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自分より上と付き合うか下と付き合うか

以前聞いた、ある芸能人の方の話。
体育会のOB会から「自分より下の年代だけ」だけ独立して第二OB会を作り、自分が頂点に立ち続ける構造を作りました。
昔の体育会なので、上下関係は大変厳しい。上と付き合いたくない、という気持ちはよく分かります。

「昭和名球会」は、金田正一さんより下の年代しか入れないですよね。確か。体育会の世界で、周囲に後輩しかいないハワイ旅行は、すごく楽しいと思います。

ある程度の年齢・地位になると、付き合う相手が選べます。付き合う相手は、大きく分けて「上」「下」の二つ。

この「上下」は集団内のスキルの話。ここでは年功序列とか上昇志向とか収入とかじゃないです。なので、さっきの芸能人の話とは少し違います。

1)上と付き合う:
自分が最下層となる場所に行き、何もできず、周囲から教わる。

2)下と付き合う:
自分が最上位になる場所に行き、だいたい何でもできて、周囲に教える。

要約すると(1)は「できなさそうだから」選ぶ、(2)は「できそうだから」選ぶ。

僕が好きなのは、1)できなさそうだから選んで、上と付き合う、の方。
周りの人がみんな自分より優秀だから目線が上がる。それにできないのが当たり前だから、何でも聞けるし腕も上がる。ストレスはそれなりに大きいですが、ダメそうなら辞めればいいし。うちの業界は平均年齢が高いので「どこにいっても常に最年少」で「自分が最下層以外の選択肢がない」のも、理由の一つです。

逆に、2)できそうだから選んで、下と付き合う、には興味がない。
自分が活躍できる、達成感があるのは魅力的。でも、何度かやったことをもう一回やること、あまり頑張らなくてもなんとなく勘と経験でできる。それって、自分のためになるんだろうか。スライムを何万匹倒しても成長には繋がらないし、自分がもう少し強くなって、スライムよりもう少し強い敵を倒す方が、救われる住民は多いと思う。

そういう考えで、アウトプットばかりになったら、その集団から離れるようにしてます。

この「上下」を意識したのは、ある本に載っていたエピソードから。

すごく優秀な人が、難易度の高い仕事を担当し、どこから手を付けていいか分からなくなり、メンタルの不調で休職。医師は、仕事以外の活動をするよう勧める。その方は、以前から興味のあったカメラ教室に通い始める。職場とは違い、カメラ教室では自分が一番の初心者で、自分は全く何もできない状態。教室で勉強するうち、できない状態に慣れた。仕事も進められるようになり、体調も少しずつよくなった。要約するとこういうお話です。

経験を重ねると、できることが増えていって、簡単にできそうな選択肢を選びがちになります。できなさそうな選択肢を選べば、居心地は悪いですが、新しい能力がついて、今までと違う視点が得られます。

なんとなく始めたサッカー観戦。試合内容が何も分からず苦痛で仕方なかったのが、ひとつずつ経験を積み、少しずつ見方が分かってきました。理解度はまだまだですが、何試合、何年かの文脈を踏まえた、それなりのアウトプットはできてると思います。そして、アウトプットの比率が上がるにつれ、そろそろ終わりが近いのかなあと感じます。

サッカーは時間もお金もかかる趣味です。うちのチーム(奈良クラブ)が一部リーグに昇格したり、タイトルを取ったり、日本代表を輩出するのはまだまだ先です。できれば長く付き合いたいのです。あくまで趣味なので、人生をかけて、生活をかけて真剣に取り組むものなのかなあ?というのはよく思います。

社会人になると仕事優先、生活優先ですし、家庭も地域もやることはたくさんあります。自分の情熱をすべてぶつけるのは、もっと若い人に任せたいです。50過ぎの妻子ある役職者(設定はすべて仮)が自分の情熱をサッカーにすべてぶつけてたら、いずれ仕事と家庭を失います。


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