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【子育て】 取ったのに取られてない、双子たちの不思議なあそび

長男(2020)と双子(2023)のいる暮らしについて「この世にたやすい子育てはない」をテーマに雑記しています。

お座りができるようになった双子たちを向かい合って座らせると、仲良く遊んでいるかのようでほほえましい。

しかしよく目を凝らすと、目の前のおもちゃに互いに手を伸ばし、われ先にと戦たかっていた。さらにじっと観察すると、一方が手にしたおもちゃを、他方がその手の中から強奪しているではないか!

壮絶なおもちゃの取り合いを繰り広げているくせに、お互いあっけらかんとしていて、取られたら、たんたんと取り返すということを繰り返す、極めて不自然な光景である。

一緒にそれを眺めていた夫は

「まだ所有権の概念がないんだね」

とつぶやいた。えっ?所有権?たしかに。自分のものという認識がないから、取られたという感覚もないのか。

それ以来「所有」という概念が気になってしょうがないので調べてみると、「所有」というのはこの社会に深く埋め込まれた、一筋縄ではいかない概念なことがわかった。

ブルース・フット「人はなぜ物を欲しがるのか」によると、そのうちに子どもたちは動物にも見られる「占有」を理解し、自分のものを他者に奪われることに抵抗する。さらに3歳になる頃には他者の所有物が奪われるときにも、第三者として抗議してみせるようになるそうだ。そうして人間にしかみられない「所有」の概念を獲得していく。

冒頭に書いた淡々とおもちゃを取り合う光景は、発達段階が極めて近しい、双子でないとなかなかみられないだろう。

まだまっさらな彼らは素知らぬ顔して、大人からみると不穏に、しかし彼らからしたら平和に、おもちゃで遊ぶ。そんな彼らをふたたびほほえましく見守ることにした。


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