YoloBoxでの3時間半の音楽配信~実施編
さて、当日の実施編です。
まあいろいろありましたが、ボランティアベースの配信ということで、配信ガチ勢のかたにはあたたかく見守っていただければと思います。
前提として、
・会場入りからの準備時間はない
・ワンオペ
です。
このなかで、会場に来られない仲間にどれだけのものを届けられるかがポイントになります。
配信映像を見たい方は、こちらからご覧いただけます。
短時間での配信準備
今回の会場はライブハウス等ではなく、イベントスペースとして貸し出しされている場所でした。
準備からのタイムテーブルを見ると、配信されているかたほど、「えっ?」っとなると思います。
そんなタイムテーブルはこちら。
タイムテーブル
16時 開場
17時 イベントスタート
20時半 終演
21時 完全撤収
出演者は約30組。入れ替えも含めてひと組7分の持ち時間です。
搬入~セッティング
16時に機材搬入し、セッティングを開始。
建物4階の屋上、階段のみ、という状況で、エレベーターがないのは機材搬入だけでなく、参加者全員つらいところですが、がんばって運び上げます。
手分けしてもろもろ運び上げました。
イベント実施チームも、PAさんもたいへんです。
私が運び上げると、すでに音響のかたが3階の廊下までPAに必要な機材を上げておられました。
搬入してすぐにやるのは、配信卓の場所を決めることです。
今回は音をPAさんからいただくので、できれば近くいいと思っていました。
事前にいただいていた図面と、前回のイベントの様子から、おおよその位置を決めていたのですが、ステージ位置をそれとは別の場所にすることになりました。
その位置に合わせて設営を始めたのですが、やはりステージが見づらいので前回と同じ位置に、となり、配信卓とPA卓の位置も、それに合わせて変更になりました。
設営を始めてわりとすぐの変更でしたが、すでにトランクを開けて荷物を出し始めていたので、抱えて移動です。
時間のロスではあります。
カメラセッティング
1時間後には本配信をスタートしなくてはならないので、時間があまりにも短く、カメラ位置を細かく調整している時間がありません。
また、事前に考えていた配信卓の位置が変更になったため、そこにも時間を取られました。
効率よく進めるため、いったん三脚をすべて立てて、おおよその位置を決めて置いてしまいます。
カメラ4台分です。
足元がウッドデッキで、養生テープを貼るのがためらわれたというのもありますが、そもそも養生している時間もないので、配信卓から見てステージの対角や、ステージ脇へのカメラの設置は諦めました。
あとから思うと、一台セットしておきたかったのは、演者の背後やそばから観客として聞いている人たち(演者でもあります)を撮るカメラなのですが、それを考える余裕もないくらい、ばたばたした準備になりました。
配信スタート時には、カメラ4台のうち、2台の画角が調整すらできていなかったので、お察しいただければと思います。
YoloBoxのおかげで接続と配信はスピーディー
今回はYoloBoxからの直接配信です。
マルチを見るためのディスプレイも持ち込んでいません。
PCはありますが、配信状況管理用で、YoloBoxとは接続しません。
音響は、私が設営するマイク、ミキサーはなしで、現場のPAさんかラインをもらうのみです。
そのため、接続系は、
・各カメラからのケーブル接続
・音響さんからのラインアウトの接続
のみで、これはすぐに終わりました。
なので、ここまでで時間がかかったのは、
・卓の位置決めと、テーブルの移動
・カメラ位置を決めて三脚を設置
です。
電源の接続
いったん配信系の接続をしたあと、電源をどんどんつないでいきました。
幸いコンセントがすぐそばにあり、コンセントと卓のあいだは人が通れない(壁際にテーブル設置で、物理的に通れない)状態だったので、養生は必要なかったので、コンセントから一本出して、卓にテーブルタップを設置し、そこに各電源を接続します。
宮殿が必要なのは、PC、カメラ、モバイルルーターです。
YoloBoxは、稼働中は給電されないようで、充電池からの電源になりますが、念のため接続しておきます。
コンセントは10口を用意しましたが、これは十分でした。
USBで給電するものが多いので、USBの給電ができる口を用意していきましたが、やはり多めに持っておくのが安心だなと思いました。
USBケーブルは、C-Cは多めに持っていましたが、A-Cが足りなくなりそうで一瞬焦りました。
が、必要な数はあったので大丈夫でした。
最近はCのものが多くなっていたので、もう少し余裕を持って本数を用意しておけばよかったです。ふだん持ち歩いているポーチに入っているのですが、A-Cが入っているほうを置いてきてしまっていたので、整理が足りなかったなという反省も。
YoloBoxは電源接続しましたが、稼働中は充電してくれない(給電しながらの利用はできない)仕様のようでした。
これは前回使わせていただいたときにも、そうなのかと思っていましたが、確信しました。
長時間配信には心配になるので、ぜひ給電しながらの配信が可能になってほしいです。
回線速度の確認
楽天モバイル、Povoともに、上りが10Mbps程度でした。
安定していればぎりぎりHD画質で配信できますが、微妙です。
テスト配信の時間がないまま、配信スタート
配信をやっている人なら「あり得ない!」と叫びそうですが、テスト配信をしている時間はありませんでした。
接続が終り、4台あるカメラのうち、満足に設定ができたのが2台(共に一眼レフ)。
Webカム一台と、Q2n-4Kはまだ設定前です。(どうして設定できていなかったかは後述。)
この次点で、イベントスタート5分前でした。
本番配信スタート
テスト配信を非公開で行おうと思いましたが、時間がなく、いったん自分のYouTubeに流しかけてあきらめてやめて、本番を流すことにしました。
PAさんと音響の連携をしていて、YoloBolにLINEで音をもらいます。
いただいた音が最初割れていたので下げていただき、ゆるっとイベントがスタート。
定刻を2分過ぎてスタートできました。
YouTubeはすぐに映像がいったん途切れてしまいました。
コメント欄に、「見えないです!」が飛んできます。
焦りますが、おそらくネットワークの帯域低下なのですが、流し始めている状況で対応できることはなく、様子を見るしかありません。
YoloBoxで配信状況を見ると流れているので、少し待つと流れ始めました。
このあとも、何度も速度低下があり、映像が途切れているのが分かりました。
視聴者側の仲間も状況が分かってきたのか、そのあとは映像停止などでコメントが来ることはなく、見守ってくれているのを感じました。
配信URLの予約について
配信URLは、前日までにYoloBox側から予約設定し、その後、PCからYouTubeにログインし、YouTubeスタジオで、配信開始時刻の設定をし直したり、サムネイルの画面を入れたりしておきました。
YouTubeスタジオ側で先に配信予約を設定しておいて、YoloBoxに設定する方法が分からなかったので、この順で設定しましたが、当日の配信開始も、まったく問題なくつながって配信がスタートできました。
配信中の管理
管理中は、配信状況の管理と電源管理、スイッチング、音響チェック、カメラの調整(ピント、明るさ、色)、テロップ入れをしていました。
正直、ひとりでやるものではないです…笑
本来、それぞれ一人が付くくらいの作業量なので、ちゃんとした配信であれば人を分けています。
配信状況チェック
YoloBox上でデータのドロップ状況などが確認できるので、そちらをチェックしつつ、配信映像をPC上で確認していました。
ときどきめちゃくちゃドロップして、映像も音も行っていない状況が何度もありました。
固定回線がないのでしかたないのですが、ご覧になっているかたは気を揉まれただろうなぁと思います。
複数回線を束ねて切り替えられるルーターを使えれば、モバイルでも防げると思うので、次回はそうした機材も使ってやってみたいです。レンタルでもけっこうするので、テスト配信で借りるのははばかられますが…。
電源管理
ちゃんと給電されているか、バッテリー運用のものはどれくらい減っているかを、常に気にしていました。
PCとモバイルバッテリーは特に問題なかったのですが、いちばん使っていたZ6Ⅱが、給電状態では充電されないので、電池が減っていて、なにかの表紙に給電されなくなったら危ないので気になりました。
USB給電していましたが、満充電のバッテリーパックを装着しておく、予備バッテリーを用意しておけばよかったと思います。
今回は荷物を減らすために、電源カプラーを持っていかなかったのですが、心配するくらいだったら持っていけばよかったです。
YoloBoxはバッテリー運用でしたので、バッテリーの持ちが気になりました。
3時間半のイベントではギリギリ持つはずと計算していましたが、正確に記憶していないのですが、最初の1時間で15~20%くらいだったかと思います。
途中で計算して、4時間は大丈夫、と思ったのは覚えています。
カメラの調整
適宜スイッチングしながら、カメラ映像をチェックしていましたが、画角を調整しきれなかったWebカム2台の画角と、ミラーレス一眼の色と明るさを配信中に調整していました。
カメラがバラバラなので色が合わないのは、準備段階から分かっていたことですが、できるだけ合わせたいので、ミラーレス一眼二台はケルビン設定です。
この二台は、途中まではケルビンで合っていたのですが、日が暮れてくると色のズレが出てきたので、途中でホワイトバランスはオートに切り替えました。
また、ステージは屋根があるものの、後ろが窓で、外の明るさの影響を大きく受ける状況でした。
暗くなってくる状況に合わせて、ISO値を少しずつ上げていきました。
Z6Ⅱとα6300は、ISO値をかなり上げてもずっときれいでした。
さすげのミラーレス。
またWebカム2台は、画角の調整に苦労しました。
Q2n-4Kは、小さいながらディスプレイがありますが、OBSBOTは付いていないので、マルチを見ないと画角が分かりません。
ちょうど卓とカメラのあいだに柱があったため、回り込んでマルチを見ないと、設定した画角が分からなかったので、3回くらい出たり入ったりしながら調整していました。
ふたりいたら、もっと簡単にできたと思います。
またWebカムは、これも分かっていましたが、明るさの変化に弱いです。
そう考えると、OBSBOTは、かなり粘れるWebカムでした。
一定の暗さになると急に映像が荒れてきたのですが、明るいうちは、ミラーレス一眼と遜色ない映像でした。
明るい室内などであれば、配信に十分な画質だと思うので、今後も活用していきたいWebカムです。
スイッチングとテロップ出し、ロゴ
画面に「シンガーソングライター研究会」のロゴを出したくて、事前にいただいた画像を仕込んでおきました。
YoloBoxにセットしたSDカードから読み込むだけで、簡単にオーバーレイの設定ができたので、とても楽でした。
また、YoloBoxではテロップも簡単に作れるので、この機能を使って出演者全員の名前を画面に出したいと思い、前日にテロップを仕込んでおきました。
いくつまでテロップを仕込んでおけるのか、数の制限があるのか分からなかったのですが、30名分のテロップを準備することができました。
複数のデザインが用意されているので、選ぶだけで簡単ですが、色を変更したり、表示位置を変更したときに、うまくその設定をコピーできるか分からなかったので、色の変更などはせずに、表示位置だけを、デフォルトの上位置から下に変更するにとどめました。
基本的に自分ですべてスイッチングし、テロップ出しもスムーズにいきましたが、長時間にわたる配信の中で少しだけ変わってもらいたいタイミングがあったときも、「画面のこことここでカメラの切り替えができるので、適当に切り替えてください」という指示だけで、すぐに交代をお願いできました。
テロップについては、やはり大きいマルチを準備しておいたほうが、はっきり画面で確認できたなと思いますが、準備も切り替えもとても簡単でした。
主催者からも、「それぞれの名前が画面に出るのはいいね」と。
やってよかったし、いい機能だと思います。
カメラのピントが定まらない問題
配信映像を見ると分かるのですが、カメラのピントが迷うものがあり、これがなかなか修正できなくて困りました。
もちろん配信前に設定をしておくおくべきなのですが、考えることが多すぎて忘れてしまったのです…。反省…。
Sonyのミラーレスが、顔認証がオンになっていたのだと思いますが、動きに引っ張られてピントが揺れてしまいました。
ふだんあまり使っていないカメラで、操作系を思い出すのに時間がかかり、後半にようやく、オートフォーカスを切ってマニュアルにして、置きピンで対応しました。
メニューを表示したらHDMIが消える問題
これはYoloBoxの仕様だと思うのですが、ミラーレスのメニューを画面に表示したら、接続が切れる状態になりました。
どういうことかというと、
1)Z6Ⅱのホワイトバランスを変更しようと、本体のメニューボタンを押す
2)YoloBoxのマルチから、Z6Ⅱが消える
3)メニューを消すと、マルチに表示される。ただし、最初と違う順番になり、いちばん後ろに表示される。
これまで使ったことがあるスイッチャーでは、どのスイッチャーでも、メニュー画面を出すとそれがそのまま表示されていたので、これにはちょっとびっくりしました。
また、メニュー画面を消してから復帰までに少し時間がかかること、そしてなにより、表示順が変わってしまうのはやっかいだなと思いました。
マルチ画面の下には、何番に入力しているものかは出ていますが、スイッチングしているときには、そこを見ると言うより、感覚で、右とか左とか、物理的にその位置にあるものを選んで押しているので、途中で変わるのは使いにくいです。
収録
YoloBoxで収録しました。収録形式は、時間でカットしない設定です。
最終的なファイルはふたつに分かれていましたが、切り替わりの部分でのコマ落ちなどはありませんでした。
ただ、再生してみたときに、後半にいくほど、映像と音のずれが大きくなっているようでした。
あまりパワーのないPCで再生したせいかもしれませんが、これはこれから検証します。
また、後半は映像が荒れている箇所がありました。
前半と同じカメラの映像でも、かなり違って見えるところもあったので、重要な記録の場合は別に記録装置を用意した方がいいかなと感じました。
最終的な配信についての、自分としての反省点や、こうすれば回避できたかも、といったことは、次のnoteで書きます。
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