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Acoustic Time Vol.1廣野ノブユキアコースティックライブ、こんなふうに配信しました-配信の裏側と私の感じたこと

8月8日(土)に、月と流星群の本格的なスタートとして、初めての有料配信をしました。
当日、どんなふうに配信したか、ここではその裏側を書いておきます。

また今回は、ただライブを配信するのではなく、配信ライブ自体を楽しんでいただけるように、いろいろな工夫をしました。

当日のタイムテーブル

タイムテーブルはこんな感じ。

12:30 配信チームとPA会場入り
13:00 廣野さん会場入り
13:30 リハスタート
14:30 最終チェック
15:00 配信スタート
16:00 片付け
17:00 撤収

前日にテストと設営をさせていただけたので、スイッチャーとHDMIケーブルなどはすべて設営しておき、三脚も設置しておいたので、今回はカメラは設置にはそれほど時間はかかりませんでした。

今回はほぼ時間通りにセッティング、テストなどは進行。
ライブが少し長くなったので、その分押しましたが、それ以外は予定通り進行できてよかったです。

配信プラットフォーム

今回は有料配信で、どこで配信するか迷いました。
いろいろ調べて、いくつかプラットフォームに問い合わせしたりしましたが、今回のアーティストさんの視聴者層がいちばん慣れていると思われるツイキャスプレミア配信にしました。

手数料も安い(5%)のですが、対応がとにかく早くて助かりました。

有料配信するにはツイキャスのキャスマーケットで申請して、本人確認のうえ承認されないとできないのですが、申し込んでから5営業日、と書いてあり、配信日まで10日を切っていたので、かなり焦りました。
が、なんと申請翌日には承認メールが!
スムーズな対応、ほんとうに感謝しています。

超高画質配信

少しでもきれいな画質で配信したくて、当日は超高画質配信にしました。
カメラの解像度の高さは必須ですが、これ、ほんとうにきれいです!
ウィンドウを全画面にしても、この美しさ。
映像をそのまま出せないので、これは全画面表示した状態で、画面キャプチャをとったものです。
カメラはD500。

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こっちはD850。

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超高画質配信について、詳しくはツイキャスのページにリンクを貼っておきます。

音響

セットリストをいただいたあとで、グランドピアノも使いたい、との要望をアーティストさんからいただいたので、急遽、ピアノ用に楽器マイクを1本用意しました。
2本あればもっとよかったのですが、マイクスタンドが2本しかないので、ピアノとボーカルで1本ずつです。

先週配信に出演してくれたfoolish fishのギタリスト、林さんにPAをお願いしたところ、返しのスピーカーを持って来てくださり、とても助かりました。

アーティストさんの希望をききながら、細かく調整してくださって、とてもいい音で配信できたと思います。

ミキサーからの音はUSBでミキサーとPCをつないだのですが、これがOBSでなかなか認識されず、困りました。
OBSは、私の環境のせいか分からないのですが、OBS上でスイッチャー(ATEM mini Pro)やミキサー(ZOOM L-8)が見えているのに、設定しても映像や音が出ない問題が今回も…。
PC再起動で認識されましたが、毎回どきどきしすぎるので、そろそろATEMのソフトに変えたいなと思っています。

ただ、ATEMの場合、PCにATEMをつないで電源を入れておかないと、ソフトウェア自体が動かせないので、そこだけなんとかしてくれるとうれしいのですが。
たぶん、据え置きで使う前提なのだろうと思いますが、私みたいに移動して使う人もいるので、接続なしで起動できるモードがあるとうれしいです。
事前にシーン等の設定で、画像や音響をあらかじめ用意しておくのに、スイッチャーなしで起動して設定だけしておきたい、という人も少なくない気がしますが、あんまりいないのかな…。

YouTubeでリハーサルを配信

映像がOBSで認識できて、ミキサー側でもいろいろやってくださって音もでるようになったタイミングで14時くらいになっていたので、予告していたのでYouTubeでリハーサルの様子を配信しました。
こちらは無料で、ライブの雰囲気を伝えるためにやってみました。

配信自体はスムーズに流れたのですが、モニターしてみたところ、ノイズが…。

スイッチャーとPCのあいだのケーブルくらいしか思い当たるところはなく。

前回、PCとスイッチャーのあいだのケーブルが短くて困ったので、延長ケーブルを買っておいたのですが、怪しいのはこれくらい。

果たして、延長ケーブルを外してみたら、音がクリアになりました。
無駄な買い物になってしまいました…。
ほんとうは長いUSBケーブルがほしかったのですが、どうしても見つからなかったので、延長でもいいか、と買ってみたのがよくなかったです。

もう少し余裕を持ってリハーサルを配信したかったのですが、こんな音のトラブルがあったりして、ばたばたしすぎました。
あと30分、余裕を持つべきでした。反省。

あんまりな音の部分をカットしたので、YouTubeのリンクを貼っておきます。

3カメ配信

カメラは3台使いました。

アーティストさんの左右からそれぞれ1台ずつ、足下にもう一台。

左 D500+18-200mm

配信キャプチャ01

右 D850+24-120mm

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足下 Q2n-4K
これは固定。

画像3

この画角、PAさんと演者さんにとても評判がよかったです。
後半、ピアノに移動するときとかに挟むと、とてもいい感じでした。
私も好きなのですが、後半あまり使わなかったのはちょっともったいなかった。

左のカメラは娘が担当。
あうんの呼吸で、寄りを撮ったり画角を変えたり。

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ピアノに移動した曲では、カメラも少し移動。

配信キャプチャ05

これは右のカメラ。私が画角の変更などを操作して、そのあいだはスイッチングを娘に交代。

廣野さんの曲は、曲の長さや間奏はぜんぶ頭に入っているので、あと何拍、とサインを送ってスイッチングしてもらいました。
こちら側の三脚がビデオ用だったので、ちょっとだけ、手元から顔のアップにパンもやってみました。
カメラ用三脚ではガクガクしてしまうので、これは難しいです。

私はスチールのカメラマンで、娘も写真のほうが得意なので、終わってからお互いに、画角が行儀良すぎる、もうちょっと破りたいね、と話しました。
そういう意味でも、足下からのQ2n-4Kは変化が出ていい感じでした。

カメラ設定

ホワイトバランスはK(ケルビン)で設定して、2台のNikon機で合わせています。
それでも場所によって明るさが違ってしまうのですが、大きく変わらない感じにはなったかなと思います。

どうしてもQ2n-4Kだけは色が違ってしまうので、広角でもあるので、あえて画角を大胆にして変えたので、色の違いはそんなに気にならなかったかなと思います。

ISOはオート、シャッターは60分の1、絞りは開けすぎると合わない部分が目立ちすぎることがこれまでの経験で分かったので、5.6から8、最大で10くらいのあいだでいろいろ合わせて見て、今回は5.6だったかと思います。

ライト

後ろにライトを入れました。
角度とカメラによっては、光源がはっきり写り過ぎて気になるところもありますが、だいぶ雰囲気が変わりました。

配信キャプチャ06

直前にやっぱりライトほしい、と思って、noteやFacebookを通じて知り合った配信仲間(というか先輩がた)に相談したところ、プロ機材ドットコムさんで評判のF7ポッケライトを紹介され、こちらを購入。

細かい調整で好みの色が出せるので、とてもよかったです。
欲を言えば、途中で色を変えたり、フラッシュライト的なもので演出したかったのですが、そこまではちょっと難しかった。
廣野さんのイメージが私のなかでブルーだったので青を作っていきましたが、当日、ブルーです、ってことだったので、そちらを背景に入れました。かなり気に入ってます。

一緒に三脚も買いました。

ベルボンのと迷ったのですが、これはすごくよかったです。
あいだに外せる棒があって、棒を抜くとローアングルにできるし、入れると高さが出せます。
今回は高さを出して使いました。

画面情報

前回同様、右上にロゴ、左下にアーティストさんの名前とライブ名を入れましたが、右上はちょっと失敗だったかなと思いました。

ツイキャスプレミア配信の場合、配信中はライブのタイトルが右上に出るのを忘れていました。
左右入れ替えるなどすればよかったかなと思います。

細かいことですが、文字の下の四角を、50%透過にしました。
前回もやりたかったのですが、時間がなくて調整しきれず。
今回できてよかったです。

コメントを読める仕組み

リアルタイムなコメントのやりとりは、ライブ配信ならではの楽しみのひとつだと思うので、アーティストさんがコメントを読めるしくみを作るため、配信状態チェック用に用意していたPCを、コメント用にしました。

アーティストさんの右斜め前に設置しています。
コメントだけ読めればいいので、ブラウザの表示倍率を上げて、文字が大きく表示されるようにしてあります。

配信開始から視聴者さんがコメントを書き込んでくださり、廣野さんもそれをひろって読んでくださったので、とても盛り上がったと思います。

ただ、このPCがモバイル用というより、据え置きで使う用のPCなのでとても重いので、将来的にはiPadに変えて、荷物を軽くしたいです。

プレゼント企画

視聴者さんに喜んでいただけそうな企画として、事前に廣野さんと相談して、当日、配信中に、プレゼント企画を予定しました。

スタジオのロゴ缶バッジに、廣野さんにサインをしていただいたものを、全員にプレゼント。
娘が、サイン入りとサインなしの2個セットにせよ、というので、2つセットにしました。

「日付を入れて」とコメントをくださったかたがいて、日付入りに。
間違いなくレアアイテムになったと思います。
コメント欄も盛り上がって、喜んでいただけたようでうれしかったです。

送付に連絡先をいただかなくてはいけないのですが、どこに送ればいいの?となったので、すぐにコメントでのちほどメッセージをお送りする旨をお伝えしましたが、タイミング良くコメントを入れるの大事だなと思いました。

終了後、ツイキャスのメッセージ機能から、チケット購入いただいたかた前任に、メッセージを送りました。
メッセージにはGoogleフォームで作ってアンケートフォームへのリンクを入れて、そちらで送付先を記入いただくようにしました。

いま、発送の準備中です。これをぜんぶ発送したら、ひと息だと思います。

限定グッズを制作・販売

もうひとつ、当日の思い出になるものを用意したいなと思っていたので、Tシャツを作って販売しました。

バックに、アーティスト名と日付、ライブタイトル、そしてセットリストを入れたTシャツを作りました。
セットリストを入れるのは娘のアイデア。

あらかじめデザインを作成しておき、二日前にいただいたセットリストをはめ込んでデザインをサイトにアップして非表示に。

廣野さんがトークでグッズの話をしてくださっているあいだに、非表示を外してショップにアイテムを出して、URLをチャット欄に投げました。

ちょうどsuzuriがTシャツセール期間中で、1000円引きのセールだったというのもあると思いますが、三色用意したところ、色違いで複数購入してくださったかたもいて、喜んでもらえたのかな、と。

ラジオ音源の配信

この日の朝、廣野さんが思いついて録ってきた、というメッセージ音源をいただいたので、そちらをオープニングで流しました。
ほんとうは終わったあとに流すメッセージだったそうで、そこがたいへん申し訳なかったです。これは完全にコミュニケーションのミスです。

オープニングでは、ライブタイトルの静止画を出していましたが、そこに音を流したかったので、そちらを流したところ、「きた!」とコメント欄が盛り上がる様子が分かりました。
うれしいだけでなく、ちゃんと音が届いていると分かって、技術的にほっとしました。

こちらの音源も、廣野さんからプレゼントしていい、とのことでしたので、終了後にメッセージで、全員にリンクをお送りしました。

ライブ配信を終えて

ライブ配信が終わったあと、出演してくださった廣野ノブユキさんが、配信ライブに出演した感想をブログに書いてくださいました。

音楽系のライブ配信をされるかたは、ぜひ読んでみてください。

読んでいて、こういうことを感じながらだったんだなということが分かったので、次に活かしたいと思いました。

技術的には、配信画像と音は、いちおうの完成形を見たと思いました。
超高画質配信・高音質配信と言っていいと、自分で思えるだけのものになったと思います。

ライブハウスらしさ、というとどうか分かりませんが、ライトのおかげでぐっとそれらしさも増したと思います。

一緒に作り上げる

有料配信ということで、お客さまからお金をいただいての配信は、緊張感も半端なかったですが、無事に届けられて、本当にほっとしました。

そして振り返って思うことは、ただ出演してもらうのではなく、一緒に作り上げたことで、視聴してくださったかたにより楽しんでいただける配信ライブになったんじゃないかな、ということです。

廣野ノブユキさんとは、一度しか会ったことがありませんでした。
このライブ当日が二度目でした。

ですが、当日まで、本当にいろいろなことをやりとりしました。
こちらからお願いしたこともたくさんあったし、廣野さんからアイデアをいただいたり。
機材の相談もさせてもらって、ミキサーやマイクスタンドも揃えました。
一緒に作り上げた感じがすごく強いです。

自分がやりたい配信ライブはこういう形だったんだ、と、それが分かったと思います。
廣野ノブユキさん、ありがとう。

生のライブにはかなわない

月と流星群は、私がほぼひとりで回しています。
カメラマンとして娘も撮影に参加してくれて、PAは必要なときに友人が来てくれますが、企画、ブッキング、配信のプランニング、当日のカメラワークなど、すべて私が決めています。

誰にお願いして、どんなライブにするのか。
そこからひとつのイベントとして成立させるのは、分かってはいたけれどけっこうたいへんでした。

私もライブが好きだし、音楽が好きなので、ライブハウスで生で聴くのがいちばんいいと思うし、楽しいと思います。
生のライブに、配信はかないません。

それでも配信する理由

いま、こういう状況のなかで、届けられるなら、できうる限り最良のものを届けたい。

この思いだけです。

だからこそ、超高画質・高音質配信にこだわっています。

たくさんのスタッフさんがいて、お金もいくらでも使えるなら、もっといろんなやりかたがあると思います。
サザンの配信ライブはすごかった。

私が届けたいのは、顔が見える人数なんだと思います。
ライブ中に廣野さんが言っていた「今日、見てくれている、ひとりひとりの顔を思い浮かべながら、この歌を届けます」という言葉。

そういう規模で配信をしようと思ったら、そうそう人数も費用もかけられないのが現実です。

そんなライブで、最良のライブ配信をしたいです。

一緒に作り上げたいアーティストさんに出会いたい

次の配信ライブはまだ決まっていません。

場所を使わせていただいているA Piacereのオーナーさんからも、焦ってやらなくてもいいのでは、と言われました。
長くやることを大事にして、慌てなくてもいい、と。

今月は3つのプログラムを配信しました。
ふつうのライブハウスからしたら、なんて少ない数だろうと思います。

いまは出会いを待ちたいと思っています。

「一緒に作り上げたい」私がそう思えて、アーティストさんもそんなふうに思ってくれる、そんなアーティストさんに出会いたいです。


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