SPEAK EASY 宮沢和史 又吉直樹

1月27日深夜放送 SPEAKEASYについて2人の会話が興味深かったので、要約

又吉 
宮沢さん、THE BOOMのファン
小学校の頃からアルバム、ビデオ見て宮沢さんの詞から言葉を覚えた事もあり、表現の仕方、比喩、ここまでさらけだしてもいいんだ、強い言葉などは影響受けて。
高校卒業して上京して初めて行ったライブはTHE BOOM大宮。
三鷹に住んだのは太宰が好きだからだと思われてるけど、THE BOOMの中央線が好きで沿線に住みたかった

最近声かけていただいて詩の朗読のバトルというか言葉のキャッチボールをさせてもらった


宮沢 
又吉が出てきて、シンプルに芸人さんてだけではなくて、小説家の部分など見えてきた時に見てて怖かった

故郷には甘酸っぱい思い出と恥ずかしい思い出。恥ずかしい思い出がゾンビのように湧いてくるっていう歌のゾンビに見えた

思春期の頃の自分の、やっちゃったな、かっこ悪いな俺。俺ってちっさいなっていうのを知っている人に会ってしまった気持ち

又吉 
宮沢さんのエキスを吸ってる
中学時代に髪型真似した→髪質違うから難しいと言われた

宮沢 
歳が違うけど、そんな感じがしない
情けない人、路地で吐いてる人を見ていそう。
心臓が共振する感覚

沖縄のライブに来てくれたのが印象的だった。
その時に挨拶させてもらった。

聞きたいことがいっぱいある
僕もある

小説は説明に色味、質の厚さがある、SNSについてどう思うか?

又吉 
便利だけど怖さも感じる。
子供の頃あったら考える手前の感情だけで出して満足してしまったのかな?と思う。
人に見せて考察してという過程なしに満足してしまいそう

宮沢 
今やそれ(YouTubeやSNS)がサブカルではなくメインのコンテンツになってる

今の高校生はYouTube6時間見てる

又吉 
授業より長いですよね

宮沢 
その影響力は怖い
芸術は曖昧なものだから飲み込まれてしまう
YouTubeにどう立ち向かのがいいのか
喧嘩したらいいのか、仲良くさたらいいのか分からないのでまだ近づいてない

又吉 
即効性のあるもの、時間をかけて数年後に影響与えるものもあるし、時間をかけて影響を与えるものに触れる機会がなくなるのはもったいない
一方でSNSでも僕らが知らない刺激があるのかもしれないから、積極的に触れていきたい

宮沢 
自分の過去キャリアと擦り合わせたいけど、若い子たちは初めからあるから違う。

音楽を年表で聴くけど、若い子は年表がない。最新の音楽の後にスライストーン、ボガンボス
年表も地図もない。
サブスクなので、年表も地図もない、、過去もない、現在もない。甘酸っぱい過去も見られてしまうしそれが今として見られてしまう。

時系列が抜け落ちてる怖さも面白さもある。
時系列でこうなったという説明ができない

又吉 
昨日は最新曲、今日はデビュー曲と聴くことができるから、あれこのアーティスト今日は挙動どうした?ってはなる


宮沢 
君はTVっ子のPVの前半はパロディなのにその前半ばかり見られてしまう

アニソンが流行ってる
アニメコミックがほぼ同時に世界に共有できる。
音楽の地殻変動が起きてる
 
又吉 
お笑いは物理的に映像が荒いから古いのはわかる。

お笑いの質は進化してるのか?
自分のアーカイブが10年しか残ってないのでそれは良かったと思ってる。

🎶次世界🎶

宮沢 
又吉さんの小説読んでると芝居、絵画、映画、音楽があって、でもメインはお笑い。この関係性は?

子どもの頃に体験したもの。最初が音楽。
劇は大阪出身で大阪にいたのに台本が標準語。直したいから大阪弁に直した。それを配ったら大人が喜んだ。演劇とお笑いの区別はあまりない。
将来何をするのかな?と思うと作るものがいいな。

宮沢 
好きなものをいじってるうちにお笑いに結実した?それが小説にドーンと向いていった?

又吉 
お笑いが根本。
人を笑わすのは楽しい

宮沢さんの初めての劇は?

宮沢 
クラスの中で表現したい。
いうこと聞いてくれそうな友達を集めてやる。
探偵や刑事の劇。女子がバカな男子だなぁって見てる。

ちょうどドリフ全盛期
お笑いと芝居、そして生放送のライブ。
影響された。バカって言われるのが気持ちいい。
ちょっとだけよ のマネ
女子にバカじゃないの?!って一斉に嫌われる(笑)それが楽しかった。渦を作るというか

思春期になるとロマン、美しさに敏感になる。
音楽に焦点があつまる。

又吉 
言葉はどれくらいで意識的になったか?

宮沢 
小5で好きな人無口、綺麗で声も綺麗
今の世の中なら押し流されそうな人。
美の頂点の人。
ナウシカのような憧れの人。
その人が詩を書いてる
悪魔になりたかった私
彼女とそのタイトルが結びつかない、、どういうことなんだ?

そこから詩にハマって谷川俊太郎を読んだ。

又吉 
中2の頃クラスの中で地域ごとに集まって夏休みの過ごし方を相談する会があった。

先生が地域に分かれてを他方に分かれて言い間違えた時
どこまで行くねん!ってツッコミを入れたいつも片頬を机につけて半分寝ている可愛らしい女子がきっかけ。
そう突っ込むんだ!

宮沢 
忌まわしい過去を知られてるような男。
小説を読ませてもらって本当にそうなんだなと思った。

宮沢 
大学生時代下北沢を寝ぐらにしていた。
又吉くんの小説に出てくる路地は知ってる。
プロになれない頃で不安だった頃。電車で不安で震えがきて降りてしまうくらいのころ。

なるべくあの頃から離れたいんだという思いでここまできた。建築物を作った、塀を作ったり、番犬を置いたようなもの。

それが又吉直樹に剥がされて、バラされた気分

蜘蛛の糸が垂れてきて下から来るのを蹴散らしてやっと上で知名度をあげたのにまた又吉直樹に血の池に落とされた
そんな気分。衝撃的だった。

人間、劇場どちらもそうだった。

又吉 
小学校のとかに宮沢さんの詩を読んでたから

宮沢 
自業自得ってこと??

又吉 
そうだと思いますよ。

宮沢 
当時の自分に聞かせてやりたかったなと思うフレーズが出てくる
それがとても嬉しい

又吉 
そう言ってもらえるのはとても嬉しい

宮沢
疎外感、孤独、人混みの中で感じるけど、人混みがなくなると推進力になる
というフレーズ。

今はみんな疎外感を感じている。
孤独、疎外感の質が違ってきている

これからの自分の表現もそうだけど変化していっている。

死を意識しているけど、、実際に死はあまり出てこない。

絶対死の易経を受けている。→膝を叩いた

又吉 
自分の考えを自分で批判したりしたくなる
自分の小説で自分と自分が言い合ってるのは癖なんですけど。

自分の最高傑作は何ですか?って訊かれたらなんて答えよう?
これから出ますとか?
そんな時にこの曲聴いてこの心境で言ったらいいのかなって。

宮沢 
歌えばエネルギーが生まれる。
たとえ星になっても熱が生まれるし、歌が生まれる。
又吉さん、俳句。堀本さんとの俳句の本読んだ。

又吉
全く知らないところから始めた。

宮沢
それなのに堀本さんを唸らせてるのには感心した。

又吉
堀本さん、教えるのが上手

宮沢
言葉の人。言葉って宇宙

俳句だろうが小説だろうが、脚本だろうが違いがないんだろうね。

又吉 
鑑賞するのはどれも好き。琉歌もまずは鑑賞から始めたい

宮沢 
琉歌は沖縄の言葉以外でつくってる人はいない。僕はつくってる。
先人への失礼がなければ何をやってもいのではないか?

又吉 
父が沖縄 母は奄美
書く言葉も好き。
自分が発生するもの

宮沢 
俳句はとても怖いと書いてた。俺もそう。
季語があって17文字に収めていくをもすぐクリアしていく。

やっぱり言葉の人だな…

   

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