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フィジー留学体験記⑦


〜前回のあらすじ〜
パパはおじ構文使いでママは意外と粘着質で筆者はノーと言えない典型的な日本人なのであった。




9/7(木)【7日目】

今日は5時半に目が覚めた。眠い。
朝ごはんはロティ、かぼちゃのカレー風味ペースト、目玉焼き、紅茶。ロティが好きだ。


学校に行くと再振り替えテストがあった。
結果は2人と離れてしまった。寂しい。


今日は午後の授業を休んで、サンベト温泉というフィジー唯一の温泉地に行こうと思う。

サボるなんて最低な奴だとお思いだろうが、「sea off」という言葉が学校にはあり、暗黙の了解で認められているのだ。

特に期間の短い留学生には、学校に籠ってないでフィジーを見てきなさい、とまで言われる。

私もその慣習に則り、サボ…ではなく、知見を広げる旅に出ようと思う。



昼休み、学校を抜ける途中でアイちゃんに会った。
アイちゃんも学校を抜け、お土産屋さんに行くらしいので街まで一緒に行くことにした。



市場は広く、端の方に伝統工芸品がたくさん並んでいるエリアがあった。綺麗なかごやタペストリーなどがたくさんあった。

そこでたくさんの店員さんに声をかけられた。
土産物屋の人達は普通のフィジー人よりもっとフレンドリーだ。

タパという、桑の木の皮と竹の版木を使った伝統的な手法で作られる柄が人気です


カヴァ
の原料らしき木の根っこらしきものをたくさん見たが、聞く英語力がなくてスルーしてしまった。

カヴァとはフィジーの伝統的な飲み物で、リラックス効果があるのだ。

親戚の集いなどではこれをみんなで飲むそうだ。
気になっていたのでいつか飲んでみたい。



お土産屋さんを出てアイちゃんと別れ、私はタクシーに乗った。

運転手はケヴィというらしい。おしゃべりな人だった。

なんかよく分からないが結婚についてめっちゃ聞かれた。
その予定はないと言うと、君は男が嫌いなのかと言われた。なんでそうなるんや。



舗装されていない獣道を進んで不安になったが、ちゃんとリゾート化された施設に着いた。
ケヴィがいろいろ話してくれたみたいで、施設の男の人が案内をしてくれた。


このサンベト温泉では全身に泥を塗りたくり、乾かしてから温泉に入り泥を落とすそうだ。
温泉は1〜4まであり、順番に入ることで徐々に綺麗になっていくようになっている。


一人で来た私に背中の泥を塗るため、施設の小さい男の子が手伝ってくれた。


めっちゃ親切やん、これがみんなが言うフィジーか…

案内料も取られるのだろうかと不安になったけどそんなことは無かった。すごいぜフィジー。


お礼のつもりで売店のココナッツを買った。
中の液は梨の微炭酸果汁(ぬるい)という感じだった。
実は淡白な味で美味しかった。何かに似ていたのだが思い出せない。

目の前で割ってくれました^^


泥が乾いたので温泉に入っていく。
1,2,3番はぬるかったが4番目の温泉はちゃんと温泉だった、暖かい。

分かりにくいですが、左手奥に温泉があります


3番目の温泉に白人の小さい女の子が入っていて、マジで妖精かと思った。
あっちのかわいい子はレベチやな。





熱い温泉に入って、あーこれだよこれ、と思っていると、日本人らしい人達が3人入ってきた。
女性一人と若い男性二人の三人組だった。


こんにちは、とお母さんらしき人に言われたので、こんにちはと返した。


ご旅行ですか、と聞くと、母親らしき女性は

私はここに住んでいて、こっちの男達は観光なの。
あっちに座っているのが私の息子ね。

と言った。
女性が指さす方を見ると、フィジー人とのハーフらしき男の子がベンチに座っていた。



え、じゃあこっちの2人とはどういう関係なんだ。
気になったけど気が引けて聞けなかった。




2時間後ケヴィが迎えに来てくれた。ここにはタクシーが来ないので、終わったらまた来るよと約束してくれたのだ。

何故か帰りのケヴィはテンションが低かった。
私のすっぴんを見たからとかいう理由じゃねえだろうな。



tappo cityに送ってもらい、大きいお金しかなかったのでビールを買ってお金を崩した。
フィジーゴールド、瓶を割らずに持ち帰らねば。

フィジービターと人気を二分する、フィジーの代表的なビール・フィジーゴールド。私はビターが好きでした^^


ママとディーと合流する。温泉施設で連絡すると、tappo cityに行くから一緒に買い物しようと言われたのだ。
一旦荷物を家に持ち帰り、パパと合流してから海岸に出かけた。
フィジー人は散歩が好きなのだ。





海はとても綺麗だった。
生で見ると違うものの一番は海だと思う。迫力がある。

海には人に働く引力があると思う。ずっと見ていると吸い込まれそうになる。終わりの見えない大きさが好きだ。




いろいろな匂いがした。
生魚、香水のバニラ、カレーのスパイス、ポプリに入っていそうなハーブの香り。

この海の近くで人間が生活している証明だ。
目を閉じると人を感じる。


どこからか花火の香りがした。

私はすごく泣きそうになった。夏の終わりの香りだ。

夏なんて好きじゃないのに、フィジーだからか。終わりの匂わせは私にとって辛かった。


たくさん写真を撮ったが、どうしてパパが写真を撮ってくれるときはいつもすっぴんなんだ。カメラロールを睨みながらちょっと恨んだ。


夜ご飯はスパイスチキンライスのようなものだった。結構辛かった。
ママはジュースを持ってきてくれた。辛いだろうからと言った、彼女は何でも分かっている。





本当に帰りたくない。

ここまでの気持ちになるとは思わなかった。圧倒的引きこもりの私はもうちょっとフィジー生活を嫌がると思っていた。

帰ると現実が待っている。




あー嫌やな、ほんまにフィジーに住もうかな...





散歩した海岸:マリンドライブシーウォール

○フィジー'sメモ○
・フィジー人はスパイシーな体臭
・インド系フィジー人は香らない、カレー食ってるのになんでやろ
・フィジー人はバニラやチョコレートのような甘い香りの香水を好むようだ

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