが生じるという因果関係になっているが意味が分からないので理論的にはまだ破綻している
看護職の意いじめは60%を超えているし、incivilityにおいては90.4%である
看護師のリーダーはいじめに気付く必要がある
いじめでおおよそ30%が退職を希望し、そのうち半数が仕事を辞める
ひどすぎるから介入方法を調べる
方法
レポートはPRISMA-ScRに基づく
リサーチクエスチョンは、看護職のいじめを予防する介入があるか、看護職のいじめを解消する介入があるか
包含基準:いじめを扱っている、卒後の看護師を対象としている、2011-2021年刊行、英語かイタリア語、質・量あるいは双方の研究
除外基準:会議資料、編集コメント、資料、本などは除外
結果
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教育的介入
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いじめの特徴と帰結を説明するものだが、介入により内容の差が大きい
incivilityの説明とディスカッション
葛藤対処スタイルの同定、安全な職場環境を作る取り組みに関するe-learning
いじめに該当しない会話、典型的ないじめのシナリオ、
ネガティブな行動を記録をつけてもらい自覚を促す
基本的にはいじめのレビューと適切な対応の説明、その他プラスワンの工夫といったところ
認知的リハーサル
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いじめとuncivil behaviorを止めるための認知的リハーサル訓練と、コミュニケーションテクニックを練習するもの
uncivil behaviorへのレスポンスができるようになった (Razzi & Bianchi)とあるが、ロールプレイがあるのでかなりストレスフルな介入になる
標準的なシナリオと対処法を作成してロールプレイした (Kang et al)
認知的リハーサルでロールプレイを伴うものがあるが、いじめの前にプログラムがきつすぎるので改善が必要
チームビルディング
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看護師リーダーの体験
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文献
Kang, J.; Kim, J.I.; Yun, S. Effects of a Cognitive Rehearsal Program on Interpersonal Relationships, Workplace Bullying, Symptom Experience, and Turnover Intention among Nurses: A Randomized Controlled Trial. J. Korean Acad. Nurs. 2017, 47, 689–699. (標準反応)
Luca, C.E.; Sartorio, A.; Bonetti, L.; Bianchi, M. Interventions for Preventing and Resolving Bullying in Nursing: A Scoping Review. Healthcare 2024, 12, 280.
Razzi, C.C.; Bianchi, A.L. Incivility in nursing: Implementing a quality improvement program utilizing cognitive rehearsal training. Nurs. Forum 2019, 54, 526–536. (incivility へのコミュニケーション訓練)
コメント
基本的に、教育、認知的リハーサルしかない
日本の風土を考えると、いじめの具体例を示したうえで、本質的に適切な対応例をしめすことが実際に使えなくても自分を守ることになる、という程度にとどまっている
理論がない
お互いをリスペクトするというグループセッションはもう地獄なので無理
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