フィジー留学体験記⑫
〜前回のあらすじ〜
3日前に一緒に帰った違うクラスのケイ君。
朝起きると突然、彼のことが好きだと自覚してしまうのだった。
9/12(火)【12日目】
ぼーっとした頭で外を見つめる。
私、ケイ君のことが好き、なのかもしれない。
よく分からない。
恋なんて、思い返せばちゃんとしたのは中学校が最後だったと思う。
なんで好きなのだろう。
あの日、一緒に帰ったあの日以来まともに話したことはないのに。
あの日から何故か、ふとした瞬間にケイ君の顔が頭に浮かんで不思議だったのだ。
疑問を疑問のままにしていたけれど、よく考えると会いたい、という感情だったのだと思う。
なんでだろう。
何度も言うが私のタイプはiKONのジュネだ。
全く違うとは言えないが、近いこともない。
強いて言えばあの言葉、私がこの留学を決めたきっかけを聞かれたときのこと。
私がカニバリズムのあった国が世界一幸せになった理由を知りたかったから、というと、ケイ君は
と言ってくれた。
私はそれがすごく嬉しかった。
今まで留学の理由を聞かれて答えると、
こんな反応しか返ってこなかったので、褒められるなんて夢にも思わなかった。
多分それが、ずっと心に引っかかっていたのだと思う。
そんなことを考えていたら6時を過ぎていた。
まずい、早く準備しなくては。
私は手早く、しかし念入りにメイクを始めた。
いつもはしない、髪を巻いたポニーテールも作った。
朝ごはんはロティ2枚、ボラカレー、葉っぱ、紅茶。
ママは朝の散歩に行っていたようだ。
学校につくと、何やらクラスメイトの半数ほどが空港に向かう話をしていた。
今日は結構な人数が帰国するため見送りに行くそうだ。
隣のクラスに行き、アイちゃんとオオ君に話を聞くと二人も行くらしいので行くことにした。
ついでに二人と同じクラスのケイ君も行くことを聞き、心の中でガッツポーズをした。
空港のあるナンディにはバスで向かった。
空港に着き、バーガーキングに入ると、別のグループときていたケイ君を見かけた。
姿を見ると、自分でもびっくりするくらい心臓が高鳴って、それに驚いて話しかけられなかった。
視界の端に映ったケイ君の顔が、なんとなく気がついてくれたような表情なような気がした。嬉しすぎて顔を背けてしまった。
なんでやねん。無視したことになってしまうから自意識過剰ということにしよう。
この感じ久しぶり、間違いなく恋の鼓動。中学校以来だ。
私は自分の感情を素直に認めることにした。
認めてしまうと、今度はあと3日しかない現実に胸が傷んだ。
帰国するみんなの見送りをするとき、後ろの方に友達と話しているところを見かけた。
ヒヨってしまい、終わったら話しかけに行こうとその場を離れた。そんなことをしていたら、気がついたらいなくなってしまっていた。
死ぬほど後悔した。
その後どうする、という話になり、せっかくナンディにいるのだから中心街に行こうという話になった。
ナンディタウンにはバスで向かう。窓が全開で風と騒音がすごかった。
着いたらまず寺を見に行った。
何と言う名前かは知らない。すごくカラフルでちょっとチープだった。
その後お土産屋さんに向かった。
食人フォークがあったので、ハウマッチと聞くと6フィジードルというからびっくりした。
安すぎる。買おう。
だけど一緒に来た子の会計が終わってから聞き直すと112フィジードルと言われた。
そりゃこれが6フィジードルなわけないとは思ったけど!
一緒に来た子も20って聞いてたのに、名前掘ってもらってから80って言われたしヤクザやんけ。
そのあと40にオマケしてもらえてたけど。
流石に無理だから適当に理由をつけて店を出た。その理由がちゃんと伝わっていたかは知らない。
他の店でヘナを見つけ、してもらうことにした。すごく可愛くて満足だった。
るんるん気分で中心街に向かい、大きいお土産屋さんに入った。
欲しかったチョコレートやバイト先に買おうと思っていたクッキーに出会った。
しかも私の通っている学校の生徒なら10%オフというではないか。買った。
店員に素敵なヘナね、と声をかけられた。
いくらなの?と聞かれ、15フィジードルだと答えると、まあ、、みたいな顔をされた。
私が高すぎる?と聞くと、
と言った。
えーっ、置いてるお土産が他の店と比べて良心的な値段だったから大丈夫だと思ったのにー!
日本人(国関係なく観光客?)はいいカモなんだと実感した。
まあ勉強料だと思えば...出来栄えは納得してるし。
でもあのペンさえあれば自分でできる気もする。
気を取り直し、上の階に行くと木彫りがたくさん置いてあった。
手のひらの椅子があってテンションが上がった。
めっちゃドロールの戦闘場やん、かっけー欲しい。わっ150フィジードルだと...
木彫りの鳥も見かけた。
1つの木から掘り起こしてるよね、まじですごい。
最近感受性が豊かなのか芸術品で感動するようになった。
帰りのバスはどれかよく分からなくて、ぼーっとしてたら他の子がいろいろ聞いてくれて乗れた。ありがたい。
しかしなかなか発信しない。ドライバーは現地人と話し込んでいる。仕事しろ。
ラウトカについた。
タクシーに乗ろうと思ったが、使える小さい金が無かったので、フィジービターを買ってお金を崩す。前から欲しかったので良しとしよう。
スーパーでは小さい男の子と目があって、笑顔で見つめながら頭を下にさげてきた。
おちょくり方が子供でかわいい。
家につくとパパがちょっと機嫌悪い気がして怖かった。
え、ちゃんと18時頃になるって連絡したよね、届いてなかったんかな。
今から出かけるとママに言われ、ついていくと、こないだ行った家とは違う、ママの親戚の家についた。
家の中はすごくスパイスの香りがした。
親戚の女性とはめちゃくちゃヒンドゥー語で喋るから分からんかった。
激甘ミルクティーを出してくれた。すごく美味かったけれど、半分で満足だ。でも頑張って全部飲んだ。
30分くらい話してやっと帰るんかと思ったら2軒目別の家に行った。
そこでもお茶を出してくれた。
あっ、ちゃう、これカフェオレやん。ワイ夜コーヒー飲んだら寝られへんのに。
でも日本人なので断れない。
頑張って飲んだ。一緒に出てきたいちごのパウンドケーキ?が美味かった。廊下にでっかい扇子が飾ってあった。
やっと家に帰ると9時すぎだった。
遅くなるからパッパは早よ帰って来てほしかったんやな。じゃあ二人で行ってもらっても良かってんけど…
夜ご飯はチリ味のマカロニ、豆サラダ。
豆サラダは美味かった、マカロニは正直まずかった。でも頑張って全部食べた、偉い。
部屋に入り、LINEを確認すると、前一緒にべカナ島に行った男の子から、二人でカフェに行かないか、と誘われていた。
そういうことであってるよね??
自意識過剰かな。喪女なので分からない。
でも明日、ケイくんに一緒に帰ろうって誘おうと思ってたんだけど...
とりあえず明後日で約束した。
○フィジー'sメモ○
定番お土産
・ピュアフィジー
フィジー産コスメ。ココナッツオイルが使われており、香りがよく女性に好評。
・粉末カヴァ
なんとあの伝統飲料・カヴァがご自宅で手軽に楽しめます。味は...という感じ。
・フィジーチョコレート
フィジー産カカオで作られたチョコレート。カヴァのフレイバーなどユニークな味がありとても美味しいです。
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